【レジメン】
CDDP=60mg/㎡:点滴静注(2時間以上)
CPT-11=60mg/㎡:点滴静注(90分以上)
【投与前】
1,000~2,000mLの輸液
【制吐対策】
①5-HT3受容体拮抗薬(Dayl)
②アプレピタント、;: 125mg (Dayl) ,80mg (Day2~3)
③デキサメタゾン9.9mg1V(Day1), 8mgPO(Day2~4)
④オランザピン5mg (Dayl~4) (糖尿病患者には禁忌)
基本事項
【適応】
小細胞肺がん
・LD(limiteddisease)症例:放射線同時併
・遠隔転移を伴う小細胞肺がん
・ED(extensivedisease)症例
【奏効率】
[LD症例]
・奏効率
完全奏効率27%
部分奏効率65%
・生存期間(中央値)
21カ月
・2年生存率
35.1%
・5年生存率
18.3%
[ED症例]
・奏効率
67.5%
・生存期間(中央値)
9.4カ月
・2年生存率
37.7%
・5年生存率
5.2%
【副作用】
[LD症例]
・白血球減少:Grade3=51%、Grade4=37%
・血小板減少:Grade3=30%、Grade4=7%
・貧血:Grade3=54%
・悪心・嘔吐:11%
・食道炎:9%
[ED症例]
・好中球減少:Grade2=5%、Grade3=21%、Grade4=50%
・血小板減少:Grade2=13%、Grade3=14%、Grade4=0%
・貧血:Grade2=42%、Grade3=23%、Grade4=-
・悪心・嘔吐:Grade2=23%、Grade3=5%、Grade4=-
・発熱:Grade2=16%、Grade3=2%、Grade4=0%
レジメンチェックポイント
①投与前の確認:輸液の前負荷、制吐薬
②投与量の確認
<CDDP:腎障害時の減量基準>
・GFR (mL/min)=10~50:25%減量、10>:50%減量。
または
・Ccr(mL/mln)=60~46:25%減量、45~31:50%減量、30>使用中止
<ETP:肝障害時の減量基準>
・T-Bil=1.5~3.0mg/dLorAST>3×ULN:50%減量
・T-Bil>3.Omg/dL=投与中止
<ETP:腎障害時の減量基準>
・血清クレアチニン(mg/dL) =>1.4:30%減量
または
・Ccr(mL/min) =15~50:25%減量、15>:さらなる減量調整が必要。
③点滴速度の確認
CDDP:2時間以_上かけて点滴静注.
ETP:30~60分かけてゆっくり点滴静注(添加剤としてポリソルベート80を含有し急速静注により一過性の血圧低下、不整脈の報告がある).
④相互作用
CDDP:アミノグリコシド系抗菌薬バンコマイシン,注射用アムホテリシンB, フロセミドとの併用で腎背障害リスク増大。
アミノグリコシド系抗菌薬、バンコマイシン。フロセミドとの併用で聰器障害リスク土W大。
フェニトインとの併用でフェニトインの血漿中濃度が低下したとの報告がある
副作用対策と服薬指導のポイント
①悪心・嘔吐:
CDDPは90%に急性、30~50%に遅発性の悪心・嘔吐の発現があり得る。患者の症状に留意し必要に応じて制吐薬の追加を行う。
②腎障害:
CDDPでは予防として水分の摂取を心がけるように伝える(目安: 1.5~2L/日程度). アミノグリコシド系抗菌薬との併用で増強されることがある.尿量の確保‘体重測定を行い適宜, 利尿薬を併用する。
③神経障害:
CDDPでは手足のしびれなどの末梢神経障害と4.000~8,000Hz付近の高音域聴力障害が問題とされている。一般的にCDDPの総投与量が300~500mg/m2以上になると聰器障害頻度が高くなると報告されており軽度なものは投与中止により軽減することもあるが不可逆的な場合も少なくない。