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14.膀胱がん

【2026年更新】膀胱がんの症状を分かりやすく解説。初期症状から末期まで男性・女性別の特徴と検査方法

膀胱がんによって現れる症状

こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。

膀胱がんは、尿路系のがんの中でも比較的多く見られるがんです。日本では年間約2万人以上が膀胱がんと診断されており、男性に多い傾向があります。

膀胱がんの早期発見には、症状を正しく理解し、適切なタイミングで医療機関を受診することが重要です。この記事では、膀胱がんの初期症状から進行した状態での症状まで、詳しく解説していきます。


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膀胱がんとはどのような病気か

膀胱は骨盤内にある袋状の臓器で、腎臓で作られた尿を一時的に貯める役割を持っています。膀胱がんは、この膀胱の内側を覆っている粘膜(尿路上皮)から発生するがんです。

膀胱がんの約90%以上は尿路上皮がんと呼ばれるタイプで、残りの数%は扁平上皮がん、腺がんなどの特殊な組織型になります。

膀胱がんは、がんが膀胱の壁にどの程度深く入り込んでいるかによって、表在性膀胱がんと浸潤性膀胱がんに分類されます。表在性膀胱がんは膀胱の粘膜や粘膜下層にとどまっているもので、浸潤性膀胱がんは膀胱の筋層まで達しているものを指します。

膀胱がんの初期症状:血尿が最も重要なサイン

膀胱がんで最も多く見られる初期症状は血尿です。膀胱がんと診断される患者さんの85~90%が、血尿を訴えて医療機関を受診したことでがんが発見されています。

血尿の特徴

膀胱がんによる血尿には、いくつかの特徴があります。

まず、目で見て明らかに赤い尿が出る「肉眼的血尿」と、見た目では分からないものの検査で赤血球が検出される「顕微鏡的血尿」があります。膀胱がんでは肉眼的血尿が出ることが多く、患者さん自身が異変に気づくきっかけになります。

膀胱がんによる血尿の特徴として、痛みを伴わないことが挙げられます。これを「無症候性血尿」と呼びます。排尿時の痛みや発熱などの症状がなく、ただ尿に血が混じるだけという状態です。

また、血尿が継続的に出るのではなく、間欠的に現れることも特徴的です。数日間血尿が続いた後、自然に止まってしまうことがあります。この場合、症状が治まったと思って放置してしまう患者さんもいますが、膀胱がんの可能性を考えると、一度でも血尿が出た場合は必ず医療機関を受診するべきです。

男性と女性での血尿の違い

膀胱がんは男性に多く発生するがんで、男性の発症率は女性の約3~4倍とされています。これは喫煙率や職業性の化学物質への曝露の違いが関係していると考えられています。

女性の場合、血尿が出ると膀胱炎などの感染症と間違われやすいという問題があります。特に中高年女性で血尿が出た場合、膀胱炎と自己判断して市販薬で対処してしまうケースがありますが、痛みのない血尿は膀胱がんの可能性を考える必要があります。

男性の場合、前立腺肥大症による血尿と区別が必要になることがあります。いずれにしても、血尿が出た場合は泌尿器科での精密検査が必要です。


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膀胱がんの進行に伴う症状

膀胱がんが進行すると、血尿以外の症状が現れてきます。

膀胱刺激症状

膀胱がん患者さんの約20%に、頻尿、排尿時の痛み、残尿感などの膀胱刺激症状が見られます。

膀胱刺激症状の有無は、がんのタイプや進行度と関係があります。表在性膀胱がん(TaやT1という病期)では、通常は血尿のみで膀胱刺激症状を伴わないことが多いです。

一方で、膀胱刺激症状がある場合、約80%が浸潤性膀胱がん、または上皮内がん(CIS:carcinoma in situ)という悪性度の高いタイプです。上皮内がんは膀胱の粘膜に広く平らに広がるタイプで、筋層への浸潤リスクが高いことが知られています。

症状のタイプ 主な症状 がんのタイプ
無症候性血尿 痛みのない血尿のみ 表在性膀胱がん(Ta、T1)に多い
症候性血尿 血尿+頻尿、排尿痛、発熱など 浸潤性膀胱がん、上皮内がんに多い

膀胱刺激症状が現れる原因

膀胱刺激症状が現れる原因として、がんによる膀胱粘膜の炎症、がんが膀胱の筋層に浸潤することによる膀胱容量の減少、がんの存在による膀胱の過敏性の亢進などが考えられます。

これらの症状は膀胱炎などの感染症でも起こるため、症状だけでは膀胱がんと判断できません。しかし、抗生物質による治療で改善しない膀胱刺激症状が続く場合は、膀胱がんの可能性を疑い、専門的な検査を受ける必要があります。


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膀胱がんの重篤な症状:膀胱タンポナーデ

膀胱がんが進行すると、膀胱タンポナーデという状態になることがあります。これは膀胱内に大量の血液が溜まり、血塊(血の塊)が充満してしまう状態です。

膀胱タンポナーデが起こると、尿が出せなくなる尿閉の状態になり、激しい下腹部痛を伴います。この状態は緊急対応が必要です。

膀胱タンポナーデの治療

膀胱タンポナーデが発生した場合、まずカテーテルを尿道から膀胱内に挿入し留置します。そして生理食塩水などで膀胱洗浄を行い、溜まった血塊を除去していきます。

血塊が大きい場合や、カテーテルによる洗浄では除去できない場合は、緊急的に麻酔をした上で手術室で血塊除去術を行います。同時に経尿道的に止血処置を行い、出血源を制御します。

膀胱タンポナーデは生命に関わる可能性もある重篤な合併症であり、予防的な対応が重要です。血尿が増えてきた場合や、排尿困難を感じた場合は、早めに医療機関を受診する必要があります。

膀胱がんによる尿路通過障害と末期症状

膀胱がんがさらに進行すると、尿路の通過障害を引き起こすことがあります。

尿路通過障害とは

尿路通過障害は、がんが尿管口(膀胱と尿管の接続部分)に及ぶことで、腎臓から膀胱への尿の流れが妨げられる状態です。

片側の尿管だけが閉塞している場合は、もう一方の腎臓が機能を補うため、初期には明らかな症状が出ないことがあります。しかし、両側の尿管で通過障害が起きている場合は、深刻な症状が現れます。

両側性尿路閉塞による症状

両側の尿路で閉塞が起きると、腎臓で作られた尿が排泄できなくなり、腎後性腎不全という状態に陥ります。

腎後性腎不全の主な症状として、全身のむくみ(浮腫)、尿量の減少または無尿、倦怠感、食欲不振、吐き気、意識障害などが挙げられます。血液検査では血清クレアチニン値や尿素窒素値の上昇が認められます。

この状態は末期症状の一つと考えられ、早急な治療介入が必要です。尿管ステント留置や腎瘻造設などの尿路の確保処置を行い、腎機能の回復を図ります。

その他の末期症状

膀胱がんの末期症状として、他にも以下のような症状が現れることがあります。

症状 説明
骨盤痛 がんが骨盤内の組織に浸潤することで起こる持続的な痛み
下肢の浮腫 骨盤内リンパ節転移によるリンパ流の障害で起こる
体重減少 がんによる代謝亢進や食欲低下で起こる
貧血症状 慢性的な出血による鉄欠乏性貧血、倦怠感や息切れを伴う
遠隔転移による症状 肺転移による呼吸困難、肝転移による黄疸、骨転移による痛みなど

膀胱がんの症状から行う検査

膀胱がんが疑われる症状がある場合、いくつかの検査を組み合わせて診断を行います。

尿検査

最も基本的な検査が尿検査です。尿中の赤血球の有無を確認し、血尿の程度を評価します。また、尿細胞診という検査では、尿中に剥がれ落ちたがん細胞がないかを顕微鏡で確認します。

尿細胞診は簡便で侵襲性のない検査ですが、感度(がんを見つける能力)は60~70%程度とされています。特に悪性度の低い表在性膀胱がんでは陽性率が低くなります。一方、悪性度の高い上皮内がんや浸潤性膀胱がんでは高い陽性率を示します。

超音波検査

腹部超音波検査では、膀胱内の腫瘤の有無や大きさ、位置を確認できます。侵襲がなく繰り返し行える検査ですが、小さながんや粘膜に平らに広がるタイプのがんは検出しにくいという限界があります。

膀胱鏡検査

膀胱がんの診断において最も重要な検査が膀胱鏡検査です。尿道から細い内視鏡を挿入し、膀胱内を直接観察します。

膀胱鏡検査では、がんの有無、大きさ、位置、数、形状などを詳細に確認できます。疑わしい病変があれば、その場で組織を採取して病理検査に提出します。

近年では、白色光膀胱鏡に加えて、特殊な光を用いた蛍光膀胱鏡(PDD:photodynamic diagnosis)も使用されるようになっています。この方法では、特殊な薬剤を膀胱内に注入した後に特定の波長の光を当てることで、がん組織が蛍光を発して見えるようになり、通常の白色光では見つけにくい小さながんや上皮内がんの検出率が向上します。

CT検査・MRI検査

がんの浸潤の深さや周囲組織への広がり、リンパ節転移、遠隔転移の有無を評価するために、CT検査やMRI検査が行われます。

特にMRI検査は、膀胱壁の層構造を詳細に描出でき、がんが筋層に浸潤しているかどうかの判断に有用です。

膀胱がんの症状の原因となる要因

膀胱がんが発生する原因として、いくつかの危険因子が知られています。

喫煙

喫煙は膀胱がんの最も重要な危険因子です。喫煙者は非喫煙者に比べて膀胱がんのリスクが2~4倍高くなるとされています。タバコの煙に含まれる発がん性物質が尿中に排泄され、長時間膀胱粘膜に接触することが原因と考えられています。

職業性の化学物質への曝露

染料、ゴム、皮革、化学薬品などの製造業に従事する人は、芳香族アミンなどの化学物質に曝露される機会があり、膀胱がんのリスクが高まります。

慢性的な膀胱炎症

長期にわたる尿路結石や慢性的な膀胱炎、長期間のカテーテル留置などによる慢性炎症も膀胱がんのリスク因子となります。

遺伝的要因

家族歴がある場合、膀胱がんの発症リスクがやや高くなることが報告されています。

症状が現れたときの対応

血尿や膀胱刺激症状などの症状が現れた場合、早めに泌尿器科を受診することが重要です。

特に、痛みのない血尿が出た場合、一度治まっても再度現れた場合、膀胱炎の治療を受けても症状が改善しない場合は、膀胱がんの可能性を考えて精密検査を受けるべきです。

40歳以上で血尿が出た場合、喫煙歴がある場合、職業性の化学物質への曝露歴がある場合などは、より慎重な対応が必要です。

膀胱がんは早期に発見できれば、内視鏡手術による治療で完治が期待できる場合も多いがんです。一方、浸潤性膀胱がんに進行してしまうと、膀胱全摘除術などの侵襲の大きな治療が必要になり、治療成績も低下します。

症状を見逃さず、早期発見・早期治療につなげることが、膀胱がんと向き合う上で最も重要なポイントです。

まとめ:膀胱がんの症状を正しく理解する

膀胱がんの症状は、初期には痛みのない血尿として現れることがほとんどです。進行すると頻尿や排尿痛などの膀胱刺激症状が加わり、さらに進行すると尿路閉塞による腎不全症状や、転移による様々な症状が現れます。

男性に多く発症するがんですが、女性でも発症するため、性別に関わらず血尿などの症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診することが大切です。

症状が一時的に改善しても自己判断で放置せず、必ず専門医による検査を受けてください。早期発見が治療成績を左右する重要な要素となります。

参考文献・出典情報

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん」
    https://ganjoho.jp/public/cancer/bladder/index.html
  2. 日本泌尿器科学会「膀胱癌診療ガイドライン」
    https://www.urol.or.jp/
  3. 日本泌尿器腫瘍学会
    https://www.jsuo.or.jp/
  4. 国立がん研究センター中央病院「膀胱がん」
    https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/urology/050/index.html
  5. 日本癌治療学会
    https://www.jsco.or.jp/
  6. 厚生労働省「がん対策情報」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/index.html
  7. がん研究会有明病院「膀胱がん」
    https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/bladder.html
  8. 日本臨床腫瘍学会
    https://www.jsmo.or.jp/
  9. American Cancer Society "Bladder Cancer"
    https://www.cancer.org/cancer/bladder-cancer.html
  10. National Cancer Institute "Bladder Cancer Treatment"
    https://www.cancer.gov/types/bladder

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本村ユウジ
本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

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