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がん専門アドバイザー 本村ユウジ

04.大腸・直腸がん

【2026年更新】大腸がん・直腸がん手術後の人工肛門(ストーマ)について。生活の悩み、ケア方法、食事、福祉サービスなどを詳しく解説

人工肛門に関する悩みとケア


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人工肛門(ストーマ)とは何か

こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。

人工肛門(ストーマ)とは、手術によってお腹の表面に新しく作られた便の排泄口のことです。ストーマという言葉は、ギリシャ語で「口」を意味する言葉に由来しています。

大腸がんや直腸がんの治療において、がんの位置や進行度によっては肛門を切除する必要があり、その場合、腸の一部をお腹の外に引き出して新しい排泄口を作ります。ストーマ自体は腸の粘膜そのものなので赤い色をしており、痛みを感じる神経はありません。

一時的ストーマと永久的ストーマの違い

人工肛門には、一時的なものと永久的なものがあります。この違いを理解しておくことは、今後の生活設計を考えるうえで重要です。

永久的ストーマ

本来の自然肛門を手術によって切除した場合、残った結腸の断端を腹壁外に引き出し、新しい便の排泄孔を作ります。これが永久的な人工肛門であり、元に戻すことはできません。直腸がんの手術では、多くの場合、S状結腸を左下腹部に引き出して永久的ストーマを造設します。

一時的ストーマ

肛門括約筋温存手術といって自然肛門を残す手術の場合、直腸と上方(口側)の結腸を吻合します。その際、縫合部分が完全に治癒するまで腸内容物が吻合部に流れないよう、一時的に便の通過を回避する目的で、その上方で腸を外に出す一時的な人工肛門を作ることがあります。

一時的ストーマの場合、縫合部が完全に治癒し、便の通過に障害がなくなれば、人工肛門は閉じられ、本来の自然肛門から排便できるようになります。術後6ヵ月程度で閉鎖されることが一般的です。


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人工肛門の排便管理方法:自然排便法と洗腸法

人工肛門には自然肛門のような括約筋がないため、排便を自分の意志でコントロールすることができません。いつ便が出るか分からず、便が出かけても止めることができないのです。この特性に対応するため、2つの排便管理方法があります。

自然排便法

自然のままで腸の動きに任せる方法です。排便がいつあるか分からないため、1日中パウチ(便収納袋)を人工肛門につけておき、排便があればその袋で受け止めて溜めておきます。

手術後6ヵ月程度が経過すると、約3分の1の患者さんは便が24時間出るのではなく、1日に1〜3回決まった時間(例えば食後)に出るようになります。残りの3分の2の患者さんは、排便時間が不規則な状態が続きます。

洗腸法(灌注排便法)

あらかじめ人工肛門から微温湯(ぬるま湯)を約1リットル注入して腸を洗浄し、強制的に排便させる方法です。1回の洗腸で腸が空になるため、その後24〜36時間は人工肛門からの排便の心配がありません。

外出や長時間の仕事、会議など場を離れられない予定がある人にとっては有用な方法です。ただし、洗腸には通常1時間程度を要し、トイレを占拠する必要があります。また、誤った方法で行うと腸に穴を開ける危険性があるため、必ず病院で専門的な指導を受けながら慣れることが大切です。

項目 自然排便法 洗腸法
方法 腸の動きに任せる 微温湯で腸を洗浄
所要時間 都度対応 約1時間
排便なしの期間 なし 24〜36時間
装具 パウチを常時装着 洗腸用器具が必要
適している人 在宅中心の生活 外出・仕事が多い人

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人工肛門をつけた場合の生活への影響

近年、大腸がん・直腸がんの患者さんは増加しており、それに伴い人工肛門用の装具も改良が続けられています。

運動やスポーツ

パウチを人工肛門の皮膚に貼りつけますが、現在の装具は粘着力が強く外れることはほとんどないため、運動はほぼ制限されません。水泳も可能です。ただし、格闘技など激しく体をぶつけるスポーツや、腹部に過度な力がかかるウエイトトレーニングは注意が必要です。

入浴と温泉

入浴する際、パウチをつけたまま入浴できます。また、パウチを外して専用の防水シールや入浴用キャップを使用することもできます。お湯がストーマから体内に入ることはありません。体の内側の方が圧力が高いため、水が逆流する心配はないのです。

温泉旅行も通常通り楽しめます。タオルを当てれば人工肛門をつけていることは外見から分かりません。においについても、現在は優れた脱臭機能を持つパウチが開発されており、においが漏れる心配はほとんどありません。

妊娠・出産

女性の場合、人工肛門をつけながら妊娠し、正常に分娩した方も多くいらっしゃいます。服を着ていると外観からは全く分かりません。

旅行

旅行も可能です。洗腸法を行っている場合は、洗腸器具セットを持参する必要があります。飛行機に搭乗する際は、離着陸時の気圧変化でパウチが膨らむ可能性があるため、事前にトイレで便を捨てておくと安心です。

身体障害者手帳を提示すれば、機内の座席でトイレに近い席や足元の広い席を優先的に選べる場合があります。

ストーマ装具(パウチ)の種類と管理

ストーマ装具は、皮膚に直接貼りつける面板(フランジ)と、排泄物を溜める袋(パウチ)から構成されています。

装具のタイプ

装具には、面板と袋が一体になったワンピース型と、別々に分かれたツーピース型があります。ライフスタイルや体形、ストーマの状態に合わせて、自分に適したものを選べます。

交換頻度

装具は使い捨てで、最近のものは数日間使用できます。パウチに溜まった排泄物は、トイレで便器に流し、袋は洗って紙に包み、ゴミ袋に入れて廃棄します。

皮膚保護剤の重要性

面板の皮膚接着部分には「皮膚保護剤」が使われています。この素材は、長期間皮膚に密着する装具によって起こる皮膚障害を軽減する重要な役割を果たしています。カラヤガムや柑橘ペクチンなど、様々な素材が開発されています。

ストーマ周囲の皮膚トラブルと対策

人工肛門の周囲の皮膚を清潔に保ち、刺激を避けることが重要です。皮膚を刺激するものとしては、パウチの接着剤、皮膚保護剤、排泄物などがあります。

皮膚障害の予防

排泄物が皮膚につかないよう、皮膚保護剤とパウチで完全に密閉(シーリング)することが必要です。ただし、アレルギーなど個人差があるため、自分に適したパウチを選んで使用することが大切です。

皮膚障害が起きた場合

皮膚に発赤、ただれ、潰瘍、色素沈着などが起きた場合は、速やかに医師や専門看護師に相談し、その程度に応じて装着方法の改善や装具の変更を行います。

特に化学療法を受けている患者さんは、抗がん剤の影響で皮膚が弱くなりやすいため注意が必要です。5-FUやゼローダなどの抗がん剤は皮膚の新陳代謝を阻害し、皮膚を脆くします。パニツムマブなどの分子標的薬も皮膚障害を引き起こしやすいため、適切なスキンケアが重要です。

人工肛門と食事の注意点

下痢をすると処置が大変になるため、下痢をしないよう食事に気を配ることが大切です。

下痢しやすい食品

以下の食品は下痢を起こしやすいため、摂取量に注意が必要です。

- 冷たい飲み物、アイスクリーム
- 天ぷら、唐揚げなどの油分の多い食品
- ラーメン
- バター
- 牛乳
- 生卵
- 貝類
- 柿、梨、柑橘類

ガスを発生させやすい食品

排ガスが多いとパウチが膨らみ、管理が難しくなります。ガスを発生させやすい食物繊維の多い食品(豆類、芋類、キャベツなど)は、一度に大量に摂取しないよう注意しましょう。

食物繊維が多い食事を一度に多く食べると、繊維がストーマに引っかかって便の排出が滞る「フードブロッケージ」が起こる可能性もあります。

個人差への対応

人工肛門の造設部位や手術内容は人それぞれ異なり、腸内細菌も個人によって違います。そのため、何が自分の体に合うのか、日々の観察を通じて理解し、自分に応じた工夫を心がける必要があります。

皮膚・排泄ケア認定看護師とストーマ外来

人工肛門の管理や悩みに対して、専門的な知識と技術を持つ医療スタッフがサポートしています。

皮膚・排泄ケア認定看護師とは

皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCナース)は、創傷(褥瘡など)、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)、失禁ケアの3つの領域において、専門的な知識と熟練した技術を持つ看護師です。2025年現在、日本全国で約2,700名以上の皮膚・排泄ケア認定看護師が活動しています。

かつてはET(エンテロストミー・セラピスト)看護師と呼ばれていましたが、2007年から「皮膚・排泄ケア認定看護師」という名称に変更されました。

皮膚・排泄ケア認定看護師の役割

- ストーマ装具の選択と装着方法の指導
- ストーマ周囲の皮膚トラブルへの対応
- 日常生活上の悩みや不安への相談対応
- 患者さんのライフスタイルに合わせたケア方法の提案
- ストーマ受容までの心理的サポート

ストーマ外来の活用

大きな病院にはストーマ外来が設置されており、皮膚・排泄ケア認定看護師が対応しています。処置の方法や器具の選択などで困ったときは、ストーマ外来を訪ねて相談することをお勧めします。

ストーマ外来では、定期的に皮膚の状態を観察したり、装具の適合性を確認したりします。年齢を重ねると体形も変化しますし、装具も進化し続けているため、定期的に専門家のアドバイスを受けることで、より快適なストーマ生活を送れます。

身体障害者手帳の取得と福祉サービス

永久的な人工肛門を造設した患者さんは、身体障害者福祉法により身体障害者手帳を取得できます。これにより、様々な福祉サービスを受けることが可能になります。

身体障害者手帳の等級

人工肛門保持者は、「ぼうこう又は直腸の機能障害」として認定され、障害の程度により1級、3級、4級のいずれかに該当します。

等級 該当条件
4級 消化器系または尿路系のストーマいずれか1つを造設した場合(最も一般的)
3級 消化器系と尿路系の両方のストーマを造設した場合(ダブルストーマ)、またはストーマの変形や周囲のただれ、排尿障害が著しい場合
1級 他の障害も合併している場合

通常、直腸がん手術で人工肛門になった場合は4級に該当しますが、手術後6ヵ月経過後の状態によっては、3級や1級への変更申請が可能な場合もあります。

申請方法

住所地の市区町村役所の障害福祉課(または福祉事務所)で申請します。

申請に必要な書類:

- 身体障害者手帳交付申請書
- 身体障害者診断書・意見書(ぼうこう・直腸機能障害用)
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 個人番号(マイナンバー)が確認できる書類
- 印鑑

診断書は、都道府県知事が指定する医師(指定医)に作成してもらう必要があります。手術を受けた病院に指定医がいるかどうかを確認しましょう。申請から手帳の交付までは、通常1〜2ヵ月程度かかります。

受けられる福祉サービス

身体障害者手帳を取得すると、以下のようなサービスを受けられます。

1. ストーマ装具の給付
日常生活用具としてストーマ装具の購入費用が給付されます。給付限度額は市区町村により異なりますが、消化器系ストーマで月額約8,600〜8,858円、尿路系ストーマで月額約11,300〜11,639円が一般的です。世帯所得に応じて自己負担(通常1割程度)が発生する場合があります。

2. 税金の控除・減免
- 所得税・住民税の障害者控除(4級:27万円)
- 医療費控除(ストーマ装具の購入費用も対象)
- 自動車税・自動車取得税の減免(都道府県により条件・金額が異なる)

3. 交通運賃の割引
- JR等の運賃割引(片道100km超で普通乗車券が5割引)
- 国内航空運賃の割引
- 有料道路通行料金の割引(5割引)
- バス・タクシー料金の割引

4. その他のサービス
- 公共施設(美術館、博物館など)の入場料減免
- 携帯電話利用料の割引
- 駐車禁止除外標章の交付(3級または1級の方)

障害年金

一定の条件を満たす場合、障害年金の支給を受けられる可能性があります。永久的ストーマを造設した場合、原則として障害等級3級に該当しますが、症状によっては2級以上に該当することもあります。

障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、初診日に加入していた年金の種類によって受給できる年金が決まります。詳しくは、病院の医療ソーシャルワーカーや、住所地の年金事務所、市区町村の年金担当窓口にお問い合わせください。

日常生活用具給付の申請方法

身体障害者手帳を取得した後、ストーマ装具の給付を受けるには別途申請が必要です。

申請の手順:

1. 市区町村の障害福祉課窓口で日常生活用具給付申請書をもらう
2. 必要書類(身体障害者手帳、印鑑、所得証明書類など)を準備する
3. ストーマ装具販売業者に見積書を発行してもらう
4. 必要書類を窓口に提出する
5. 審査後、日常生活用具給付券が発行される(約1ヵ月)
6. 給付券を販売業者に提示してストーマ用品を受け取る

市区町村によって手続きの詳細が異なる場合があるため、事前に窓口で確認することをお勧めします。

患者会と相談窓口

人工肛門を持つ方々(オストメイト)のための患者会や相談窓口があります。

公益社団法人日本オストミー協会

オストメイトとその家族のための全国組織で、福祉向上を目指した活動を長年展開しています。各都道府県に支部があり、同じ境遇の方々との交流や情報交換ができます。災害時の対応拠点にもなります。

若い女性のための患者会

「ブーケ(若い女性オストメイトの会)」など、年齢や性別に特化した患者会もあります。

ストーマ外来の検索

一般社団法人日本創傷・オストミー・失禁管理学会のホームページで、ストーマ外来を実施している医療機関を検索できます。手術を受けた病院以外でも、他院で手術した患者さんを受け入れているストーマ外来があります。

がん診療連携拠点病院の相談支援センター

全国のがん診療連携拠点病院には相談支援センターが設置されており、医療ソーシャルワーカーが様々な相談に対応しています。

ストーマと共に生きる

人工肛門をつけたからといって、これまでの生活を諦める必要はありません。適切な知識とケア方法を身につけ、専門家のサポートを活用することで、仕事、趣味、旅行など、多くの活動を続けることができます。

テレビや舞台で活躍している人工肛門保持者も少なくありません。ストーマがあることを理由に人生の可能性を狭める必要はないのです。

最初は戸惑いや不安を感じるかもしれませんが、多くの患者さんは時間とともに新しい排泄方法に慣れ、自信を持って生活できるようになります。数ヵ月経つと、医療スタッフよりも上手に装具交換ができるようになる方がほとんどです。

困ったことや不安なことがあれば、一人で抱え込まず、主治医、皮膚・排泄ケア認定看護師に相談しましょう。あなたのストーマ生活を支える多くの専門家やサポート体制が整っています。

参考文献・出典情報

  1. がん研有明病院「ストーマ(人工肛門)について」
  2. 国立がん研究センター中央病院「ストーマ(人工肛門・人工膀胱)を設けた人のセルフケア」
  3. がんプラス「人工肛門(ストーマ)のある生活」
  4. 公益社団法人日本オストミー協会「主な福祉制度」
  5. アルメディアWEB「ストーマ・ライフ 身体障害者手帳」
  6. アルケア「ストーマ生活応援サイト 社会福祉制度」
  7. 日本創傷・オストミー・失禁管理学会「皮膚・排泄ケア認定看護師について」
  8. がんになっても「ストーマ(人工肛門・人工膀胱)のケア方法と日常生活の工夫」
  9. LIFULL介護「ストーマ(人工肛門・人工膀胱)のケアと生活上の注意点」
  10. 全日本民医連「人工肛門 排便は、袋をつける方法か腸を洗う方法で」

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本村ユウジ
本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。

幸せな日々、夢、希望、大切な人を守るには勝つしかないのです。

では、がんに勝つにはどうすればいいのか?

最初の一歩は『治すためのたった1つの条件』を知ることからです。

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経験18年以上。プロのアドバイザーによる徹底解説。

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