06.食道がん

【2025年更新】食道がんの浸潤とは?浸潤がん・浸潤度を徹底解説。どのように浸潤するのか

食道がんの浸潤と転移


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食道がんにおける浸潤(しんじゅん)とは

食道がんのがん細胞は、食道の内側を覆う粘膜の表面に最初に発生します。

発生した直後のがん細胞は粘膜の表層にとどまっていますが、時間の経過とともに、食道の壁の深い層へと食い込んでいきます。この過程で、がん細胞は周囲の正常な組織を破壊しながら増殖を続けます。このように、がん細胞が周囲の組織に食い込んでいくことを「浸潤(しんじゅん)」と呼びます。

浸潤は食道がんの進行度を判断する重要な指標となります。浸潤の深さによって治療方針や予後が変わってくるため、診断時に浸潤度を正確に評価することが必要です。

食道の壁の構造と浸潤の進行

食道がんの浸潤度を理解するためには、まず食道の壁の構造を知ることが大切です。食道の壁は内側から外側に向かって、複数の層で構成されています。

最も内側には粘膜があり、さらに粘膜上皮、粘膜固有層、粘膜筋板という3つの層に分かれています。その外側に粘膜下層があり、この層には血管やリンパ管が豊富に存在しています。さらに外側には固有筋層があり、食道には内輪層と外縦層という二層の筋層が存在します。最も外側には食道外膜があります。

がん細胞は発生当初、粘膜内にとどまっていますが、増殖を続けるうちに粘膜下層へ、さらには固有筋層へと深く浸潤していきます。進行すると食道外膜を突き破り、食道の壁を完全に越えて周囲の臓器へと広がっていくこともあります。


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浸潤度による食道がんの分類

食道がんは、浸潤の深さによって「早期食道がん」「表在食道がん」「進行食道がん」という段階に分類されます。この分類は治療方針の決定や予後の予測に重要な役割を果たします。

早期食道がん

がん細胞が粘膜内(粘膜上皮、粘膜固有層、粘膜筋板のいずれか)にとどまっている段階の食道がんを「早期食道がん」と呼びます。この段階では、リンパ節への転移の可能性が比較的低く、内視鏡的切除などの低侵襲な治療で対応できる場合があります。

表在食道がん

がん細胞が粘膜下層まで浸潤しているものの、固有筋層には達していない段階を「表在食道がん」といいます。粘膜下層には血管やリンパ管が豊富に存在するため、この段階になるとリンパ節転移のリスクが高まります。

進行食道がん

固有筋層にまで浸潤した食道がんは「進行食道がん」と分類されます。この段階では、がん細胞が食道の壁の深い部分まで到達しており、リンパ節転移や遠隔転移を起こしている可能性が高くなります。治療は手術、化学療法、放射線療法を組み合わせた集学的治療が中心となります。

食道がんが浸潤しやすい理由

食道は他の消化管臓器と比較して、がんが浸潤しやすい特徴を持っています。その主な理由は食道の解剖学的な構造にあります。

胃や大腸には漿膜(しょうまく)という強固な膜が臓器の外側を覆っていますが、食道にはこの漿膜がありません。そのため、食道の壁は比較的薄く、がん細胞が壁を突き破って周囲の組織や臓器に広がりやすいという特徴があります。

さらに、食道の壁の中や周囲にはリンパ管のネットワークが密に張り巡らされています。このリンパ管網が豊富であることも、食道がんが早い段階から転移を起こしやすい要因の一つとなっています。


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食道がんの転移について

がん細胞は原発巣(最初にがんが発生した場所)で増殖するだけでなく、リンパ管や血管を通じて他の部位へと移動し、そこで新たながんを形成することがあります。この現象を「転移」といいます。

食道がんの場合、食道が原発巣となります。原発巣から離れた場所にがん細胞が定着して増殖した場所を「転移巣」と呼びます。例えば、食道がんが肺に転移した場合、肺にできたがんは「食道がんの肺転移」と呼ばれ、肺を原発とする原発性肺がんとは性質が異なります。

このため、治療に使用する薬剤も、転移先の臓器のがんに対する薬ではなく、原発巣である食道がんに有効な薬剤を選択することになります。

食道がんにおける転移の種類

食道がんの転移には、主に3つの経路があります。それぞれの転移の特徴を理解することは、病状の把握や治療方針の決定に役立ちます。

転移の種類 転移経路 主な転移先
リンパ行性転移 リンパ管を通じた転移 頸部・胸部・腹部のリンパ節
血行性転移 血管を通じた転移 肺、肝臓、骨、脳など
播種性転移 体腔内への散布 胸膜、腹膜

リンパ行性転移のメカニズム

食道がんが進行すると、がん細胞は食道の壁に存在するリンパ管に侵入します。リンパ管に入り込んだがん細胞は、リンパ液の流れに乗って食道周囲のリンパ節へと運ばれていきます。

リンパ節は本来、体内に侵入した病原体や異物を免疫システムによって排除する役割を担っています。しかし、リンパ節に到達したがん細胞が免疫による攻撃を逃れると、リンパ節内で増殖を開始します。この状態を「リンパ節転移」といいます。

食道は頸部から腹部まで縦に長い臓器であるため、原発巣の近くのリンパ節だけでなく、頸部・胸部・腹部の広い範囲のリンパ節に転移する可能性があります。がん細胞はリンパ管のネットワークを通じて、次々と別のリンパ節へと転移を広げていきます。これを「リンパ行性転移」と呼びます。

食道の壁や周囲にはリンパ管が密に分布しているため、食道がんは胃がんや大腸がんと比較して、早期の段階からリンパ行性転移を起こしやすいという特徴があります。

血行性転移のメカニズム

がん細胞が食道の壁にある血管に侵入し、血液の流れに乗って遠くの臓器へと到達することを「血行性転移」といいます。血管に入り込んだがん細胞は血流によって全身に運ばれる可能性があります。

食道がんの血行性転移では、肺、肝臓、骨、脳などへの転移が多く見られます。血液は心臓を経由して全身を巡るため、血行性転移は原発巣から離れた臓器にも起こり得ます。

肺は血液が必ず通過する臓器であるため、血行性転移の中でも肺転移は比較的頻度が高いとされています。また、肝臓も血流が豊富な臓器であり、転移が起こりやすい部位の一つです。

播種性転移のメカニズム

「播種(はしゅ)」という言葉は、種を播くという意味です。がん細胞が食道の外膜を突き破って体腔内に散らばる転移を「播種性転移」といいます。

胸部食道がんの場合、がん細胞が胸腔内(胸の中の空間)に散らばると「胸膜播種」、腹腔内(おなかの空間)に散らばると「腹膜播種」と呼ばれます。播種性転移が起こると、がん細胞が小さな結節や腫瘤を形成し、胸水や腹水が貯留することがあります。

これらの胸水や腹水には多量のたんぱく質が含まれており、患者さんの呼吸困難や腹部膨満感などの症状を引き起こすことがあります。

浸潤度の評価と診断

食道がんの浸潤度を正確に評価するためには、複数の検査が行われます。内視鏡検査では、食道の内側から粘膜の状態を直接観察し、がんの広がりや表面の形状を確認します。

超音波内視鏡検査では、内視鏡の先端に超音波装置を付けて食道の壁の層構造を詳しく調べ、がんがどの深さまで浸潤しているかを評価します。

CT検査やMRI検査では、食道の壁の厚みや周囲の臓器への浸潤の有無、リンパ節の腫大、遠隔転移の有無などを総合的に評価します。PET検査では、がん細胞が活発に糖を取り込む性質を利用して、転移の有無を調べることができます。

浸潤度と治療方針の関係

食道がんの治療方針は、浸潤度や転移の有無によって大きく変わります。早期食道がんで粘膜内にとどまっている場合は、内視鏡的粘膜切除術や内視鏡的粘膜下層剥離術といった内視鏡治療が選択されることがあります。

粘膜下層まで浸潤している場合や、固有筋層に達している進行食道がんでは、手術による切除が検討されます。リンパ節転移がある場合は、手術に加えて化学療法や放射線療法を組み合わせた治療が行われることが一般的です。

遠隔転移がある場合には、手術による根治は困難となり、化学療法や放射線療法による症状緩和や生存期間の延長を目指した治療が中心となります。

まとめ

食道がんの浸潤とは、がん細胞が食道の壁の深い層へと食い込んでいく現象です。浸潤の深さによって早期食道がん、表在食道がん、進行食道がんに分類され、それぞれ治療方針や予後が異なります。

食道は漿膜を持たず、リンパ管が豊富に分布しているため、がんが浸潤しやすく、転移も起こりやすい特徴があります。転移にはリンパ行性転移、血行性転移、播種性転移の3つの経路があり、それぞれ異なるメカニズムで進行します。

浸潤度の正確な評価は、適切な治療方針の決定に不可欠です。内視鏡検査、超音波内視鏡検査、CT検査などを組み合わせて総合的に診断が行われます。

参考文献・出典情報

以上、食道がんの浸潤に関する解説でした。

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本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

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なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。

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