04.大腸・直腸がん

【2026年更新】大腸がんの手術とは?結腸・直腸の術式、切除範囲、最新の治療法を解説

大腸がんの手術


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がんを治すための「たった1つの条件」とは?


大腸がん手術の基本的な考え方

こんにちは。がん治療専門アドバイザー、本村ユウジです。

大腸がんの手術では、がん組織を完全に取りきれたかどうかが、その後の経過に大きく影響します。

がんが一部でも残っていれば、時間の経過とともに大きく発育して再発する可能性が高くなります。

日本では、手術の評価として根治度という指標があります。がんを完全に取りきれたと判断される場合は根治度A、多少疑いがある場合は根治度B、取りきれず明らかに残したと判断される場合は根治度Cと表現します。手術後には必ず医師に根治度を確認することが大切です。

根治度Aの場合は「目に見えるがんは取りきれた」といえますが、あくまでも手術中の肉眼的判断です。顕微鏡的には取り残しや血管内に入っているがん細胞もある可能性があるため、それだけで「がんが治った」とは限りません。

また、がんが進みすぎて大きく、切除することができない場合もあります。そのときは根治目的でがんを切除することを考えず、がんによって起きた症状を改善する目的の手術(対症的な手術、姑息手術といいます)を行います。

たとえば腸閉塞を起こした場合のバイパス手術や、人工肛門の造設などがそれにあたります。

2026年時点での大腸がん手術の主流

2026年現在、大腸がん手術の大部分は腹腔鏡下手術で行われています。多くの医療機関では、大腸がん手術の80%以上が腹腔鏡補助下で実施されており、開腹手術と比較して患者さんの負担が軽減されています。

さらに、2018年に直腸がん、2022年には結腸がんに対してロボット支援下手術(ダビンチ手術)が保険適用となりました。2025年7月には単孔式ロボット手術システム(ダビンチSP)も登場し、より低侵襲な手術が可能になっています。

手術方法の比較

手術方法 特徴 メリット デメリット
開腹手術 腹部を15-20cm切開 視野が広く、出血などへの対応が早い 術後の痛みが比較的強い、回復に時間がかかる
腹腔鏡下手術 0.5-1cmの小さな穴を数カ所開ける 傷が小さい、術後の痛みが少ない、回復が早い、術後4-5日で退院可能 手術時間がやや長い、高度な技術が必要
ロボット支援下手術 ロボットアームを使用 精緻な操作が可能、神経や血管の温存に有利 実施可能な施設が限られる

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結腸がんの手術

早期で腫瘍が小さければ、内視鏡を使って腫瘍を切除するポリペクトミーや粘膜切除(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で対応できます。ダメージの大きい開腹手術よりも内視鏡を使うことが一般的です。

ただし、ポリープの茎が太かったり、扁平なもので直径が2センチを超えると内視鏡での治療が難しくなります。また、腸が屈曲したところでは操作が困難になることがあります。

腹腔鏡下手術とロボット支援下手術

内視鏡治療が困難な場合は外科的手術が必要です。現在は腹壁に3〜4カ所の孔を開けて、そこから腹腔鏡や手術器具を挿入し、モニター画像を見ながら切除する腹腔鏡下手術が主流となっています。腹部の傷は小さくてすみ、痛みも少なくて回復も早く、術後4〜5日で退院できます。

2022年に結腸がんへの保険適用が認められたロボット支援下手術は、関節のついたロボットアームによって、より精緻な操作が可能です。ただし、実施できる施設は日本内視鏡外科学会で定めた条件を満たす施設と医師に限られます。

切除範囲とリンパ節郭清

どのがんでも同じですが、目に見えている腫瘍を切除するだけでなく、がんが周辺に広がっている可能性を考慮して、ある程度広い範囲の組織やリンパ節も含めて切除するのが一般的です。

がんが比較的早期なら、がんを含めて腸を10センチぐらい切除します。進行がんでは周辺のリンパ節を切除する必要があり、ある程度広範囲の結腸を切除します。

リンパ節郭清の範囲

郭清の範囲 切除するリンパ節 適応
D1郭清 腸管傍リンパ節のみ 早期がん(リンパ節転移のリスクが極めて低い場合)
D2郭清 腸管傍リンパ節+中間リンパ節 粘膜下層がん、固有筋層がん
D3郭清 腸管傍リンパ節+中間リンパ節+主リンパ節 進行がん(標準的な大腸がん手術)

直腸と異なって結腸は大きく切除した場合、一時的に下痢や軟便などが起こりますが、半年ほどで回復し、大きな後遺症はないのが特徴です。

転移がある場合の対応

がんが進行すると、周囲の臓器に浸潤したり、がん性腹膜炎といって腹腔内に広がって、手術では取りきれずに残ることになります。この場合、抗がん剤などの薬剤を用いた化学療法や放射線治療の追加が行われます。

結腸がんは肝臓に転移していることが少なくありませんが、他の部位に別の転移がなければ、大腸のがんと同時に肝臓の転移巣を切除します。転移があっても切除するのは、大腸がんは進行が遅く、化学療法が効きにくいという特徴があるためです。

直腸がんの手術

結腸がんと同じく手術が第一の治療法です。直腸は手術方法によって、術後の生活の質(QOL)にかなり影響を与えるため、様々な工夫が行われます。

1990年代までは直腸がんといえば直腸、肛門を切除し(直腸切断術)、S状結腸を左下腹部に誘導して外に出し、人工肛門を作るのが標準手術でした(腹会陰式直腸切断術、マイルス術)。

しかし近年は、がんの切除だけでなく術後の生活の質を考慮して、できるだけ肛門の機能を温存するように配慮されるようになりました。2026年現在、多くの医療機関で直腸がん患者さんの85%以上が肛門を温存できています。

直腸がんの主な術式

直腸がんに関する手術には以下のような方法があります。

手術方法 対象 特徴
早期直腸がんの局所的切除 深達度が粘膜内のごく早期がん 開腹手術は不要。肛門から、または尾骨・仙骨の側方から切除。経肛門的低侵襲手術(TAMIS)も選択肢
肛門括約筋温存術(前方切除術) 進行がんでも肛門から5cm以上離れている場合 高位前方切除、低位前方切除など。肛門機能を残すことができる
括約筋間直腸切除術(ISR) 肛門から2-4cmの範囲のがん 内肛門括約筋を切除し外肛門括約筋を残す。究極の肛門温存手術
直腸切断術(マイルス術) 下部直腸進行がん、肛門近くのがん 直腸と肛門を切除し、永久的な人工肛門を造設
ハルトマン手術 既往症がある場合、高齢者で全身状態が悪い場合 手術時間を短縮。残った直腸は縫合し、結腸を人工肛門とする
骨盤内臓全摘術 隣接臓器(膀胱、前立腺、子宮、膣など)に浸潤したがん 骨盤臓器を一括切除。おなかに2つの孔(人工肛門と尿の出口)が開く

肛門温存を目指す手術の進歩

2026年現在、肛門温存手術の技術は大きく進歩しています。特に注目されているのが括約筋間直腸切除術(ISR)です。

ISRは、肛門を締める筋肉のうち内肛門括約筋のみを切除し、外肛門括約筋を残すことで肛門機能を温存する手術です。腹腔鏡下でリンパ節郭清と直腸周囲の組織剥離を行った後、肛門側からアプローチして病変を切除します。

多くの施設でロボット支援下手術を用いてISRが行われており、ロボットの精緻な操作により、狭い骨盤内での神経や血管の温存がより確実に行えるようになっています。

ただし、ISRは高度な技術を要する手術であり、術後は頻便(トイレの回数が増える)や便失禁などが起こることがあります。基本的に一時的な人工肛門を造設し、吻合部の治癒を確認してから閉鎖します。

機能温存術(排尿・性機能の温存)

排尿・性機能は骨盤の交感神経、副交感神経、陰部神経がそれぞれ関わって支配を受けています。

直腸がんの手術時に下腹神経、骨盤神経を確認して選択的に温存することで、排尿・性機能の温存が可能です。神経を完全に残す場合と、がんが広がっているために一部しか残せない場合があります。

機能温存の面からいえば神経の完全温存が望ましいのですが、そのことによって周辺が十分に取りきれず、がん細胞が残ることになれば再発のリスクが高くなります。根治性と機能温存のバランスをどう考えるかは、患者さん個人の価値観や生活状況によって異なるため、医師とよく相談して決めることが大切です。

術前治療の進歩

2026年現在、直腸がん治療の新しいアプローチとして、TNT(Total Neoadjuvant Therapy:総合的術前治療)が注目されています。これは手術前に放射線治療と化学療法を組み合わせて行う治療で、がんを小さくして切除距離を確保したり、微小転移を制御して再発率を低減させる目的があります。

TNTによってがんが著しく縮小した場合、手術を行わずに経過観察する「臓器温存」という選択肢も研究されています。ただし、これは現時点では標準治療ではなく、臨床研究として実施されている段階です。


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手術を受ける前に確認すべきこと

大腸がんの手術といっても、目的や手段は様々です。手術を受ける前に、以下のことを医師にしっかりと確認して、理解したうえで治療に臨むことが大切です。

確認すべき項目

確認項目 詳細
手術の目的 根治目的か、症状緩和目的か
切除範囲 腸管をどの程度切除するか、リンパ節郭清の範囲(D1、D2、D3)
術式 開腹手術か、腹腔鏡下手術か、ロボット支援下手術か
肛門温存の可否 直腸がんの場合、肛門を残せるか、人工肛門が必要か
一時的人工肛門 必要な場合とその期間
機能温存 排尿・性機能などの温存の可能性
術後の生活への影響 排便機能、食事、運動などへの影響
入院期間 手術前後を含めた入院期間の見込み
術後補助療法 化学療法や放射線治療の必要性

特に直腸がんの場合は、肛門温存の可能性について十分に情報を得ることが重要です。ある医療機関で「人工肛門が必要」と言われても、別の施設では肛門温存手術の経験が豊富で、温存できる可能性もあります。必要に応じてセカンドオピニオンを求めることも検討してください。

術後の経過と注意点

手術直後は個室の回復室で過ごし、翌日から一般病棟に移って歩行を始めます。早くにベッドから起きて動くことで、腸の動きも早まり、血栓症や腸閉塞を予防できます。

痛みに対しては硬膜外麻酔という背中から麻酔を注入する方法や、非ステロイド性消炎鎮痛薬の点滴などで対応します。

腸が動き始めたことを確認できたら水を飲むことができ、排ガスや排便ができるようになったら食事を開始します。一般的に手術後3日目から流動食や重湯、その後段階的に食事を進めていきます。

結腸がんの場合、胃や小腸はそのまま残るため、食事量の減少や消化吸収の障害はほとんどありません。直腸がんの場合は、切除した腸が直腸なのか結腸なのか、がんが肛門に近いのか離れているのかで影響が変わります。

術後に起こりうる合併症

合併症 内容 対応
腸閉塞 術後の腸管の癒着が原因でおなかが張ったり嘔吐する 絶食が必要で入院治療。繰り返す場合は手術が必要
排尿障害 直腸周囲の自律神経の働きが落ちて尿が出しにくくなる 自律神経が温存された場合、ほとんどが数カ月以内に回復
排便障害 直腸が短くなることで頻便、残便感、下痢、便秘が起こる 薬剤でのコントロールが可能。時間経過で改善傾向
便失禁 急なトイレや夜間の就寝時に便が漏れる 肛門から5cm以内のがんの場合に起こりやすい

まとめにかえて

大腸がんの手術は、2026年現在、腹腔鏡下手術やロボット支援下手術の普及により、患者さんの負担が大きく軽減されています。特に直腸がんでは肛門温存手術の技術が進歩し、多くの患者さんが肛門を残すことができるようになっています。

手術の成功には、がんを確実に取りきる「根治性」と、術後の生活の質を保つ「機能温存」のバランスが重要です。そのためには、手術前に医師と十分に話し合い、ご自身の価値観や生活状況に合った治療法を選択することが大切です。

必要に応じて、専門性の高い医療機関でのセカンドオピニオンを求めることも、より良い治療選択のために有効な方法です。

参考文献・出典情報

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本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。

幸せな日々、夢、希望、大切な人を守るには勝つしかないのです。

では、がんに勝つにはどうすればいいのか?

最初の一歩は『治すためのたった1つの条件』を知ることからです。

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経験17年以上。プロのアドバイザーによる徹底解説。

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