スキルス胃がんの5年生存率はわずか20%程度と、普通の胃がんと比べるととても低い数字になっています。スキルスとは"硬い”という意味です。胃壁内部に浸潤して広がり、最後は胃全体が硬く大きながんになります。
胃がんの約10%を占めます。がんと診断されたときには、多くが進行がんや末期がんの状態であり、最近の検査技術のアップによってもなお々早期発見は困難です。
発見したときには胃全体に広がっていることが多いため、少し前までは進行したスキルス胃がんには「拡大手術」が行われていました。拡大手術とは胃をすべて切除、膵臓の一部も切除、脾臓、胆のう、副腎、横行結腸なども切除するとても大きな手術です。
しかしそれでも転移が起きやすいため、手術だけでは厳しいという風潮が高まり、現在では他のタイプの胃がんと同じように抗がん剤のTS-1、TS-1+CDDPを使用することが多くなっています。
また、手術の後に抗がん剤を行う方法だけでなく、手術の前に抗がん剤治療を行ったり、放射線治療を併用したりする治療法も検証が進められています。
それでも従来の方法の組み合わせにしかすぎず、標準治療以外の方法の模索が続いています。
以上、スキルス胃がんについての解説でした。