舌がんのⅠ期~Ⅱ期は、病変部だけを部分切除して舌の機能を温存します。
Ⅲ期では、がんのあるほうの舌半分を縦に切除し、同時にリンパ節郭清を行ない、残った舌に形成外科的手術を加えて、できるだけ機能を残すようにします。
Ⅳ期では、舌の半分あるいは全部を切除し、リンパ節郭清を行ないます。
舌がんの再建術は、前腕の筋肉を採取し、微小血管を吻合して残りの舌に移植します。
舌を全部とってしまった場合は、腹部の筋肉を使って舌を再建することで、話せるようになります。
肋骨の上についていた皮膚を用い、舌を切除した位置に壁(口腔底)をつくると、飲み込めるようになります。
舌がんの標準的治療は放射線治療
舌がんの治療で、中心となっているのは放射線治療です。
なかでも、イリジウムというアイソトープ(放射線を発する物質)の針をがんに刺し、がんに直接放射線をかける組織内照射(密封小線源治療)は、その効果の高さから近年注目されている最新治療です。
副作用もほとんどありません。
なお、舌の先端にできたがんについては、細い管を口のなかに入れ、電子線を照射して治療することもあります。
Ⅰ期、Ⅱ期の比較的早期の舌がんは、放射線療法の対象になります。
密封小線源治療は、ラジウムやセシウムなどの放射性物質が入った白金製の針を、1週間ほど病巣に刺したままにしておきます。
粒子線治療などの新しい治療法も試験的に行なわれています。