21.白血病

成人T細胞白血病・リンパ腫の治療法とは

成人T細胞白血病・リンパ腫の治療法とは

■急性型・リンパ腫型は化学療法が治療の基本

・LSG15療法、CHOP療法など

急性型およびリンパ腫型に対しては、複数の抗がん薬を使う強力な化学療法が行われます。まず、検査のうえで病変が完全に消えている「完全寛解」と呼ばれる状態を目指します。

国内では、LSG15と呼ばれる治療法がよく選択されますが、他にも非ホジキンリンパ腫で用いられるCHOP療法なども選択されます。

CHOP療法については、3週間ごとに抗がん薬を投与する標準的な方法よりも投与間隔を短くする(通常2週間ごと)ほうが、この疾患に対しては治療効果が上がるといわれています。

■化学療法の副作用と対策

化学療法では、さまざまな副作用が現れる可能性があります。副作用に対しては積極的に対応していきます。

<吐き気、食欲不振、だるさ>
吐き気や食欲不振に対しては、制吐剤や点滴で対処します。

<脱毛>
脱毛は、一般的に抗がん薬投与後2週間ぐらいから始まりますが、投与が最終的に終了してから半年~1年ほどで生え揃うまでに回復してきます。

<生理不順、生理の停止>
月経年齢の女性の場合は、生理不順や生理の停止が起こることもあります。血小板低下時の月経過多を防ぐため、月経停止を目的とした薬を使うことがあります。

<血球の減少>
検査上は、白血球、赤血球、血小板などの血球減少が見られ、白血球減少による感染症の合併や、血小板減少による出血症状が起こることがあります。

赤血球や血小板の低下に対しては、必要に応じて輸血を行います。白血球減少に対しては、G-CSF製剤(白血球数の回復を促す注射薬)を投与します。

特に、成人T細胞白血病・リンパ腫では治療効果を上げるために、G-CSF製剤を積極的に使用して白血球数の回復を促し、抗がん薬の投与間隔をあけないようにする努力がなされます。

■抗がん薬の髄注

脳脊髄液検査で異常リンパ球(腫瘍細胞)が認められた場合は、脳神経組織に浸潤していると考えられます。この場合、脳脊髄液検査で異常リンパ球が消えるまで、抗がん薬を脳脊髄液に注入する髄注を行います。

脳脊髄液検査が正常の場合でも、脳神経組織への浸潤予防のために、髄注を行うことがあります。

■慢性型・くすぶり型に対する治療法

急激な進行が認められない間は、化学療法を行わないで様子を見ることが多くあります。皮膚の発疹があるときには、ステロイド軟膏を塗布します。

しかし、慢性型の中でも、血液中のアルブミン値の低下、LDH値の上昇、BUN値の上昇、白血球数が増えつつあるといった検査異常が認められる場合では、比較的早い時期に進行する可能性があるため、化学療法を行います。

この場合、LSG15療法やCHOP療法など急性型に準じた化学療法か、飲み薬の抗がん薬による治療のどちらかが選択されます。

■感染症の予防

成人T細胞白血病・リンパ腫では、「かび(真菌)」による感染症やカリニと呼ばれる病原体による肺炎など、免疫力が低下したときに見られる感染症が合併する可能性があります。その予防のために、飲み薬の抗真菌薬やカリニに効果のあるST合剤を服用します。

また、高カルシウム血症に対しては、ビスホスホネートと呼ばれるグループの薬やエルシトニンを投与してコントロールを図ります。

■強力な化学療法を行わないとき

高年齢(おおむね65歳以上)の患者さんや内臓障害がある患者さんなどについては、強力な化学療法は危険性が高いと判断される場合があります。

この場合は、感染症の予防などを行いながら、飲み薬の抗がん薬で病気をコントロールするという治療法を選択することもあります。

■造血幹細胞移植は行われるか

造血幹細胞移植には大きく分けて、自分の造血幹細胞を移植する自家造血幹細胞移植と、他人(ドナー)の造血幹細胞を移植する同種造血幹細胞移植があります。

成人T細胞白血病・リンパ腫の場合、急性型およびリンパ腫型に対しては、同種造血幹細胞移植も選択の1つになります。まだ、広くは行われていませんが、若年(通常は50~55歳以下)で重い内臓障害がなく、白血球の型が合う骨髄提供者がいるなどの条件が満たされれば、考慮すべき治療法といえます。

通常の同種造血幹細胞移植の適応とならない高年齢の患者さんに対しては、移植時に行われる化学療法や放射線療法の量を少なくした「ミニ移植」が試みられるようになってきました。

■治療成績と予後

成人T細胞白血病・リンパ腫は、いまだ満足のいく治療成績が得られていません。化学療法で治癒することは、ほとんど期待できない状況です。急性型とリンパ腫型に対しては、LSG15療法の完全寛解率が35.5%となっていますが、それでも5年生存率は10~15%程度にとどまっています。

いっぽう、同種造血幹細胞移植については報告例が少ないのですが、3年生存率が45%で比較的再発が少ないといわれています。今後、移植例が増えてくるにつれて、長期的な予後についても明らかになるものと期待されます。

慢性型およびくすぶり型は、比較的おだやかな経過をとります。しかし、ある時期に急激に進行することが多く、また、感染症の合併などによって長期の生存率は限られています。

以上、成人T細胞白血病・リンパ腫の治療法についての解説でした。

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