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がん専門アドバイザー 本村ユウジ

16.前立腺がん

【2026年更新】前立腺がんの放射線治療費用を分かりやすく解説。IMRT・SBRT・小線源療法の自己負担額と高額療養費制度

治療費用

こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。

前立腺がんの放射線治療を検討する際、多くの患者さんが気になるのが治療費です。実際にどれくらいの費用がかかるのか、保険は適用されるのか、自己負担額はどの程度になるのかといった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

近年、前立腺がんの放射線治療は技術的に進歩し、治療の選択肢も広がっています。それに伴い、治療費の体系も複雑になってきています。2026年現在、主に行われている放射線治療は、強度変調放射線治療(IMRT)、体幹部定位放射線治療(SBRT)、小線源療法(ヨード125シード永久挿入療法)の3つです。

それぞれ治療期間や費用が異なるため、治療を選択する前に費用面をしっかり理解しておくことが大切です。

また、2026年8月からは高額療養費制度の改定も予定されており、自己負担額の計算方法も変わってきます。これらの最新情報を踏まえながら、前立腺がんの放射線治療にかかる費用について詳しく解説していきます。


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前立腺がんの放射線治療の種類と特徴

前立腺がんの放射線治療には、体の外から放射線を照射する外部照射と、放射線源を前立腺内に埋め込む内部照射(小線源療法)があります。現在、日本で広く行われている外部照射には、IMRTとSBRTの2つの方法があります。

IMRTは、放射線の強度を調整しながら多方向から照射する高精度な治療法で、前立腺に高線量を集中させながら、周囲の直腸や膀胱への影響を最小限に抑えることができます。SBRTは、IMRTよりもさらに高い線量を1回あたりに照射することで、治療回数を5回程度に抑える新しい治療法です。

小線源療法は、米粒大の放射線源を前立腺内に埋め込む方法で、3泊4日程度の入院で治療が完了します。それぞれの治療法には特徴があり、がんの進行度や患者さんの状態によって適した方法が選ばれます。

強度変調放射線治療(IMRT)の治療費

IMRTは前立腺がんの標準的な放射線治療として広く行われています。2026年現在、治療方法は施設によって異なりますが、従来型の38〜39回照射と、治療期間を短縮した15回程度の短期照射があります。

従来型IMRT(38〜39回照射)の費用内訳

従来型のIMRTでは、1回2グレイずつ、合計78グレイを38〜39回に分けて照射します。治療期間は約7〜8週間で、平日に毎日通院して治療を受ける形になります。

この場合の治療費は以下のような構成になります。放射線治療管理料が5000点、体外照射の強度変調照射治療料は3000点×39回で11万7000点、医療機器安全管理料2が1100点、放射線治療専任加算料が330点となります。さらに、体外照射用固定器具加算料1000点、呼吸性移動対策加算料150点、画像誘導放射線治療加算料3000点×39回で11万7000点が加わります。

これらを合計すると総点数は約13万6000点となり、治療費は約136万円です。保険診療が適用されるため、3割負担の場合の自己負担額は約40〜45万円となります。外来治療の場合には、外来放射線治療加算料なども加わりますが、これにも保険が適用されます。

短期照射IMRT(15回程度)の費用

近年、多くの施設で導入が進んでいるのが、治療期間を3週間程度に短縮した短期照射IMRTです。京都大学医学部附属病院などの先進施設では、15回の照射で治療を完了する方法を採用しています。

この方法では、1回あたりの線量を増やすことで治療回数を減らし、患者さんの通院負担を軽減しています。治療効果は従来の方法と同等で、副作用も増加しないことが臨床試験で確認されています。

短期照射の場合、照射回数が少ないため、総治療費は従来型よりもやや低くなる傾向があります。ただし、施設によって採用している照射回数や方法が異なるため、具体的な費用については治療を受ける医療機関に確認することをおすすめします。


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体幹部定位放射線治療(SBRT)の治療費

SBRTは、前立腺がんの放射線治療において近年注目されている治療法です。2016年4月から保険適用となり、現在では多くの施設で実施されています。

この治療法の最大の特徴は、治療回数が5回程度で完了することです。東京大学医学部附属病院などでは、8グレイを5回、合計40グレイを照射する方法を採用しています。治療は1日おきに行われるため、約2週間で治療が終了します。

SBRTの費用構成

SBRTの保険診療における総治療費は約63万円です。これは従来型IMRT(約130万円)の約半分の費用となります。3割負担の場合、自己負担額は約19万円程度となり、患者さんの経済的負担も軽減されます。

SBRTは治療回数が少ないため、通院の負担も少なく、仕事を続けながら治療を受けやすいというメリットがあります。低リスク群では95%以上、中リスク群では90%程度の完治率が期待できるとされています。


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小線源療法(ヨード125シード永久挿入療法)の治療費

小線源療法は、前立腺がんに対する内部照射の一種で、2003年から日本でも保険適用となっています。現在では全国100以上の施設で実施されており、年間3000例以上の治療が行われています。

小線源療法の治療費内訳

小線源療法では、放射線を出すヨード125シードという米粒大のカプセルを前立腺内に埋め込みます。通常、60〜100個程度のシードを使用します。

治療費の構成は、放射線治療管理料4000点、ヨード125シードの永久挿入料4万8600点、医療機器安全管理料2が1100点、放射線治療専任加算料330点となります。さらに、使用したヨード125シードの費用として、1個につき630点が加算されます。80個使用した場合、630点×80個で5万400点となります。

これらを合計すると総点数は約10万4000点で、総治療費は約104万円です。保険診療が適用されるため、3割負担の場合の自己負担額は約30〜35万円となります。

小線源療法のメリットは、入院期間が3泊4日程度と短く、社会復帰が早いことです。また、性機能の温存率が高いことも特徴の一つです。

陽子線治療・重粒子線治療の費用

前立腺がんに対する粒子線治療(陽子線治療・重粒子線治療)は、2018年4月から限局性および局所進行性前立腺がん(転移を有するものを除く)に対して保険適用となっています。

陽子線治療の費用

2025年4月現在、保険診療での陽子線治療費は前立腺がんの場合160万円です。3割負担の場合、自己負担額は約48〜50万円となります。治療回数は施設により異なりますが、通常20〜40回程度の照射が行われます。

陽子線治療は、通常のX線よりも線量の集中性が高く、周囲の正常組織への影響を抑えながら前立腺に高線量を照射できる特徴があります。全国14施設で治療を受けることができます。

重粒子線治療の費用

重粒子線治療も前立腺がんに対して保険適用となっています。保険診療での治療費は160万円で、陽子線治療と同額です。3割負担の場合の自己負担額は約48〜50万円となります。

重粒子線治療は陽子線よりもさらに生物学的効果が高く、短期間での治療完了が可能です。ただし、実施できる施設は限られており、治療を受けるまでの待機期間が長くなることもあります。

高額療養費制度の活用

前立腺がんの放射線治療では、治療費が高額になるため、高額療養費制度を活用することで自己負担額を大幅に軽減できます。2026年8月からこの制度に改定が予定されていますので、最新の情報を理解しておくことが重要です。

高額療養費制度とは

高額療養費制度は、1か月(1日から月末まで)の医療費の自己負担額が一定の限度額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。限度額は年齢と所得によって異なります。

69歳以下の方の場合、2026年1月現在の所得区分は主に5つあり、年収約370万円から770万円の方(標準報酬月額28万〜50万円)の自己負担限度額は、1か月あたり8万100円+(総医療費-26万7000円)×1%となっています。

2026年8月からの制度改定

2025年12月に決定された改定では、2026年8月から段階的に自己負担限度額が引き上げられることになりました。まず2026年8月には、全所得区分で4〜7%程度の引き上げが行われます。

年収約370万〜770万円の方の場合、月の上限額は現在の約8万円から約8万6000円程度に引き上げられる見込みです。さらに2027年8月には所得区分が現在の4区分から12区分に細分化され、年収約650万〜770万円の新設区分では上限額が月約11万円程度となる予定です。

多数回該当と年間上限の導入

重要なのは、長期療養者への配慮として、年4回以上高額療養費制度を利用する「多数回該当」の限度額は据え置かれることです。また、新たに年間上限も導入されます。

年収約200万〜770万円の層では、年間上限が53万円(月平均約4万4000円)に設定される予定です。これにより、長期にわたる治療を受ける患者さんの負担が一定額に抑えられることになります。

限度額適用認定証の活用

高額療養費制度を利用する際、事前に「限度額適用認定証」を取得しておくと、医療機関の窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられます。後日の払い戻し手続きが不要になるため、一時的な支払い負担を軽減できます。

認定証は、加入している健康保険組合、協会けんぽ、国民健康保険などに申請して取得します。また、マイナ保険証を利用すれば、オンライン資格確認に対応している医療機関では認定証の提示が不要になります。

各治療法の費用と治療期間の比較

前立腺がんの放射線治療を選択する際、費用だけでなく治療期間や通院の負担も考慮する必要があります。以下の表で主な治療法を比較します。

治療法 総治療費 3割負担時の自己負担額 治療回数 治療期間
IMRT(38〜39回) 約136万円 約40〜45万円 38〜39回 約7〜8週間
IMRT短期照射(15回) 約90〜100万円 約27〜30万円 15回程度 約3週間
SBRT(定位照射) 約63万円 約19万円 5回 約2週間
小線源療法 約104万円 約30〜35万円 1回(入院) 3泊4日
陽子線治療 160万円 約48〜50万円 20〜40回 約4〜8週間
重粒子線治療 160万円 約48〜50万円 12〜16回 約3〜4週間

表に示した自己負担額は、高額療養費制度を適用する前の単純な3割負担額です。実際には、高額療養費制度を利用することで、さらに負担を軽減できます。

治療費以外にかかる費用

放射線治療の費用を考える際、治療費本体以外にもいくつかの費用がかかることを念頭に置く必要があります。

通院にかかる費用

外来で放射線治療を受ける場合、治療期間中の通院にかかる交通費も考慮する必要があります。IMRTで38回通院する場合、往復の交通費が積み重なると相当な金額になることがあります。

遠方から通院する場合は、近隣のホテルや宿泊施設を利用することも検討する必要があるかもしれません。一部の医療機関では、患者さん向けの宿泊施設を用意している場合もあります。

検査費用

治療前の各種検査(CT、MRI、骨シンチグラフィーなど)や、治療中・治療後の経過観察のための検査費用も別途かかります。これらも保険診療の対象となりますが、初診料、再診料なども含めて計画しておくことが大切です。

ホルモン療法を併用する場合

中リスク以上の前立腺がんでは、放射線治療と併用してホルモン療法が行われることがあります。ホルモン療法の期間は数か月から数年に及ぶこともあり、薬剤費が別途かかります。

ホルモン療法の費用は使用する薬剤や治療期間によって大きく異なりますが、月数万円程度かかることが一般的です。長期間継続する場合は、この費用も治療計画に含めて考える必要があります。

治療費の支払い方法と時期

放射線治療の費用は、治療方法や医療機関によって支払いのタイミングが異なります。外来でIMRTやSBRTを受ける場合、通常は各回の治療後に支払いが発生します。

小線源療法のように入院が必要な場合は、退院時に入院費用とまとめて精算することが一般的です。陽子線治療や重粒子線治療では、初回照射日に治療費の一括支払いを求められることもあります。

高額療養費制度の払い戻しは、診療月の2〜3か月後になることが多いため、一時的な支払いに備えて準備しておくことが重要です。ただし、限度額適用認定証を事前に提出すれば、窓口での支払いを限度額までに抑えることができます。

医療機関選択のポイント

前立腺がんの放射線治療を受ける医療機関を選ぶ際、費用も重要な要素ですが、それだけで決めるべきではありません。治療実績、医療スタッフの経験、設備の充実度なども総合的に考慮する必要があります。

特にIMRTやSBRTなどの高精度放射線治療では、治療計画の質や照射の正確性が治療成績に影響します。治療実績が豊富で、専門の放射線腫瘍医と医学物理士が常駐している施設を選ぶことをおすすめします。

また、通院の利便性も重要です。治療期間が数週間に及ぶ場合、無理なく通院できる距離にある医療機関を選ぶことで、治療を継続しやすくなります。

治療費に関する相談先

治療費について不安がある場合は、医療機関の医療相談室やソーシャルワーカーに相談することができます。高額療養費制度の申請方法や、医療費の支払いが困難な場合の対応策などについて、専門的なアドバイスを受けられます。

また、加入している健康保険組合や市区町村の国民健康保険窓口でも、高額療養費制度について詳しい説明を受けることができます。治療開始前に相談しておくことで、スムーズに制度を利用できます。

民間の医療保険の活用

がん保険や医療保険に加入している場合、放射線治療に対する給付金を受けられることがあります。保険の契約内容によって給付の条件や金額が異なるため、治療開始前に保険会社に確認しておくことをおすすめします。

放射線治療は入院を伴わない外来治療が中心ですが、外来での放射線治療に対しても給付金が支払われる保険商品もあります。また、診断給付金や通院給付金なども活用できる場合があります。

治療費負担を軽減するための準備

前立腺がんの放射線治療を受けることが決まったら、経済的な準備も含めて計画的に進めることが大切です。治療方法が決まった段階で、概算の費用を医療機関に確認しましょう。

高額療養費制度を利用する場合は、限度額適用認定証を早めに申請しておくことで、窓口での一時的な支払い負担を軽減できます。また、加入している医療保険の給付内容も確認し、必要な書類の準備を進めておくとスムーズです。

治療期間中の通院費用や、仕事を休む必要がある場合の収入減少なども考慮に入れて、総合的な資金計画を立てることをおすすめします。不安な点は医療機関のソーシャルワーカーや、がん相談支援センターで相談することができます。

前立腺がんの放射線治療は、技術の進歩により治療成績が向上し、副作用も少なくなってきています。費用面での不安を解消し、安心して治療に臨めるよう、利用できる制度や支援を積極的に活用していきましょう。

参考文献・出典情報

本記事の作成にあたり、以下の情報源を参考にしました。

東京大学医学部附属病院 放射線科 - 前立腺癌(5日間)

京都大学医学部附属病院 放射線治療科 - 前立腺がん

国保旭中央病院 - 放射線治療のよくある質問

国立がん研究センター東病院 - 診療について

前立腺がんの小線源療法 - QLife

QST病院 - 重粒子線治療の費用について

厚生労働省 - 高額療養費制度の見直しについて(令和7年12月)

厚生労働省 - 診療報酬点数表(第12部 放射線治療)

広島がん高精度放射線治療センター - 治療の費用について

多根総合病院 - 放射線治療の費用

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本村ユウジ
本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

しかしあなたは、がんに勝たねばなりません。

共存(引き分け)を望んでも、相手はそれに応じてくれないからです。

幸せな日々、夢、希望、大切な人を守るには勝つしかないのです。

では、がんに勝つにはどうすればいいのか?

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