09.子宮体がん

【2025年更新】子宮体がん手術後の再発率とステージ別リスクを分かりやすく解説。再発時の自覚症状やおりもの変化まで

子宮体がんの再発の可能性と予防のための治療法

こんにちは。がん治療専門アドバイザー、本村ユウジです。

子宮体がんの治療において、手術後の再発リスクをどう評価し、どのような経過観察や追加治療を行うかは、患者さんにとって大きな関心事です。

手術が成功しても「再発するのではないか」という不安を抱える方は少なくありません。実際、子宮体がんの再発率はステージや組織型、浸潤の程度によって大きく異なります。

この記事では、子宮体がん手術後の再発率について、ステージ1やステージ2を含む各病期ごとの違い、再発時に現れる自覚症状やおりものの変化、そして再発した場合の余命や治療選択肢について詳しく解説します。


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子宮体がん手術後の再発リスク分類とは

子宮体がんの手術を受けた後、すべての患者さんに化学療法や放射線治療が提案されるわけではありません。手術後の病理検査結果をもとに、再発リスクが評価され、そのリスクに応じた治療方針が決定されます。

日本婦人科腫瘍学会のガイドラインでは、子宮体がんの術後再発リスクを「低リスク群」「中リスク群」「高リスク群」の3つに分類しています。この分類は、がん細胞の組織型、分化度、筋層への浸潤の深さ、リンパ節転移の有無、腹腔細胞診の結果など、複数の病理学的因子を総合的に判断して決定されます。

低リスク群の特徴と再発率

低リスク群に分類されるのは、最も予後が良好なケースです。具体的には以下の条件をすべて満たす場合です。

分類項目 低リスク群の条件
組織型と分化度 類内膜腺がんでG1(高分化型)またはG2(中分化型)
筋層浸潤 筋層浸潤が2分の1以内
子宮頸部浸潤 子宮頸部への浸潤がない
腹腔細胞診 陰性
脈管侵襲 脈管への浸潤がない
遠隔転移 遠隔転移していない

低リスク群の患者さんの5年生存率は90%以上であり、再発率は5%未満と報告されています。このため、手術後は化学療法や放射線治療を行わず、定期的な経過観察が推奨されます。

ステージ1A期で筋層浸潤が浅く、分化度が良好な類内膜腺がんの場合、再発リスクは極めて低く、多くの患者さんは手術のみで治癒が期待できます。

中リスク群の特徴と再発率

中リスク群は、低リスク群と高リスク群の中間に位置し、再発の可能性が一定程度存在するグループです。

分類項目 中リスク群の条件
組織型と分化度 類内膜腺がんでG3(低分化型)で筋層浸潤が2分の1以内、または類内膜腺がんでG1-G2で筋層浸潤が2分の1を超える
特殊な組織型 漿液性腺がん、明細胞腺がん、未分化がん
その他のリスク因子 子宮頸部への浸潤がある、腹腔細胞診が陽性、脈管への浸潤がある
遠隔転移 遠隔転移していない

中リスク群の再発率は10~20%程度とされており、術後補助療法として化学療法または放射線治療が検討されます。ステージ1B期やステージ2期の多くがこの中リスク群に該当します。

化学療法を行うことで再発率を低減できる可能性がありますが、治療による副作用と再発予防効果を比較検討し、患者さんごとに最適な治療方針を決定することが重要です。

高リスク群の特徴と再発率

高リスク群は、がんの進行が進んでおり、再発の危険性が高いグループです。

分類項目 高リスク群の条件
周囲組織への進展 付属器・漿膜・基靭帯への進展がある
隣接臓器への浸潤 膀胱・直腸への浸潤がある
リンパ節転移 骨盤リンパ節または傍大動脈リンパ節への転移がある
腹腔内進展 腹腔内播種がある
遠隔転移 遠隔転移がある

高リスク群の再発率は30~50%以上と高く、ステージ3期や4期の多くがこの分類に該当します。術後補助療法として化学療法や放射線治療が強く推奨され、複数の治療法を組み合わせた集学的治療が行われることもあります。

ステージ別の手術後再発率

子宮体がんの再発率は、診断時のステージによっても大きく異なります。ここでは各ステージにおける再発の傾向について説明します。

ステージ1期の再発率

ステージ1期は、がんが子宮体部に限局している状態です。ステージ1A期(筋層浸潤が2分の1未満)の再発率は約5%以下と低く、特に高分化型の類内膜腺がんでは予後が良好です。

一方、ステージ1B期(筋層浸潤が2分の1以上)になると再発率は10~15%程度に上昇します。筋層への浸潤が深いほど、リンパ管や血管を通じてがん細胞が他の部位に広がるリスクが高まるためです。

ステージ2期の再発率

ステージ2期は、がんが子宮頸部の間質まで浸潤している状態です。再発率は15~20%程度とされており、術後補助療法が推奨されることが多くなります。

子宮頸部への浸潤があると、骨盤リンパ節への転移リスクも高まるため、手術時にリンパ節郭清が行われ、術後の病理検査結果に基づいて追加治療が検討されます。

ステージ3期以降の再発率

ステージ3期では、がんが子宮外の骨盤内組織や腹腔内、リンパ節に広がっています。再発率は30~50%と高く、術後化学療法が標準的に行われます。

ステージ4期では、遠隔転移があるか、膀胱や直腸の粘膜への浸潤が認められる進行した状態です。手術が可能な場合でも、再発率は50%以上と高く、長期的な化学療法や放射線治療が必要になります。


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子宮体がん再発時の自覚症状

子宮体がんが再発した場合、初期には無症状のこともありますが、進行すると様々な自覚症状が現れます。定期的な経過観察が重要ですが、次のような症状がある場合は早めに医療機関を受診することが推奨されます。

不正出血とおりものの変化

再発の最も代表的な症状は不正出血です。手術後、月経が再開している場合は月経以外の時期に出血が見られたり、閉経後の場合は少量でも出血があれば注意が必要です。

おりものの変化も重要なサインです。膣断端(子宮を摘出した後の膣の最上部)に再発した場合、水っぽいおりものや血液が混じったおりもの、悪臭を伴うおりものが増えることがあります。

これらの症状は良性の原因でも起こりますが、子宮体がんの治療歴がある場合は、再発の可能性を考慮して検査を受けることが大切です。

骨盤内の痛みや圧迫感

骨盤内にがんが再発した場合、下腹部や骨盤周辺の鈍痛、違和感、圧迫感を感じることがあります。特に座っているときや排尿時、排便時に痛みが増すことが特徴です。

腰痛も再発のサインとなることがあります。傍大動脈リンパ節への転移や骨盤後壁への浸潤がある場合、腰部や背部に持続的な痛みが現れることがあります。

全身症状

再発が進行すると、原因不明の体重減少、食欲低下、疲労感などの全身症状が現れることがあります。また、腹水が溜まると腹部膨満感や呼吸困難を感じることもあります。

リンパ節転移により下肢のリンパ浮腫(むくみ)が生じることもあり、片側または両側の足が腫れて重だるく感じることがあります。

再発が起こりやすい時期と部位

子宮体がんの再発は、手術後2~3年以内に起こることが多く、特に術後1年以内の再発が最も多いとされています。5年を過ぎると再発のリスクは低下しますが、晩期再発のケースもあるため、長期的な経過観察が重要です。

局所再発

膣断端への再発は、子宮体がんの局所再発として最も多い部位です。手術時に取り残された微小ながん細胞が増殖することで起こります。膣断端再発は比較的早期に発見されやすく、放射線治療や手術で治療可能なケースも多くあります。

遠隔転移

遠隔転移では、肺、肝臓、骨、脳などが再発部位として多く見られます。特に肺転移は子宮体がんの遠隔転移として最も頻度が高く、定期的な胸部CTによる経過観察が行われます。

リンパ節再発では、骨盤リンパ節や傍大動脈リンパ節への転移が多く、画像検査(CTやPET-CT)で評価されます。


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再発後の治療選択肢と予後

子宮体がんが再発した場合、再発部位や範囲、前回の治療内容、患者さんの全身状態などを考慮して治療方針が決定されます。

局所再発への治療

膣断端など限局した局所再発の場合、放射線治療が第一選択となることが多く、根治的治療が可能な場合もあります。放射線治療を以前に受けていない場合は、外照射や腔内照射(ブラキセラピー)が行われます。

切除可能な局所再発であれば、手術による切除も検討されます。周囲組織を含めた拡大切除や、場合によっては骨盤内臓全摘術が行われることもあります。

遠隔転移への治療

遠隔転移がある場合、化学療法が中心となります。プラチナ製剤(カルボプラチンやシスプラチン)とタキサン系薬剤(パクリタキセル)の併用療法が標準的に用いられます。

ホルモン受容体陽性の類内膜腺がんでは、ホルモン療法(黄体ホルモン剤)が有効な場合もあります。ホルモン療法は化学療法に比べて副作用が少なく、QOL(生活の質)を保ちながら治療を継続できる利点があります。

近年では、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新しい治療法も選択肢に加わっています。特にMSI-High(マイクロサテライト不安定性が高い)やdMMR(ミスマッチ修復機能欠損)の腫瘍に対しては、免疫チェックポイント阻害薬が効果を示すことが報告されています。

再発後の余命と生存率

再発後の予後は、再発部位や範囲によって大きく異なります。局所再発で根治的治療が可能な場合、5年生存率は50~70%程度と報告されています。

一方、遠隔転移を伴う再発の場合、5年生存率は10~30%程度とされており、治療目標は延命とQOLの維持に重点が置かれます。化学療法の奏効率は30~50%程度であり、効果が得られる場合は1~2年程度の生存期間延長が期待できます。

ただし、これらの数値はあくまでも統計的な平均値であり、個々の患者さんの状態、治療への反応、全身状態などによって予後は大きく変わります。

再発予防のための経過観察

手術後の定期的な経過観察は、再発の早期発見に不可欠です。日本婦人科腫瘍学会のガイドラインでは、以下のような経過観察スケジュールが推奨されています。

期間 診察頻度 実施する検査
術後1~2年 3~4ヶ月ごと 内診、細胞診、画像検査(必要に応じて)
術後3~5年 6ヶ月ごと 内診、細胞診、画像検査(年1~2回)
術後5年以降 年1回 内診、細胞診

画像検査としては、胸部X線またはCT、骨盤MRIやCTが定期的に行われます。腫瘍マーカー(CA125やCA19-9など)の測定も、再発のスクリーニングとして有用な場合があります。

経過観察中に異常が見つかった場合は、追加の精密検査が行われ、再発が疑われる場合は組織診断やPET-CTなどの詳細な評価が行われます。

まとめ:再発リスクと向き合うために

子宮体がんの手術後の再発率は、ステージや組織型、リスク分類によって5%未満から50%以上まで幅広く分布しています。ステージ1期の低リスク群では再発率が極めて低い一方、ステージ3~4期の高リスク群では慎重な経過観察と積極的な術後補助療法が必要です。

再発の兆候としては、不正出血やおりもの の変化、骨盤内の痛みなどが挙げられますが、定期的な経過観察によって無症状の段階で発見されることも少なくありません。

再発した場合でも、局所再発であれば根治的治療が可能なケースもあり、遠隔転移の場合でも化学療法や新しい治療法によって症状をコントロールし、QOLを維持することが可能です。

手術後は主治医の指示に従って定期的な経過観察を受け、気になる症状があれば早めに相談しましょう。

参考文献・出典情報

日本婦人科腫瘍学会

日本婦人科悪性腫瘍研究機構

国立がん研究センター

がん情報サービス

日本臨床腫瘍学会

日本放射線腫瘍学会

日本産科婦人科学会

厚生労働省

PubMed

National Cancer Institute

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本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

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