乳がんも他のがんと同じくステージ(病期)によって治療方針が考慮されます。しかし、最近の乳がん治療が大きく変わったのは、ステージがすべてではなくなり、がんの性格に重点がおかれてきています。ステージ分類も治療法を決めるときのひとつのファクターにすぎない、という状況になっています。
■乳がんのステージは0期からⅣ期まで
・0期
乳管内にがんがとどまる非浸潤がん。超早期がん。
・Ⅰ期
シコリの大きさが2センチ以下、リンパ節転移のない浸潤がん(ここからすべて浸潤がん)。(ここまでが早期がん)
・ⅡA期
シコリの大きさが確認できないか2センチ以下、リンパ節転移が疑われる。もしくは、シコリが2.1~5センチでリンパ節転移がない。
・ⅡB期
シコリが2.1~5センチでリンパ節転移が疑われる。もしくは、シコリが5センチ以上でリンパ節転移がない。
・ⅢA期
シコリが5センチ以下で、わきの下のリンパ節に転移があり、しかもリンパ節が互いに連なって固まっていたり皮膚や筋肉に固定したりしている状態。または、わきの下のリンパ節に転移はないが胸骨の近くのリンパ節が腫れている。そのほか、シコリが5センチ以上でリンパ節が皮層や筋肉に固定している。(ここからは進行がん)
・ⅢB期
シコリの大きさやリンパ節転移にかかわらず、シコリが肋骨や胸骨に固定している。もしくは皮膚にシコリが顔を出したり、皮膚が崩れたりしている。
・ⅢC期
シコリの大きさにかかわらず鎖骨の上下のリンパ節に転移があるか、わきの下のリンパ節と胸骨近くのリンパ節に転移がある。
・Ⅳ期
遠隔転移がある。
これらのステージは最終的には手術後に確定します。リンパ節転移がないと思っていても、実際にはリンパ節転移のあるケースなどかあるからです。
以上、乳がんのステージ分類についての解説でした。
がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。
納得できる判断をするためには「正しい知識」が必要です。