
こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。
乳がんの診断を受けた後、多くの患者さんが治療や生活について不安を抱えます。同じ経験をした患者さん同士が集まる「患者会」は、体験や情報を共有し、気持ちを語り合える貴重な場所です。
神奈川県には病院主催の会から地域の自主運営団体まで、さまざまな乳がん患者会が活動しています。2026年1月現在も活発に活動している主な患者会の情報をまとめました。
神奈川県の乳がん患者会の特徴
神奈川県の患者会は、病院が主催する院内患者会が多いという特徴があります。がん診療連携拠点病院を中心に、医療スタッフのサポートを受けながら運営されている会が複数存在します。
神奈川県では2025年10月時点で36の患者会が登録されており、このうち乳がんに特化した患者会や乳がん患者さんが参加できる患者会が複数活動しています。参加費が無料の会も多く、初めての方でも気軽に参加できる環境が整っています。
患者会「コスモス」(神奈川県立がんセンター主催)
神奈川県立がんセンターが主催する患者会で、がんの部位を問わず参加できる会です。月1回の定例会が毎月第2月曜日に開催されており、2024年10月からは神奈川県立がんセンター講堂での現地開催が再開されています。
乳がん患者さん向けには「乳がんの集い(Nの集い)」が年に2~3回開催されています。交流や情報交換を主な目的としながら、旅行などのイベントも実施されています。
入会手続きや参加費は不要で、がん患者さんとそのご家族であれば誰でも参加できます。事前申し込みも不要ですので、思い立った時に気軽に参加できる点が特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催頻度 | 定例会:月1回(第2月曜日) 乳がんの集い:年2~3回 |
| 場所 | 神奈川県横浜市旭区中尾2-3-2 神奈川県立がんセンター |
| 参加費 | 無料 |
| 参加条件 | がん患者さんとご家族(事前申込不要) |
アクセス方法
相鉄線二俣川駅からバスで約10分です。神奈川県立がんセンターは都道府県がん診療連携拠点病院として神奈川県のがん医療の中心的役割を担っており、重粒子線治療施設「i-ROCK」も併設されています。
「自分の判断は正しいのか?」と不安な方へ
がん治療。
何を信じれば?
不安と恐怖で苦しい。
がん治療を左右するのは
治療法より“たった1つの条件”です。
まず、それを知ってください。
がん専門アドバイザー 本村ユウジ
あけぼの神奈川(会員制乳がん専門患者会)
乳がん専門の会員制患者会で、全国にあるあけぼの会のネットワークの一員として活動しています。経験を共有し語り合う「ピアサロン」を基本に、さまざまなテーマ別のサロンを月1回のペースで開催しています。
2025年から2026年にかけては、再発された患者さん向けの「smile」、乳房再建をテーマにした「乳房再建の会」などが定期的に開催されています。2026年はオンライン「ピアサロン」も予定されています。
非会員でも初回のみ体験参加が可能です。会員限定のイベントとして、季節ごとに開かれる「交流会」(4時間程度)があります。また、乳がんに関する治療や痛みの緩和などをテーマに医師を招いて開かれる「医療講演会&質問会」が年2回程度開催されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な活動 | ピアサロン、smile(再発者向け)、乳房再建の会、コーロ・アニモ(合唱) |
| 場所 | 主に横浜駅西口「かながわボランティアセンター」 |
| 入会金 | 500円 |
| 年会費 | 2,500円 |
| 会員特典 | 講演会、質問・相談会、会員限定交流会への無料参加 |
活動の特色
あけぼの神奈川では、2025年11月には秋の茶話会が開催されるなど、患者さん同士の交流を深める機会が多く設けられています。オンラインでの活動にも対応しており、遠方の方や外出が難しい方も参加しやすい環境を整えています。
ひまわりの会(横浜市立みなと赤十字病院主催)
がん診療連携拠点病院である横浜市立みなと赤十字病院の乳腺外科が主催する患者会です。2026年1月現在も活発に活動しており、第3木曜日(原則毎月1回)14時から16時に開催されています。
乳がん患者さんとご家族が気軽におしゃべりできる憩いの場として、不安、悩み、体験談などを共有するための会です。当院で治療を受けた患者さんだけでなく、院外の方やご家族も参加できます。事前予約は不要です。
また、患者さん同士の支え合いとして、患者さんが患者さんの相談を受けるピアサポートをオンラインでも行っています。これは当院で治療中の方が対象となります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日時 | 第3木曜日(原則毎月1回)14:00~16:00 |
| 場所 | 神奈川県横浜市中区新山下3-12-1 横浜市立みなと赤十字病院 5階スキルラボ室(化学療法センター奥) |
| 参加費 | 無料 |
| 参加条件 | 乳がん患者さんとご家族(院外の方も可、事前予約不要) |
| 問い合わせ | 2階ブレストセンター受付または1階相談支援センター |
ブレストセンターの特色
横浜市立みなと赤十字病院のブレストセンターでは、乳がん治療において最新の医療機器と専門スタッフによる診断・治療を提供しています。乳房再建、遺伝相談、心理サポート、就労支援、経済的相談など、必要なサポートを総合的に提供する体制が整っています。
乳がん院内患者会 マリアリボン(聖マリアンナ医科大学病院主催)
聖マリアンナ医科大学病院の「がん相談支援センター・がんサロン」が主催する院内乳がん患者会です。およそ月1回開かれる「おしゃべり会」(2時間程度)を基本に、さまざまなテーマごとの集まりも開催されています。
リンパ浮腫イベント(リンパ浮腫の予防やケアに関する会)、運動イベント、再発転移の集い、再建の集いなど、患者さんのニーズに応じた多様なプログラムが用意されています。
会の参加費は無料のものがほとんどですが、聖マリアンナ医科大学病院の患者さん、ご家族が対象となります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な活動 | おしゃべり会(月1回)、リンパ浮腫イベント、運動イベント、再発転移の集い、再建の集い |
| 場所 | 神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1 聖マリアンナ医科大学病院 |
| 参加費 | ほとんど無料 |
| 参加条件 | 聖マリアンナ医科大学病院の患者さん、ご家族 |
病院の特色
聖マリアンナ医科大学病院はがん診療連携拠点病院として、乳腺・内分泌外科を中心に専門性の高い医療を提供しています。2025年1月には新外来棟・エントランス棟がオープンし、患者さんにとってより利用しやすい環境が整備されています。
わいわいクローバーの会(横浜市立大学附属病院主催)
横浜市立大学附属病院が主催する婦人科腫瘍患者会です。月1回の「わいわいクローバーの会」(1時間30分程度)が継続して開催されています。
2026年1月現在も現地開催として活動が続いており、1回の集まりに参加される患者さんの人数は10名程度です。患者さんと医療スタッフによって開かれ、治療や生活面についてよかったことや気になることを話し合う会です。
会費は1回200円で、横浜市立大学附属病院の患者さん、ご家族が対象となります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催頻度 | 月1回(1時間30分程度) |
| 場所 | 神奈川県横浜市金沢区福浦3-9 横浜市立大学附属病院 |
| 参加人数 | 1回あたり約10名 |
| 参加費 | 1回200円 |
| 参加条件 | 横浜市立大学附属病院の患者さん、ご家族 |
病院の乳がん患者会について
横浜市立大学附属病院では、わいわいクローバーの会のほかに、乳がん患者さん向けの「ハートマンマの会」も活動しています。2026年1~3月は現地とオンラインのハイブリッド開催が予定されています。
がん患者サロン「きぼう」(昭和医科大学横浜市北部病院主催)
昭和医科大学横浜市北部病院が主催するがん患者会です。乳がんに特化した患者会ではなく、テーマは広く「がん全般」です。北部病院の患者さんでなくても誰でも参加が可能です(事前の登録が必要)。
月1回のミニレクチャー会とその後の交流会が活動の基本となっています。扱う内容は抗がん剤の副作用や放射線、心の問題、緩和ケアなどです。参加費は無料です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な活動 | 月1回のミニレクチャー会と交流会 |
| 扱うテーマ | 抗がん剤の副作用、放射線、心の問題、緩和ケアなど |
| 場所 | 神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎中央35-1 昭和医科大学横浜市北部病院 |
| 参加費 | 無料 |
| 参加条件 | がん患者さんとご家族(事前登録が必要、院外の方も可) |
病院の特色
昭和医科大学横浜市北部病院は、2025年4月に大学の改名に伴い名称が変更されました。地域がん診療連携拠点病院として、がん医療の提供だけでなく、緩和ケアやメンタルケアなど多様な機能を有している病院です。
神奈川県がん患者団体連合会の活動
神奈川県内では、一般社団法人神奈川県がん患者団体連合会が2019年に設立され、県内の患者会同士の連携や情報共有を進めています。オンライン交流会なども開催され、患者会運営者同士のネットワークづくりにも取り組んでいます。
神奈川県ホームページでは、2025年10月9日時点で県内の患者会登録団体一覧が公開されており、新型コロナウイルス感染症防止の観点からオンライン開催等の工夫をしている患者会も多数あります。
患者会に参加する際のポイント
患者会への参加を検討する際は、以下の点を確認すると良いでしょう。
参加条件と参加方法
院内患者会の場合、その病院で治療を受けている患者さんとご家族が対象となることが多いです。一方、地域の患者会では院外の方も参加できる会もあります。事前予約が必要かどうか、初回の体験参加が可能かどうかも確認しましょう。
開催形式の確認
2026年現在、多くの患者会が現地開催を再開していますが、一部ではオンライン開催やハイブリッド開催も続いています。自分の体調や生活スタイルに合わせて参加しやすい形式の会を選ぶことができます。
活動内容の多様性
患者会によって活動内容は異なります。おしゃべり会のような気軽な交流を中心とした会、医療講演会など学びの機会を提供する会、運動やイベントなど多様な活動を行う会などがあります。自分のニーズに合った会を選びましょう。
会費の有無
無料で参加できる会が多いですが、会員制の会では入会金や年会費が必要になります。会費を払うことで講演会や交流会への参加が無料になるなどの特典がある場合もあります。
患者会参加のメリット
患者会に参加することで、以下のようなメリットが期待できます。
体験の共有
同じ病気を経験した人同士だからこそ分かち合える思いがあります。治療の選択、副作用への対処、仕事との両立、家族との関係など、さまざまな体験を共有することで、自分だけではないという安心感を得られます。
実践的な情報交換
医療機関の選び方、治療の実際、利用できる制度、日常生活の工夫など、体験者だからこそ持っている実践的な情報を交換できます。医療講演会では専門家から最新の情報を得ることもできます。
心理的なサポート
不安や悩みを語り合える仲間の存在は、心理的な支えとなります。同じ立場の人の話を聞くことで、前向きな気持ちになれることもあります。
社会とのつながり
治療中は外出の機会が減り、社会とのつながりが薄れがちです。患者会への参加は、新しい人間関係を築き、社会とのつながりを保つ機会になります。
最新情報の入手方法
患者会の開催日時や内容は変更されることがあります。参加を希望する場合は、以下の方法で最新情報を確認してください。
各病院のホームページでは、患者会の開催予定や活動内容が掲載されています。また、神奈川県のホームページでは県内の患者会登録団体一覧が公開されており、各患者会の連絡先も確認できます。
参加を希望する患者会に直接問い合わせることで、詳細な情報や最新の開催スケジュールを確認できます。初めて参加する場合は、事前に問い合わせておくと安心です。
神奈川県内のがん相談支援センター
各がん診療連携拠点病院には、がん相談支援センターが設置されています。患者会の情報だけでなく、治療、療養生活、経済的な問題など、がんに関するさまざまな相談に対応しています。
がん相談支援センターでは、患者さん本人だけでなく、ご家族の方も相談できます。どこの病院で治療を受けているかに関わらず、誰でも無料で利用できます。
患者会選びの考え方
患者会には、それぞれに特色があります。病院主催の会は医療スタッフのサポートを受けやすい一方、地域の自主運営団体は自由な雰囲気で交流できることが多いです。
最初はいくつかの会に参加してみて、自分に合った会を見つけることをお勧めします。複数の会に参加することも可能です。また、時期によって参加する会を変えることもできます。
治療の段階や生活状況によって、必要とする情報やサポートは変わります。その時々の自分のニーズに合わせて、柔軟に活用しましょう。
参考文献・出典情報
本記事の作成にあたり、以下の情報源を参考にしています。