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こんにちは。17年間の活動実績を持つ、
「プロのがん治療専門アドバイザー」本村ユウジです。
がんを治すために必要なことは、たった1つです。
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肝臓がんにおける化学療法の歴史的背景
肝臓がんの治療では、日本で開発された肝動脈塞栓法(TACE)、外科的切除、ラジオ波焼灼療法(RFA)など、局所療法を中心とした治療が長年にわたり行われてきました。
一方で、他のがん種では標準的に使用される化学療法(抗がん剤などの薬物による全身治療)は、肝臓がんではほとんど実施されてきませんでした。
その理由は明確で、従来の抗がん剤は肝臓がんに対して十分な効果を示さず、毒性による副作用のみが患者さんの負担となっていたためです。肝臓がんは他のがん種と比較して抗がん剤が効きにくいという特性があり、治療の選択肢が限られていました。
この状況が変化したのは2009年5月です。分子標的治療薬である「ネクサバール(一般名:ソラフェニブ)」が肝臓がんに対して承認され、手術で切除できない進行肝臓がんに対する新たな治療オプションとして位置づけられるようになりました。
ネクサバール(ソラフェニブ)の特徴と作用メカニズム
分子標的治療薬としての位置づけ
ネクサバールは従来の細胞傷害性抗がん剤とは異なる作用機序を持つ分子標的治療薬です。
従来の抗がん剤が「毒をもって毒を制す」という考え方で、がん細胞だけでなく正常細胞にもダメージを与えるのに対し、分子標的治療薬はがん細胞の特定の分子を標的として選択的に攻撃します。
この特性により、正常細胞への影響を比較的抑えながら、がん細胞に対して効率的に作用することが期待されています。ただし、分子標的治療薬にも独自の副作用があることは理解しておく必要があります。
ネクサバールの2つの主要な作用
ネクサバールには主に2つの作用メカニズムがあります。
1つ目は「血管新生阻害作用」です。がん細胞は増殖するために栄養や酸素を必要とし、そのために新しい血管(新生血管)を作り出します。ネクサバールはこの新生血管の形成を阻害することで、がん細胞への栄養供給を遮断します。
2つ目は「がん細胞増殖抑制作用」です。がん細胞の増殖に関わる特定のシグナル伝達経路を阻害することで、がん細胞の分裂・増殖を抑制します。
これらの作用により、ネクサバールはがん細胞の成長を抑え、病状の進行を遅らせることを目的としています。
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ネクサバールの臨床試験データと効果
欧米での大規模臨床試験(SHARP試験)
ネクサバールが肝臓がん治療薬として承認される根拠となったのは、欧米で実施された大規模な臨床試験のデータです。この試験では、進行肝臓がんの患者さんを対象に、ネクサバール投与群とプラセボ(偽薬)投与群との比較が行われました。
試験の詳細は以下の通りです。
| 項目 | ネクサバール投与群 | プラセボ投与群 |
|---|---|---|
| 対象患者数 | 299人 | 303人 |
| 完全奏効(がんが消失) | 0人(0%) | - |
| 部分奏効(がんが半分以下に縮小) | 7人(2.4%) | - |
| 病勢安定(増大も縮小もしない) | 約70% | - |
| 生存期間中央値 | 10.7か月 | 7.9か月 |
効果データの解釈
この臨床試験データから分かることは、ネクサバールは「がんを縮小させる」効果よりも「がんの進行を抑える」効果に優れているということです。
ネクサバール投与群では、がんが完全に消失した患者さんは1人もおらず、がんが半分以下に縮小した患者さんも2.4%にとどまりました。しかし、約70%の患者さんでがんが増大も縮小もせずに安定した状態を維持できました。
そして最も重要な指標である生存期間中央値は、プラセボ群の7.9か月に対し、ネクサバール群では10.7か月と、約2.8か月の延長が認められました。この結果は統計学的に有意であり、ネクサバールの有効性を示すものとして評価されています。
治療効果の特性
ネクサバールの効果の特徴をまとめると、以下のようになります。
がんを積極的に攻撃して縮小させるのではなく、肝臓がんの進行を遅らせ、現状維持を図ることができる薬剤です。言い換えれば、病状の安定化を主な目的とした治療薬といえます。
この特性は、がんを急速に縮小させることが難しい進行肝臓がんの患者さんにとって、生存期間の延長とQOL(生活の質)の維持を図る上で意義のある治療選択肢となっています。
ネクサバールの適応条件
日本における肝臓がん治療ガイドラインでは、ネクサバールは特定の条件を満たす患者さんに使用されます。
主な適応基準
ネクサバールが適応となるのは、以下の条件を満たす患者さんです。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 手術の可否 | 外科的切除が不可能 |
| 局所療法の可否 | ラジオ波焼灼療法(RFA)が適応外 |
| 肝機能 | 比較的良好な肝機能を保持(Child-Pugh分類A) |
| 全身状態 | PS(performance status)0-2程度 |
| 肝外転移 | 肝外転移を有する場合も適応 |
つまり、手術やラジオ波焼灼療法といった局所療法ができない進行した状態でありながら、まだ肝機能が保たれている患者さんが主な対象となります。
肝機能が著しく低下している場合(Child-Pugh分類Cなど)には、ネクサバールの投与による肝機能へのさらなる負担が懸念されるため、慎重な判断が必要です。
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ネクサバールの副作用と発生確率
主な副作用の種類と頻度
ネクサバールは従来の抗がん剤とは異なる副作用プロファイルを持ちます。臨床試験および実臨床で報告されている主な副作用とその発生確率は以下の通りです。
皮膚症状
| 副作用 | 発生確率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 手足症候群 | 55.2% | 手のひらや足の裏の皮膚が赤くなり、痛みや腫れを伴う |
| 発疹 | 40.7% | 全身に赤い発疹が出現する |
| 脱毛 | 36.6% | 頭髪を含む体毛が薄くなる |
手足症候群はネクサバールで最も頻度の高い副作用であり、患者さんの半数以上に発現します。日常生活に支障をきたす場合があり、適切なスキンケアや症状に応じた休薬・減量が必要になることがあります。
消化器症状
| 副作用 | 発生確率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 下痢 | 35.2% | 軟便から水様便まで程度は様々 |
| 食欲不振 | 14.5% | 食事摂取量の減少、体重減少につながる場合も |
下痢は3人に1人程度の割合で発現します。脱水を防ぐための水分補給や、必要に応じて止痢薬の使用が検討されます。
その他の症状
| 副作用 | 発生確率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 嗄声(声のかすれ) | 11.0% | 声が出にくくなる、かすれる |
| 疲労感 | 15.9% | 全身の倦怠感、活動性の低下 |
副作用への対応
ネクサバールの副作用は、薬剤の使い方次第でコントロールできる場合があります。副作用の程度によっては以下のような対応が取られます。
- 軽度の副作用:症状の観察と対症療法を継続しながら投与継続
- 中等度の副作用:休薬または減量を検討
- 重度の副作用:休薬または投与中止
副作用マネジメントには医師の経験と技術が求められるため、肝臓がん治療に精通した医療機関での治療が推奨されます。
ネクサバール治療の実際と注意点
投与方法と用量
ネクサバールは経口薬(飲み薬)で、1回400mg(200mg錠を2錠)を1日2回、食事の1時間前から食後2時間の間を避けて服用します。
副作用の発現状況に応じて、医師の判断で減量や休薬が行われることがあります。患者さんの状態を見ながら、継続可能な用量を見極めることが重要です。
治療期間
ネクサバールは効果が持続する限り継続して服用します。病状の進行が認められた場合、または副作用により継続が困難になった場合に中止を検討します。
費用について
ネクサバールは高額な薬剤です。1か月あたりの薬剤費は30万円以上になることがあります。ただし、日本の医療保険制度では高額療養費制度が利用でき、実際の患者さんの自己負担額は所得に応じて上限が設定されます。
ネクサバール以降の治療選択肢
肝臓がん治療の分野では、ネクサバール承認以降も複数の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が登場しています。
2025年現在では、レンビマ(レンバチニブ)が一次治療でネクサバールと同等の選択肢として使用されているほか、ネクサバール治療後の二次治療としてスチバーガ(レゴラフェニブ)、サイラムザ(ラムシルマブ)、カボメティクス(カボザンチニブ)などが承認されています。
また、免疫チェックポイント阻害薬と血管新生阻害薬の併用療法なども使用されるようになり、治療選択肢は拡大しています。
治療選択における考え方
ネクサバールを含む薬物療法は、手術やラジオ波焼灼療法などの局所療法が適応とならない進行肝臓がんにおいて重要な治療選択肢です。
ただし、どの治療法にも特徴があり、患者さんの病状、肝機能、全身状態、治療歴などによって最適な選択肢は異なります。主治医とよく相談し、現在の状態に最も適した治療法を選択することが大切です。
また、副作用のマネジメントも治療継続の鍵となります。副作用が出現した場合は早めに医療チームに相談し、適切な対応を受けることで、治療を継続できる可能性が高まります。
参考文献・出典情報
New England Journal of Medicine
日本癌治療学会
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