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17.膵臓がん

【2026年更新】膵臓がんのステント治療とは?適応・進め方・メリット・デメリット・治療期間・費用を解説

膵臓がんに関するステント治療

こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。

膵臓がんの治療を検討する際、「ステント治療」という言葉を耳にした患者さんも多いのではないでしょうか。ステント治療は、膵臓がんによって引き起こされる様々な症状を改善し、患者さんの生活の質を保つために重要な役割を果たしています。

この記事では、膵臓がんにおけるステント治療について、その仕組みから具体的な治療の進め方、メリット・デメリット、治療期間、費用まで詳しく解説します。


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ステント治療とは何か

ステントとは、人体の管状の部分を内側から広げて支えるための医療機器です。金属製の網目状の筒やプラスチック製の管があり、体内の様々な部位に使用されています。

膵臓がんの治療においては、主に胆管や胃・十二指腸といった消化器系の管に用いられます。がんの進行によってこれらの管が狭くなったり閉塞したりすると、胆汁の流れが妨げられたり、食べ物が通過できなくなったりします。このような状態を改善するために、ステントを留置して管の通りを確保するのです。

膵臓がんにおけるステント治療の適応

膵臓がんの患者さんにステント治療が必要となるのは、主に以下のような状況です。

膵頭部にできたがんは、肝臓から十二指腸へ胆汁を運ぶ胆管を圧迫することがあります。胆管が狭くなったり完全に閉塞したりすると、胆汁の流れが滞り、黄疸や胆管炎といった症状が現れます。この状態を放置すると、敗血症や肝不全といった重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

また、膵臓がんが進行すると、胃や十二指腸に直接浸潤したり圧迫したりすることで、消化管の内腔が狭くなることがあります。この状態では、食事を摂ることが困難になり、嘔吐や栄養状態の悪化を招きます。

これらの症状がある患者さんに対して、ステント治療は効果的な対処法となります。手術が難しい進行がんの患者さんはもちろん、手術前に黄疸を改善するための一時的な処置としても用いられます。


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胆管ステント治療の詳細

治療の目的と方法

胆管ステント治療は、膵臓がんによって胆管が狭くなったり閉塞したりした場合に、胆汁の流れを確保するために行います。胆汁の排出が滞ると、肝機能障害や黄疸が生じ、全身状態が悪化するため、早期の対応が必要です。

治療方法には、主に3つのルートがあります。最も一般的なのは、内視鏡を口から十二指腸まで挿入し、胆管が開口している乳頭部からステントを入れる経乳頭ルートです。この方法が最も標準的で、多くの医療機関で実施されています。

経乳頭ルートでの挿入が困難な場合は、体外から超音波で肝臓内の胆管を確認しながら針を刺してチューブを入れる経皮ルート(経皮経肝胆道ドレナージ)が選択されます。ただし、この方法ではチューブが体外に出る状態になるため、患者さんの日常生活への影響が大きくなります。

近年では、超音波内視鏡を使用して胃や十二指腸から直接胆管にアプローチする経消化管ルートも普及しています。胃から肝内胆管にアプローチするEUS-HGS(超音波内視鏡下肝内胆管胃吻合術)や、十二指腸から総胆管にアプローチするEUS-CDS(超音波内視鏡下胆管十二指腸吻合術)があり、外瘻チューブが不要というメリットがあります。

ステントの種類と選択

胆管ステントには、プラスチック製と金属製の2種類があります。それぞれに特徴があり、患者さんの状態や治療方針に応じて使い分けられます。

種類 開存期間 特徴 主な使用場面
プラスチックステント 2-3mm 2-5か月 抜去・交換が容易、詰まりやすい 手術前の一時的な黄疸軽減
金属ステント 8-10mm(拡張後) 5-10か月 詰まりにくい、抜去困難 切除不能な進行がんの長期管理

金属ステントは、プラスチックステントと比較して内腔が広いため詰まりにくく、長期間の使用に適しています。切除が困難な膵臓がんの患者さんで、長期的に黄疸をコントロールする必要がある場合に適しています。

一方、プラスチックステントは詰まりやすいものの、抜去や交換が容易です。手術を予定している患者さんで、術前に一時的に黄疸を軽減する目的で使用されることが多いです。


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胃・十二指腸ステント治療

膵臓がんが進行すると、胃の出口にあたる幽門部や十二指腸を直接圧迫したり浸潤したりすることがあります。これにより消化管の内腔が狭くなり、食事を摂ることができなくなったり、嘔吐を繰り返したりする状態になります。

このような消化管閉塞に対しては、内視鏡を使用して金属製のステントを留置する治療が行われます。ステントは自己拡張性があり、留置後2-3日かけて徐々に拡張し、狭くなった部分を内側から押し広げます。これにより、食べ物の通り道が確保され、経口摂取が可能になります。

従来は外科的なバイパス手術(胃と小腸をつなぐ胃空腸吻合術)が行われていましたが、近年では内視鏡的なステント留置術が広く普及しています。手術と比較して体への負担が少なく、入院期間も短くて済むという利点があります。

ステント治療の進め方

治療前の準備

ステント留置術を行う前には、CT検査や内視鏡検査などで閉塞部位や範囲を正確に評価します。複数箇所に閉塞がないことを確認することも重要です。また、全身状態の評価や血液検査も実施し、安全に治療を行えるかどうかを判断します。

治療の実際

胆管ステント留置の場合、多くは内視鏡を使用した経乳頭ルートで行われます。患者さんは鎮静剤の投与を受け、内視鏡が口から十二指腸まで挿入されます。乳頭部からガイドワイヤーを胆管内に進め、その上をステントが通って閉塞部位を越えた位置に留置されます。

胃・十二指腸ステントの場合も同様に、内視鏡を使用して閉塞部位までアプローチします。造影検査で閉塞部の長さや屈曲状況を確認した後、ガイドワイヤーに沿ってステントを留置します。金属ステントは留置後、自己拡張力によって徐々に広がります。

治療時間は通常30分から1時間程度です。複雑な症例ではより長い時間を要することもあります。

治療後の経過

ステント留置後は、通常数日間の入院観察が必要です。胆管ステントの場合、黄疸の改善や肝機能の回復を確認します。消化管ステントの場合、ステントの拡張に伴う腹痛が数日続くことがありますが、多くは鎮痛薬でコントロール可能です。

ステントが十分に拡張し、症状が改善したことを確認できれば退院となります。入院期間は通常3-7日程度ですが、合併症がなく経過が順調であれば、より短期間で退院できることもあります。

ステント治療のメリット

ステント治療には、患者さんにとって以下のような利点があります。

まず、体への負担が少ないことが挙げられます。外科的なバイパス手術と比較すると、内視鏡を使用した低侵襲な治療であるため、全身麻酔が不要で、手術創もありません。高齢の患者さんや全身状態が良くない患者さんでも実施できることが多いです。

治療効果が比較的早く現れることもメリットです。胆管ステントの場合、留置後数日で黄疸が改善し始めることが多く、肝機能の回復とともに全身状態が良くなります。消化管ステントの場合も、ステント拡張後は食事摂取が可能になり、栄養状態の改善が期待できます。

入院期間が短いことも患者さんにとって大きな利点です。通常1週間程度の入院で治療が完了するため、日常生活への復帰が早くなります。

また、症状緩和により生活の質が向上します。黄疸による皮膚のかゆみや倦怠感が軽減されたり、食事が摂れるようになることで、患者さんのQOL(生活の質)が改善されます。これは、その後の抗がん剤治療を継続する上でも重要です。

ステント治療のデメリットと合併症

ステント治療には利点がある一方で、いくつかの課題や起こりうる合併症もあります。

ステント閉塞

時間の経過とともに、ステントが詰まってくることがあります。プラスチックステントでは2-5か月、金属ステントでも5-10か月程度で閉塞が生じる可能性があります。閉塞した場合、再度黄疸が出現したり、消化管通過障害が再発したりするため、ステントの交換や追加留置が必要になることがあります。

治療時の合併症

ステント留置時には、以下のような合併症が起こる可能性があります。

合併症 説明
消化管穿孔 ステント留置時やその後に消化管に穴があく可能性。重篤な場合は手術が必要
出血 処置部位からの出血。多くは軽度だが、まれに輸血が必要になることも
ステント逸脱 留置したステントが本来の位置からずれてしまうこと
胆管炎 胆管ステント留置後に細菌感染が起こること。抗生物質による治療が必要
膵炎 胆管ステント留置後に膵液の流れが妨げられて起こることがある

その他のデメリット

金属ステントは一度留置すると基本的に抜去が困難です。カバー付きの金属ステントであれば抜去可能な場合もありますが、カバーなしのステントは胆管壁に食い込むため取り外せません。

また、ステントはあくまで症状を緩和するための対症療法であり、がんそのものを治療するものではありません。がんの進行とともに新たな閉塞部位が生じる可能性もあります。

治療期間について

ステント治療の入院期間は、通常3-7日程度です。合併症がなく経過が順調であれば、より短期間での退院も可能です。

ステント留置の処置自体は30分から1時間程度で完了しますが、その後の観察期間が必要です。胆管ステントの場合、黄疸の改善や肝機能の回復を確認するため、数日間の経過観察が行われます。消化管ステントの場合は、ステントが十分に拡張し、食事摂取が可能になることを確認してから退院となります。

ステント自体の機能維持期間は、プラスチック製で2-5か月、金属製で5-10か月程度です。この期間を過ぎるとステントが詰まってくる可能性が高まるため、症状の再発に注意が必要です。閉塞が生じた場合は、再度ステントの交換や追加留置を検討します。

治療費について

ステント治療は健康保険が適用される標準的な治療です。内視鏡的胆道ステント留置術や消化管ステント留置術として保険診療の対象となります。

実際の費用は、使用するステントの種類(プラスチック製か金属製か)、治療方法(経乳頭ルートか経皮ルートか)、入院期間などによって変わります。また、高額療養費制度の適用により、患者さんの所得に応じた自己負担上限額が設定されます。

詳しい費用については、治療を受ける医療機関の医療相談室や医療ソーシャルワーカーに相談することをお勧めします。高額療養費制度の申請方法や、利用できる公的支援制度についても説明を受けることができます。

ステント治療を検討する際のポイント

ステント治療は、膵臓がんによる閉塞性黄疸や消化管閉塞といった症状を改善し、患者さんの生活の質を保つための重要な治療手段です。手術が困難な進行がんの患者さんでも実施できる低侵襲な治療であり、比較的早期に症状の改善が期待できます。

ただし、ステント閉塞や合併症のリスクもあるため、治療後も定期的な経過観察が必要です。担当医とよく相談し、患者さん一人ひとりの状態に応じた適切な治療方針を決定することが大切です。

ステント治療によって症状が改善されれば、抗がん剤治療を継続しやすくなったり、日常生活の質が向上したりする可能性があります。黄疸や消化管閉塞の症状がある場合は、早めに担当医に相談し、適切な時期にステント治療を受けることを検討しましょう。

参考文献・出典情報

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス「膵臓がん 治療」
  2. がん研有明病院「胆膵IVR」
  3. 東京慈恵会医科大学附属病院「一人ひとりに合わせた膵臓がんの内科的治療」
  4. 日本胆道学会「内視鏡的胆管ドレナージ(ステンティング)」
  5. 国立がん研究センター東病院「膵がん」
  6. 東京大学医学部附属病院消化器内科「消化管ステント」
  7. QLife がん「膵臓がんのステージ分類と検査、治療戦略とは」
  8. キャンサーネットジャパン「すい臓がんの痛み、黄疸、栄養障害改善」
  9. 岩手県立中央病院「悪性消化管閉塞に対する金属ステント留置術」
  10. 国際医学情報センター「膵がん」

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本村ユウジ
本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。

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-17.膵臓がん