前立腺がん治療後の食事でポイントになるのは、合併症を軽減させる食事を意識することです。どの治療を選択したかで、食事の工夫の仕方も変わります。
・前立腺全摘除術後
尿失禁が代表的な合併症です。くしゃみをしたときなど、おなかが圧迫されると起こりやすく、おなかに余分な脂肪をつけると、よけい圧迫されやすくなります。高脂肪のメニューは避け、太りすぎに注意しましょう。
・放射線療法後
放射線が直腸を多少刺激してしまうため、直腸の伸展が悪くなり、便秘や下痢を起こすことがあります。また、便秘や下痢によって直腸出血が起こることもあります。
便秘したら、いも類など食物繊維を含む食材を多くとりましょう。下痢のときは、野菜スープや味噌汁など、のどごしのよいものを多めにとり、辛いものなど腸を刺激する食材は避けるようにします。
・ホルモン療法後
骨密度が低下し、骨粗しょう症になりやすいので、カルシウムを多くとります。
また、男性ホルモンの分泌が低下することにより筋肉量が落ち、燃焼するエネルギーが少なくなるので、治療前と同じ量を食べていると太りやすくなります。カロリーコントロールも重要です。