膀胱がんの最初の自覚症状は血尿です。
血尿とは通常尿中には存在しない赤血球が尿に混じるものです。尿が目で見でわかるほど赤くなった状態を「肉眼的血尿」と呼びます。
一方、肉眼ではわからないレベルの血尿を「顕微鏡的血尿」と呼びます。もちろん血尿の原因はさまざまで、多くは膀胱炎や結石などによります。しかしときには、膀胱がんが原因で起こる血尿もあります。
ある統計は、肉眼的血尿のうちの15パーセントが膀胱がんによることを示しています。膀胱炎と違うのは、膀胱がんの多くは、排尿時に痛みがないことです。80パーセントは血尿が唯一の自覚症状ですが、数日で血尿が止まったり、最初から血尿が出ない症例もあり、そのため自分では、なかなかがんと気づきません。
がんが進むと、排尿の回数が増える、排尿時に尿道などに灼熱感(焼けるような痛み)がある、尿意はあるが排尿できない、などの症状が現れます。がんが広がって尿管の出口をふさぐと、尿が膀胱に流れ込むことができなくなって、尿管や腎臓(の内部の腎盂)がふくれてくる「水腎症」となり、また背中に痛みが生じることもあります。