08.子宮頸がん

【2026年更新】子宮頸がんのコルポスコピー検査と組織診断とは?検査の流れ・費用・判定基準を詳しく解説

子宮頸がんのコルポスコピー検査


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コルポスコピー検査と組織診断が必要になる理由

こんにちは。がん治療専門アドバイザー、本村ユウジです。

子宮頸がん検診で細胞診を受け、異常が見つかった場合、次のステップとして精密検査を受けることになります。この精密検査の中心となるのが「コルポスコピー検査」と「組織診断」です。

細胞診はあくまでもスクリーニング検査であり、異常な細胞があるかどうかを推定するものです。一方、コルポスコピー検査と組織診断は、病変の位置や範囲を正確に把握し、確定診断を行うための検査となります。

検査と聞くと不安を感じる方も多いと思いますが、それぞれの検査の目的や方法を理解することで、落ち着いて検査に臨むことができます。ここでは、コルポスコピー検査と組織診断について、実施方法から費用、検査結果の見方まで詳しく説明していきます。

コルポスコピー検査とは何か

コルポスコピー検査(コルポスコピー診)は、コルポスコープという専用の拡大鏡を使って、子宮頸部や膣の表面を詳しく観察する検査です。コルポスコープは1925年にドイツの婦人科医ハンス・ヒンゼルマンによって開発され、現在では子宮頸がんの精密検査に欠かせない検査方法として世界中で使用されています。

コルポスコープの仕組みと観察倍率

コルポスコープは、光源とレンズを組み合わせた拡大鏡で、子宮頸部を6倍から40倍程度に拡大して観察することができます。肉眼では見えない微細な血管の変化や、上皮の色調の違いなどを詳しく確認できるため、初期の異形成や早期がんの発見に有効です。

近年のコルポスコープには、デジタルカメラが搭載されているものも多く、観察した画像を記録したり、患者さんと一緒に画像を見ながら説明を受けたりすることも可能になっています。

コルポスコピー検査で確認できること

コルポスコピー検査では、次のような情報を得ることができます。

観察項目 確認できる内容
病変の位置 異常な部分がどこにあるか
病変の範囲 異常な部分がどれくらいの広さか
病変の境界 正常部分との境界が明瞭か
血管の変化 異常な血管パターンがあるか
表面の性状 表面が滑らかか、凹凸があるか
色調の変化 白く変化する部分があるか

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コルポスコピー検査の実施手順

コルポスコピー検査は、通常の婦人科診察と同じように内診台で行われます。検査の流れは大きく分けて「単純診」と「加工診」の2段階で実施されます。

単純診による初期観察

まず、コルポスコープで子宮頸部や膣壁の表面を自然な状態のまま観察します。この段階を「単純診」と呼びます。光を当てながら拡大して見ることで、表面の凹凸や色調、血管の走行パターンなどを確認します。

正常な子宮頸部は、淡いピンク色で滑らかな表面をしています。異常がある部分では、色が濃くなっていたり、表面が粗くなっていたりする変化が見られることがあります。

酢酸加工による詳細観察

単純診の後、3から5パーセント程度の酢酸水溶液を子宮頸部に塗布します。これを「酢酸加工」といい、加工後の観察を「加工診」と呼びます。

酢酸を塗ることで、異常な細胞の核が膨張し、細胞内のタンパク質が凝固して白く変化します。この変化を「酢酸白色変化(acetowhite epithelium)」と呼び、異形成やがんの存在を示す重要なサインとなります。

正常な組織では酢酸を塗っても色の変化はほとんど見られないか、変化してもすぐに元に戻ります。一方、異形成やがんがある部分では、白く濁った状態が長く続きます。白濁の程度や持続時間、境界の明瞭さなどから、病変の程度を推定することができます。

ルゴール(ヨード)染色の追加

場合によっては、ルゴール液(ヨード液)を用いた染色も行われます。正常な扁平上皮細胞にはグリコーゲンが豊富に含まれており、ヨードと反応して茶褐色に染まります。

異形成やがんの部分ではグリコーゲンが少ないため、ヨードに染まらず黄色く抜けて見えます。この不染部分を確認することで、病変の範囲をより正確に把握することができます。

組織診断(ねらい組織診)の実施方法

コルポスコピー検査で異常が疑われる部分が特定できたら、次に組織を採取して顕微鏡で詳しく調べる「組織診断(組織診)」を行います。コルポスコープで観察しながら、最も異常が強いと思われる部分を狙って組織を採取するため、「ねらい組織診(狙い生検、targeted biopsy)」と呼ばれます。

組織採取の具体的な方法

組織の採取には、切除鉗子(生検鉗子)という専用の器具を使用します。この鉗子は先端に小さなカップ状の刃がついており、組織を挟み込むようにして切り取ることができます。

採取する組織の大きさは、通常2から3ミリメートル程度です。複数の異常部位がある場合や、病変の範囲が広い場合には、2カ所から4カ所程度の組織を採取することもあります。

採取した組織は10パーセントホルマリン液に浸して固定し、病理検査室に提出されます。病理医が顕微鏡で詳しく観察し、細胞の形態や配列、浸潤の有無などを総合的に評価して診断を確定します。

検査時の痛みと出血について

組織を採取する際には、多少の痛みを伴うことがあります。痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの方は「チクッとした痛み」や「軽い生理痛のような痛み」程度と表現されます。痛みは組織を採取する瞬間だけで、持続することはほとんどありません。

検査後は、組織を採取した部分から出血することがあります。通常は少量の出血で自然に止まりますが、まれに出血が続く場合があります。出血が多い場合には、ガーゼを膣内に挿入して圧迫止血を行います。翌日に再度受診して、ガーゼを取り除き、出血が止まっているかを確認します。


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検査の所要時間と当日の流れ

コルポスコピー検査と組織診断を合わせた所要時間は、通常10分から20分程度です。検査自体は外来で実施できるため、入院の必要はありません。

検査当日のスケジュール

検査当日の一般的な流れは次のようになります。

1. 受付と問診:現在の症状や月経周期などを確認します

2. 内診台への移動:検査用のガウンに着替えます

3. コルポスコピー検査:単純診と加工診を実施します(5分から10分程度)

4. 組織採取:必要な部位から組織を採取します(3分から5分程度)

5. 止血確認と説明:出血の程度を確認し、注意事項の説明を受けます

6. 帰宅:特に問題がなければそのまま帰宅できます

検査前の準備と注意点

コルポスコピー検査を受ける際には、いくつかの注意点があります。

月経中は検査ができないため、月経が終わって数日後から次の月経が始まるまでの間に予約を入れることが推奨されます。月経直後の時期が最も観察しやすいとされています。

検査前日や当日の性交渉は避けてください。また、膣内洗浄や膣座薬の使用も検査結果に影響を与える可能性があるため、控えるようにしてください。

検査後の生活上の注意事項

組織を採取した後は、数日間いくつかの注意が必要です。

出血への対応

検査後2日から3日程度は、少量の出血が続くことがあります。ナプキンを使用して対応してください。出血量が多くなったり、1週間以上出血が続いたりする場合には、医療機関に連絡してください。

日常生活での制限

検査当日の入浴は避け、シャワーのみにしてください。翌日以降、出血がほとんどなければ入浴も可能です。

検査後1週間程度は、性交渉やタンポンの使用、激しい運動を避けることが推奨されます。これらの行為は出血のリスクを高めたり、感染症を引き起こしたりする可能性があるためです。

コルポスコピー検査と組織診断の費用

検査にかかる費用は、健康保険が適用されます。3割負担の場合の目安を以下に示します。

検査項目 保険点数 3割負担の概算費用
コルポスコピー検査 約250点 約750円
組織診断(1カ所) 約1,140点 約3,420円
病理組織標本作製 約860点 約2,580円
病理診断料 約450点 約1,350円

初診料や再診料、検査説明料なども含めると、コルポスコピー検査と組織診断を合わせた総額は、3割負担で8,000円から12,000円程度が目安となります。組織を採取する箇所が増えると、その分費用も増加します。

高額療養費制度の対象にはなりませんが、医療費控除の対象にはなりますので、領収書は保管しておくことをお勧めします。

組織診断の結果判定と分類

採取した組織は、病理医が顕微鏡で詳しく観察して診断を確定します。結果が出るまでには、通常1週間から2週間程度かかります。

病理診断の分類

子宮頸部の病理診断は、次のように分類されます。

診断名 略称 説明
正常 - 異常な細胞は見られない
軽度異形成 CIN1 軽い細胞の異常がある状態
中等度異形成 CIN2 中程度の細胞の異常がある状態
高度異形成 CIN3 強い細胞の異常がある状態
上皮内がん CIS 上皮内にとどまるがん
浸潤がん - 基底膜を超えて浸潤したがん

CINは子宮頸部上皮内腫瘍(Cervical Intraepithelial Neoplasia)の略称です。現在では、CIN2とCIN3を合わせてCIN2+と表記し、治療対象として扱うことが一般的になっています。

HPV感染との関連

子宮頸部の異形成やがんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染が原因です。組織診断の結果がCIN1の場合、多くは自然にウイルスが排除されて正常に戻ります。

一方、CIN2以上の病変では、ウイルスが持続的に感染している可能性が高く、治療を検討する必要が出てきます。組織診断と合わせてHPV検査を実施し、感染の有無や型を確認することもあります。

細胞診・コルポスコピー検査・組織診の総合判断

子宮頸がんの診断では、細胞診、コルポスコピー検査、組織診断という3つの検査結果を総合的に評価して、最終的な治療方針を決定します。

検査結果が一致する場合

3つの検査結果が同じ診断である場合、信頼性の高い診断として扱われます。この場合、結果に基づいて経過観察か治療かの方針が決まります。

例えば、細胞診がASC-US(意義不明な異型扁平上皮細胞)、コルポスコピー検査で軽度の異常、組織診断がCIN1であれば、すべてが軽度の異常を示しており、通常は3カ月から6カ月ごとの経過観察となります。

検査結果に違いがある場合の対応

3つの検査結果に違いがある場合は、その理由を慎重に検討する必要があります。

細胞診の推定診断よりも組織診断のほうが強い病変であった場合は、組織診断の結果を優先して治療方針を決定します。組織診断は確定診断であり、細胞診はあくまでもスクリーニング検査だからです。

一方、細胞診の推定診断よりも組織診断のほうが軽い病変であった場合は、より慎重な検討が求められます。この場合、コルポスコピー検査の所見が重要な判断材料となります。

コルポスコピー所見による追加評価

コルポスコピー検査では、病変がすべて視野内に収まっているか(病変全体が見えているか)という点が重要です。病変全体が見えている場合を「satisfactory(満足のいく観察)」、一部しか見えていない場合や奥に病変が隠れている可能性がある場合を「unsatisfactory(不十分な観察)」と判定します。

観察が不十分な場合、組織診断で採取できたのは病変の一部だけで、より強い病変が奥に隠れている可能性があります。このような場合は、より広範囲の組織を採取できる円錐切除術を実施して、確実な診断を目指すことがあります。

円錐切除術への移行判断

次のような場合には、診断と治療を兼ねた円錐切除術の実施を検討します。

・細胞診と組織診断の結果に大きな差がある場合

・コルポスコピー検査で病変全体が観察できない場合

・組織診断がCIN2以上で、病変の範囲や深さを正確に評価する必要がある場合

・腺異形成や上皮内腺がん(AIS)が疑われる場合

円錐切除術では子宮頸部を円錐状に切除するため、より広範囲で深い組織を採取できます。これにより、浸潤がんの有無や病変の広がりを正確に診断することが可能になります。

検査を受ける際の心構え

コルポスコピー検査と組織診断は、子宮頸がんを早期に発見し、適切な治療につなげるための重要な検査です。検査と聞くと不安を感じるかもしれませんが、いくつかの点を理解しておくことで、落ち着いて検査に臨むことができます。

検査の意義を理解する

細胞診で異常が見つかったからといって、必ずしもがんであるとは限りません。多くの場合は異形成という前がん病変であり、適切な対応をすることで、がんへの進行を防ぐことができます。

コルポスコピー検査と組織診断を受けることで、病変の正確な状態を把握し、本当に治療が必要なのか、それとも経過観察でよいのかを判断することができます。

疑問点は遠慮なく質問する

検査の方法や結果の見方、今後の方針について、わからないことや不安なことがあれば、遠慮せずに医師や看護師に質問してください。正しい情報を得ることで、不安を軽減し、納得して検査や治療を受けることができます。

参考文献・出典情報

1. 日本産科婦人科学会「子宮頸癌取扱い規約 病理編 第4版」
https://www.jsog.or.jp/

2. 国立がん研究センター がん情報サービス「子宮頸がん 検査」
https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/inspection.html

3. 日本婦人科腫瘍学会「子宮頸癌治療ガイドライン2022年版」
https://jsgo.or.jp/

4. 日本対がん協会「子宮頸がん検診について」
https://www.jcancer.jp/

5. 厚生労働省「がん検診について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059490.html

6. 日本産婦人科医会「子宮頸がん検診の精密検査」
https://www.jaog.or.jp/

7. 日本臨床細胞学会「子宮頸部細胞診報告様式ベセスダシステム2014」
https://jscc.or.jp/

8. 日本病理学会「病理診断について」
https://pathology.or.jp/

9. 日本がん治療認定医機構「がん治療の基礎知識」
https://jbct.jp/

10. 国立国際医療研究センター「子宮頸がんの検査と診断」
https://www.ncgm.go.jp/

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本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

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