がんという病気と向き合っているとき、
体力が落ち、不安が募る中で、心の支えを求める方が多くいます。
そんなとき、祈りの場所として多くのがん患者さんやご家族が訪れるのが、
奈良県の天川村にある**天河大辨財天社（通称：天河神社）**です。
この神社は、日本三大弁財天のひとつとして知られ、
「命」「音」「癒し」に深く結びついた祈りの聖地。
この記事では、天河神社の歴史と、
「がん回復祈願」や「癌平癒のお守り」として知られる**五十鈴守（いすずまもり）**について詳しく紹介します。
天河神社とはどんな神社か？
奈良・吉野の山奥、標高約800メートルの場所に鎮座する天河神社は、1300年以上の歴史を持つ神社です。
主祭神は市杵島姫命（いちきしまひめのみこと）。
弁財天とも呼ばれ、水の神様・芸能の神様としても有名ですが、実は「命を守る女神」としても知られています。
古くから修験道や山岳信仰と結びついており、
天河神社のある天川村は「呼ばれた人しかたどり着けない」と言われる神秘の地でもあります。
静寂に包まれた山の中で手を合わせることで、
がん患者さんやご家族が心の奥から癒されたと語るケースも多くあります。
がん患者さんのための祈願はできるのか？
天河神社では、個別のご祈祷を受け付けており、
「病気平癒」「身体健全」「癌平癒」などの祈願が可能です。
祈祷申込時に具体的な願意を記入することができ、
「抗がん剤治療の無事」「手術の成功」「がん再発の防止」など、個々の状況に合わせた祈りを届けることができます。
初穂料は5,000円からで、祈祷は事前予約制。希望者は2日前までに電話や現地受付で申し込む必要があります。
また、祈祷後には神札とお守りが授与され、自宅での祈りの時間を持つこともできます。
癌平癒に効くとされる「五十鈴守（いすずまもり）」
天河神社を訪れた多くのがん患者さんが手にするのが
「五十鈴守（いすずまもり）」と呼ばれる御守です。
これは単なる護符ではなく、「命のバランスを整える鈴」として長く信仰されてきました。
五十鈴は、日本神話の「天岩戸開き」の場面で、
天宇受売命（あめのうずめのみこと）が神前で振ったことに由来します。
この鈴には、「魂を鎮め、整え、力を取り戻す」作用があるとされ、
がん患者さんにとって“いのち守”のような存在となっています。
五十鈴守にはいくつかの種類があります。
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根付けタイプ（金または銀）
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チョーカータイプ（首から下げられる）
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スタンド型（ベッドサイドに置く）
いずれも初穂料は3,000〜4,000円程度。
静かで澄んだ音色は、身体だけでなく心の奥深くにも響きます。
「この音を聞くと安心する」「病院でもポケットに入れて持ち歩いている」というがん患者さんの声もあります。
天河神社の癒しの力は“環境”にもある
天河神社ががん患者さんやご家族に選ばれる理由は、祈祷や御守りだけではありません。
神社が持つ「空気」や「自然環境」そのものが、人の心を穏やかに整えてくれるのです。
境内は木々に囲まれ、小川が流れ、鳥の声が響く静かな世界です。
山の水が清らかに流れる音、朝霧が漂う神殿、そして神職が毎朝奏上する「大祓詞」の響き。
これらの要素が組み合わさることで、まるで“体の奥が整う”ような感覚を体験できる方も少なくありません。
がん治療において心の安定は不可欠です。
副作用や不眠、不安感が続く中で、こうした自然の力が大きな支えとなります。
天河神社へのアクセスと注意点
天河神社は奈良県の山奥にあり、アクセスには少し時間がかかります。
近鉄「下市口駅」から奈良交通バスで約1時間
「天河大弁財天社前」バス停で下車し、徒歩すぐの場所です。
ただし、バスの本数が少なく、冬季は天候によっては運休もあるため、事前にスケジュール確認が必須です。
また、体力に不安があるがん患者さんや高齢の方は、現地に宿泊して無理のない計画を立てるのが安心です。
車で訪れる場合は、吉野・天川方面の山道を走ることになります。
くねくねとした峠道が続くため、車酔いしやすい方はご注意ください。
がん患者さんにとっての「祈り」とは
天河神社で祈るがん患者さんの多くは
「祈れば病気が治る」と信じているわけではありません。
それでも、祈るという行為には
「自分を整える力」「もう一度がんばろうと思えるきっかけ」が確かに存在します。
祈ることで「治療を受け入れる心構えが整った」
五十鈴の音を聞くことで「不安な気持ちが落ち着いた」
神社で手を合わせることで「家族への感謝を思い出せた」
そんな体験が、がんという長い闘病の中で、大切な支えになっていきます。
まとめ｜五十鈴守は“がん患者さんの心の杖”
天河神社は、決して「がん専門」の神社ではありません。
しかし、命の源に響く祈りと、
五十鈴守という音の御守りを通して、多くのがん患者さんの心に寄り添ってきた場所です。
遠方ではありますが、もし今「もう少し頑張れる力がほしい」と感じている方がいれば、
この神社の祈りの空間と、五十鈴の音色を思い出してみてください。
施設情報
天河大辨財天社（てんかわだいべんざいてんしゃ）
所在地：奈良県吉野郡天川村坪内107
アクセス：近鉄「下市口駅」→奈良交通バスで約60分、「天河大弁財天社前」下車
祈祷受付：9:00〜14:30（2日前までに予約） 初穂料5,000円〜
授与品：五十鈴守（根付け、チョーカー、スタンド型）／病気平癒祈祷札／芸能守 など
公式HP：https://www.tenkawa-jinja.or.jp
