東京都内で乳がんの乳房同時再建手術(切除と同時に再建する)が受けられる病院を、実績(年間の手術数)順にの形でまとめています。手術件数は公式サイトの情報などを元に2016年以降のデータを掲載しています。
なお、どのような形で再建を行っているのか、などの特徴も記載しています。
以下、上位10施設をランキングの形で掲載します。
1.がん研究会有明病院の乳がん同時再建手術
【所在地】東京都江東区有明
【同時再建手術件数】2016年の総再建数は312件。うち同時再建282件。
【メモ】乳房再建を希望されている人には一期再建(乳がんの根治手術と同時に乳房再建を開始する方法)を推奨している。再建の手段としては、人工のシリコンインプラントを用いた乳房再建と自分の組織(自家組織)を移植する再建法など、多彩な再建手術が可能。
再建希望の人は乳腺外来での診察を受けたうえで、形成外科への紹介が必要となる。
2.聖路加国際病院ブレストセンターの乳がん同時再建手術
【所在地】東京都中央区明石町
【同時再建手術件数】2016年は259件、2017年は232件。
【メモ】主に以下のような人工物による乳房再建を行っている。
術後、乳房全摘と同時にエキスパンダーを留置し、生理食塩水を注入して膨らませることで、乳房の膨らみを確保。その後傷の治癒程度を確認しながら少しずつ生理食塩水を追加注入する。約8か月後以降にシリコンインプラントに入れ換える。
入れ換えの手術は提携クリニックで日帰りで実施可能。二期再建も実施可能。
3.昭和大学病院ブレストセンターの乳がん同時再建手術
【所在地】東京都品川区旗の台
【同時再建手術件数】165件(2016年)
【メモ】自分の体の組織(自家組織)を移植する方法と、人工物を使う方法が可能だが自家組織を使う方法はほどんど実施されていない。
一次再建、二次再建ともに対応しているが、主に「一次二期再建」方法を推奨している。乳房が小さい人に対しては脂肪注入も対応している。
※一次二期再建とは?=乳がん切除手術と同時にエキスパンダーを挿入、その後6ヶ月~1年おいてから2回目の手術を行う。二度目の手術=シリコンインプラントもしくは自家組織による再建を実施する方法。
4.国立がん研究センター中央病院の乳がん同時再建手術
【所在地】東京都中央区築地
【同時再建手術件数】155件(2016年)
【メモ】形成外科と連携。自家組織移植(腹部穿通枝皮弁法、広背筋皮弁法など)と、人工のシリコンバッグを挿入する方法(エキスパンダー・インプラント法)の両方が可能。一次再建(全摘直後に乳房再建を行う方法)が中心だが二次再建の対応もできる。
5.都立駒込病院の乳がん同時再建手術
【所在地】東京都文京区本駒込
【同時再建手術件数】年間133件。うち一次再建110件。二次再建23件。(2018年集計)
【メモ】再建手術を行う形成再建外科は乳房再建に関してパイオニア的存在であり40年近い歴史と実績がある。他の病院で切除手術を受けた人の再建も実施している。自家組織・人工物を使った再建、一次二次再建など全ての再建手段について対応可能。
6.虎の門病院の乳がん同時再建手術
【所在地】東京都港区虎ノ門
【同時再建手術件数】80件(2016年)
【メモ】一次再建、二次再建ともに対応可能。自家移植、シリコンバッグを埋め込む方法も実施できる。乳頭部と乳輪の再建も可能。サイトには多数の再建実施後の写真掲載あり。
7.杏林大学医学部附属病院の乳がん同時再建手術
【所在地】東京都三鷹市新川
【同時再建手術件数】66件(2016年)
【メモ】形成外科とのチーム医療によって積極的に乳房再建を実施。
8.東京慈恵会医科大学附属病院の乳がん同時再建手術
【所在地】東京都港区西新橋
【同時再建手術件数】41件(2016年)
【メモ】自家組織と人工乳房(シリコンインプラント)を使用する方法のいずれにも対応可能。乳房再建外来は火曜日午前に受けつけている。
9.三井記念病院の乳がん同時再建手術
【所在地】東京都千代田区神田和泉町
【同時再建手術件数】39件(2016年)
10.東京都立多摩総合医療センターの乳がん同時再建手術
【所在地】 東京都府中市武蔵台
【同時再建手術件数】36件(2016年)
【メモ】形成外科と協力し乳房切除術と再建手術を同時に行う手術も可能。
まとめ
上記10施設が手術実績上位ですが、その他にも再建手術を受けられる病院はあります。
再建すべきかどうか、などの判断や術後のケアや再発防止もとても重要です。
また、がんと闘ううえで必要なのは治療選びだけではありません。詳しくはこちらのページで