はじめに「癌封じ」とは
がん治療専門アドバイザーの本村です。
これから四国地方（徳島県、香川県、愛媛県、高知県）のお寺や神社へ、がん封じやがん平癒（治ること）、病気平癒を祈願したいと考えている方に、候補となる場所を紹介したいと思います。
四国地方といえば、弘法大師空海ゆかりの四国八十八箇所霊場巡り（お遍路）が有名です。その中には薬師如来を祀り、病気平癒のご利益があるとされるお寺も数多くあります。
私はプロとしてがんに関するアドバイザー活動をしていますが、近年は特に治療が長引いたり、過酷な治療が連続したりすることが増えています。初詣のときだけでなく、お参りに行きたい、祈願に行きたい、というシーンも増えると思いますので参考にしていただければと思います。
重要ポイント「癌封じ」と「病気平癒」について
そもそも「癌封じ」という言葉は「（がんでない人が）がんにならないこと」を願う祈願です。厳密にはもう一つ「癌平癒」という言葉があり、これががんを治すことを意味する言葉です。
しかし「癌封じ」という言葉のほうが一般的で、その解釈が少し広まり、「再発を防ぐ」「転移を防ぐ」「手術や抗がん剤の治療の成功」「もう二度とがんにならない」ことを祈願する意味も含むようになりました。
ですので「癌封じ」イコール、がんを治すことやがんに関する治療が成功する祈願であり、なおかつ克服する祈願も含む、と捉えてよいと思います。
いっぽう、がんという病気に特化せずとも、お寺や神社への祈願項目としては「病気平癒」が一般的です。病気ですので、もちろんがんや肉腫なども含みます。
ですので、がん闘病に関して祈願したり、お守りを授与してもらったりするうえでは、「癌封じ」の項目を挙げている寺社にこだわらずとも、病気平癒のご利益があると言われる寺社へ参拝することでじゅうぶん目的は達成されます。
というわけで、以下の四国地方の情報では、「癌封じ」の祈願やお守りがあるところはもちろん、病気平癒のご利益があるといわれている有名な場所についても取り上げています。今後、参拝される場所の参考になればと思います。
徳島県のがん封じ、病気平癒祈願におすすめのお寺・神社
徳島県は四国八十八箇所霊場の出発点であり、1番札所から23番札所までがあります。その中には薬師如来を祀るお寺が多く、病気平癒の祈願に適した場所がいくつもあります。
平等寺（びょうどうじ）
四国八十八箇所霊場の第22番札所です。阿南市にある真言宗高野派のお寺で、山号は白水山、院号は医王院といいます。
本尊は薬師如来で、「厄除薬師」として古くから信仰を集めてきました。弘法大師が開基したとされる由緒あるお寺です。
平等寺には毎月8日に行われる「薬師如来増益護摩供」があります。これは、護摩を焚き、癌からの回復や治療の成功をはじめ、病気平癒や身心安穏、延命を願うという真言宗などに伝わる成就法です。
「護摩」とはサンスクリットの「ホーマ」が由来で意味は「物を焼く」です。焼くことで生まれる火、炎に大きな意味があり、炎＝仏の智慧の象徴とされています。また、炎により煩悩や罪障を焼き尽くすとされ、それにより福徳を生み出すために行われます。
薬師如来増益護摩供は、2,000円から受けることができます（一座祈祷＝一度の祈祷を行う＝2,000円）。
- 住所：徳島県阿南市新野町秋山177
- 電話番号：0884-36-3522
薬王寺（やくおうじ）
四国八十八箇所霊場の第23番札所で、徳島県（阿波）最終札所になります。美波町にある高野山真言宗の別格本山で、厄除けのお寺として全国的に有名です。
無量寿院医王山の由来は、無限の生命を伝え、医の王である薬師如来を祀るということにあります。こちらも平等寺と同じく薬師如来を祀る寺院で、「厄除けの薬師如来」として有名です。
お遍路以外の参拝者も多く、徳島県南部においては正月の初詣客がもっとも多いお寺です。日和佐の町と海が一望でき、夏の新緑、秋の紅葉が美しいことで知られ、自然が豊かなお寺でお遍路のお寺でも特に人気の高い場所です。
建立は726年、奈良時代の高僧、行基によるもので、その後弘法大師空海が本尊の薬師如来を彫り、祀ることで開基されました。
特に目立つ赤い塔は瑜祇塔（ゆぎとう）といわれる建物で、1963年に建てられたものです。厄除けの祈祷が有名ですが、病気平癒の祈祷も受けることができます。
厄除けや健康祈願、病気平癒のお守りなど多数の種類が授与されています。
- 住所：徳島県海部郡美波町奥河内字寺前285-1
- 電話番号：0884-77-0023
- 参拝可能時間：7:00～17:00（寺務所）
- 最寄り駅：JR四国牟岐線 日和佐駅下車（0.4km）
- 車でのアクセス：徳島ICから100分
- 駐車場：無料駐車場あり（500台）
霊山寺（りょうぜんじ）
鳴門市にある四国八十八箇所霊場の第1番札所です。真言宗高野派のお寺で、山号は竺和山、院号は一乗院といいます。
四国八十八箇所霊場巡りの出発点として、多くのお遍路さんが訪れるお寺です。お遍路の旅の安全と無事、そして願いが叶うことを祈願します。
本尊は釈迦如来ですが、縁結び、厄除け、病気平癒、身体健全のご利益があるとされています。境内は広く、多宝塔や鐘楼など見どころも多いお寺です。
病気平癒の祈祷を受けることができます。お遍路用品もここで揃えることができるので、これから巡礼を始める方にとっても便利な場所です。
- 住所：徳島県鳴門市大麻町板東字塚鼻126
- 電話番号：088-689-1111
大麻比古神社（おおあさひこじんじゃ）
鳴門市にある阿波國一宮です。地元の人々からは「おおあさはん」と親しみをこめて呼ばれています。
方除け、厄除け、交通安全、安産のパワースポットとして知られていますが、縁結び、病気平癒、身体健全のご利益もあるとされています。四国霊場第1番札所の霊山寺にも近く、お遍路の旅の無事を祈願する人も多く訪れます。
- 住所：徳島県鳴門市大麻町板東字広塚13
香川県のがん封じ、病気平癒祈願におすすめのお寺・神社
香川県は四国八十八箇所霊場の札所が多くあり、お遍路で参拝者が多く、小さなお寺でもしっかり対応してくれるところが多いです。
與田寺（よだじ）
東かがわ市にある真言宗善通寺派のお寺です。四国八十八箇所霊場の第88番札所である大窪寺の奥の院とされています。
「厄除けの寺」として有名で、本堂右側に「厄除階段」というものがあります。この石の階段は、厄年の歳の数だけ小銭を供えながら階段をのぼっていくと、厄除けのご利益があるといわれています。石段の下には厄除けのお経が刻まれています。
香川県には「さぬき七福神」があり、それぞれの福神を異なる寺社で祀っているのですが、與田寺の境内には「寿老人（じゅろうじん）」の像があります。寿老人は長寿を授ける神とされています。
「無病息災」「延命長寿」「ぼけ封じ」にご利益があるといわれています。
祈祷とは「お祓いをうけ、仏に願意を伝える」ことです。與田寺では個人向けの祈祷を受けることができます。受け付けにて住所氏名、願意（厄除開運、商業繁栄、試験合格、交通安全などがありますが、癌闘病中の方は「病気平癒」を選ぶのがよいでしょう）を記入して祈願料を支払って申し込みます。
與田寺では、「身体健全・身代り守」というお守りをいただくことができます。表面には折り紙などで作られたような人形があしらわれており、とてもかわいいお守りです。
- 住所：香川県東かがわ市中筋466
田村神社（たむらじんじゃ）
高松市にある讃岐國一宮です。地元の人達から「一宮さん」と呼ばれ、昔から親しまれています。
迫力のある大きな鳥居や広い境内があり、神社の中には龍神様や七福神、十二支など実にたくさんの神様が祀られています。まるでテーマパークのような面白い神社という口コミが多く、見る楽しみも味わえます。
「田村神社（たむらじんじゃ）」の起源は古く、709年（和銅2年）に社殿が創建されたと伝えられています。田村神社の奥殿には深淵があり、これが御神体として人々に崇められてきました。この淵があることで、殿内は夏でも凄冷の気が満ちていてとても神秘的です。
田村神社には医学の神ともいわれる「少名毘古那神（すくなひこなのかみ）」を祀った「素婆倶羅社（そばくらしゃ）」があり、病気平癒や身体健康のご利益があるとされています。
薬師如来が仏教における医薬の仏なら、少名毘古那神は日本神話における医薬の神です。まじないなどの多彩な能力を有したとされ、「薬祖神」として古来より篤く信仰され、病気平癒の祈願の対象となってきました。
田村神社の主祭神に参拝すると同時に、素婆倶羅社を訪れ参拝するのがよいと思います。
神社での祈祷は、神職（宮司さん）によるお祓いを受けて願意を伝えます。願意は様々なものから選べますが、癌闘病中や、手術や抗がん剤などの治療の成功を祈願する場合は「身体健康」「病気平癒」のいずれかがよいと思います。
- 住所：香川県高松市一宮町286
- 電話番号：087-885-1541
- 最寄り駅：高松琴平電気鉄道（ことでん）琴平線の「一宮駅」下車、徒歩で10分程
金刀比羅宮（ことひらぐう）
琴平町にある「こんぴらさん」の愛称で親しまれる神社です。お土産物店やうどんの店などが立ち並ぶ長い石段の参道を登っていくと、広い境内に御本宮があります。
海上交通の守り神として古くから信仰を集めてきましたが、病気平癒のご利益もあるとされています。本宮まで785段、奥社まで1,368段の石段があり、参拝には体力が必要ですが、それだけに達成感もあります。
- 住所：香川県仲多度郡琴平町892-1
- 電話番号：0877-75-2121
愛媛県のがん封じ、病気平癒祈願におすすめのお寺・神社
愛媛県には四国八十八箇所霊場の第40番札所から第65番札所までがあり、病気平癒にゆかりの深いお寺が多くあります。
石手寺（いしてじ）
松山市にある四国八十八箇所霊場の第51番札所です。真言宗豊山派のお寺で、山号は熊野山、院号は虚空蔵院といいます。
本尊は薬師如来で、病気平癒のご利益があるとされています。寺名の由来は、弘法大師が右手に石を握りしめて生まれた子供にまつわる伝説から来ています。
境内には国宝の二王門をはじめ、多くの重要文化財があり、見どころが多いお寺です。また、弘法大師が自ら彫ったとされる「衛門三郎像」があり、この像を撫でると病気平癒のご利益があるとされています。
このお守りで、気になるところや痛いところをさすると様々な御利益が受けられるとして信仰されています。
- 住所：愛媛県松山市石手2-9-21
- 電話番号：089-977-0870
観自在寺（かんじざいじ）
愛南町にある四国八十八箇所霊場の第40番札所です。平城山の山号を持つ真言宗大覚寺派のお寺です。
宇和島海に面した最南端の札所であり、一番霊山寺から一番遠くにあるため「四国霊場の裏関所」とも呼ばれています。
「平城山 観自在寺」は、807年に弘法大師が平城天皇の勅命を受けて、本尊薬師如来・脇仏阿弥陀如来・十一面観音の三尊像を造り安置して創建されました。本尊は薬師如来で、病気平癒のご利益があります。
住宅地の中にありますが、落ち着いた雰囲気で静かにゆっくりと参拝できます。無料駐車場からはすぐに参道まで行けて、階段なども少ないから誰でも行きやすいです。
昭和53年に安置された「八体仏十二支守り本尊」という石の彫刻があります。千手観音菩薩（子年）、虚空蔵菩薩（丑・寅年）文殊菩薩（卯年）、普賢菩薩（辰・巳年）、勢至菩薩（午年）、大日如来（未・申年）、不動明王（酉年）、阿弥陀如来（戌・亥年）が彫られています。
自分の干支の守り本尊に、参拝者はお水をかけて自分の願いを成就させることができます。
- 住所：愛媛県南宇和郡愛南町御荘平城2253-1
石鎚神社（いしづちじんじゃ）
西条市にある神社で、石鎚山を御神体とする山岳信仰の神社です。日本七霊山の一つである石鎚山（標高1,982m）は、西日本最高峰の山として知られています。
石鎚神社には本社、中宮成就社、頂上社、土小屋遥拝殿の4つの社があります。本社は西条市西田にあり、アクセスしやすいです。
石鎚山は古くから山岳修験道の霊場として知られ、当病平癒（とうびょうへいゆ＝現在患っている病気が治ること）や願望成就のご利益があると伝えられています。
愛媛県のパワースポットといわれる神社で、病気平癒の祈祷を受けることができます。病気平癒守も授与されています。
- 住所：愛媛県西条市西田甲797
- 電話番号：0897-55-4044
高知県のがん封じ、病気平癒祈願におすすめのお寺・神社
高知県は四国八十八箇所霊場の札所となっている寺院が16か所あるなど、古来も現代も信仰が根差した土地柄です。
金剛頂寺（こんごうちょうじ）
室戸市にある四国八十八箇所霊場の第26番札所です。真言宗豊山派のお寺で、山号は龍頭山、院号は光明院といいます。
土佐湾につき出した小さな岬＝行当岬にあり、創建は807年。弘法大師・空海が開山した由緒ある寺院です。遍路寺は小さなお寺が多いですが、金剛頂寺の寺域（主に原始林）は3万㎡以上あり、境内も広く堂も複数あります。
金剛頂寺には「がん封じの御霊木」といわれる大きな椿の木があります。この木を撫でるとがんを封じることができるとされており、「がん封じの御霊木」として祀られています。このような癌にゆかりのある霊木があるのは四国でも金剛頂寺だけです。
お遍路さんの多くはこの霊木を撫でていくので、木は磨かれたようにつるつるしています。
個人向けの祈願を受けることができます。願意としては厄除祈願、身体健全など様々ですが、癌闘病中の方で回復を願ったり、手術の成功などを願う場合は「病気平癒」祈願がよいです。法事の際などは実施できない日時もあるため参拝日が決まっていれば事前に問合せしてみましょう。
金剛頂寺には何種類かのお守りがありますが、癌封じのお守りとして知られているのは「がん封じ椿守」です。
- 住所：高知県室戸市元乙523
- 電話番号：0887-23-0026
竹林寺（ちくりんじ）
高知市にある四国八十八箇所霊場の第31番札所です。真言宗智山派の別格本山で、山号は五台山といいます。
本尊は文殊菩薩ですが、境内には四国霊場で唯一の五重塔があり、また客殿には書院造の名勝庭園があることで知られています。
知恵の仏として知られる文殊菩薩を本尊としていますが、病気平癒の祈祷も受けることができます。
- 住所：高知県高知市五台山3577
- 電話番号：088-882-3085
土佐神社（とさじんじゃ）
高知市にある土佐國一宮です。地元では「しなねさま」と親しまれています。
創建は不詳ですが、古くは雄略天皇の時代（5世紀後半）に遡るといわれています。土佐の総鎮守として古くから信仰を集めてきました。
願意は必勝祈願や家内安全などがありますが、癌闘病中の方や治療の成功を願う場合は「病気平癒」の願意がよいと思います。事前連絡が必要のため、9:00～16:00の間に問い合わせしましょう。初穂料（祈願料）は5,000円からです。
- 住所：高知県高知市一宮しなね2-16-1
- 電話番号：088-845-1096
- 参拝可能時間：社務所9:00～16:00
- 最寄り駅：土佐一宮駅から徒歩15分
- 車でのアクセス：高知ICより約5分
- 駐車場：無料の駐車スペースが10台分ほど
四国地方の各県の特徴まとめ
四国地方の最大の特徴は、なんといっても四国八十八箇所霊場巡りです。弘法大師空海ゆかりの札所を巡ることで、心身ともにリフレッシュできます。以下に簡単に整理します。
| 県名 | 代表的な寺社 | 特徴 |
|---|---|---|
| 徳島県 | 平等寺、薬王寺、長善寺、大麻比古神社 | 四国八十八箇所霊場の出発点。薬師如来を祀るお寺が多く、護摩供など本格的な祈祷が受けられる。 |
| 香川県 | 與田寺、田村神社、金刀比羅宮 | 医薬の神・少名毘古那神を祀る神社あり。厄除けの寺や七福神巡りなど多様な信仰の形がある。 |
| 愛媛県 | 石手寺、観自在寺、石鎚神社 | 弘法大師ゆかりの寺が多い。西日本最高峰の石鎚山を御神体とする山岳信仰の神社もある。 |
| 高知県 | 金剛頂寺、竹林寺、土佐神社 | がん封じの御霊木がある金剛頂寺が有名。土佐國一宮など格式高い神社もある。 |
お遍路と病気平癒
四国八十八箇所霊場巡りは、弘法大師空海の足跡を辿る巡礼の旅です。全行程は約1,200キロメートルにもなり、歩いて回ると40日から50日かかります。
近年は車やバスで回る人も増えていますが、体調が許せば一部だけでも歩いてみることをおすすめします。自然の中を歩くことで心が落ち着き、前向きな気持ちになれることも多いです。
お遍路さんの中には、病気平癒を願って巡礼する人も多くいます。すべての札所を回らなくても、近くの札所だけを参拝するのもよいでしょう。
お遍路の基本
お遍路を始めるには、白衣（びゃくえ）、菅笠（すげがさ）、金剛杖（こんごうづえ）、数珠、納め札などを用意します。これらは札所や遍路用品店で購入できます。
各札所では、本堂と大師堂の両方にお参りします。般若心経などのお経を唱えますが、唱えられない場合は手を合わせて静かに祈るだけでも大丈夫です。
お遍路は「同行二人（どうぎょうににん）」といわれ、常に弘法大師と一緒に歩いているという意味があります。一人で歩いていても、大師様が見守ってくださっているという安心感があります。
参拝する際のポイント
四国地方の寺社を参拝する際は、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
1. 祈祷を受けるか、お守りを授与してもらうか
一般的な参拝（お賽銭を入れて拝む）だけでなく、僧侶や神職による祈祷を受けることもできます。祈祷は予約不要で当日受けられる寺社が多いですが、法事などで実施できない日時もあるため、事前に電話で確認しておくと安心です。
祈祷料は寺院では「お布施」や「祈祷料」、神社では「初穂料」といい、2,000円から5,000円程度が一般的です。祈祷を受けると、お守りや御札を授与してもらえることが多いです。
遠方で祈祷を受けに行けない場合は、お守りだけを授与してもらうこともできます。お守りは500円～1,500円程度のものが多いです。
2. 四国八十八箇所霊場の特徴
四国八十八箇所霊場のお寺は、どこも歴史が古く、弘法大師ゆかりの由緒ある寺院です。薬師如来を本尊とするお寺が多く、病気平癒のご利益があるとされています。
札所には納経所があり、御朱印をいただくことができます。御朱印帳を持参するか、現地で購入することもできます。御朱印は参拝の証であり、記念にもなります。
3. 交通アクセスを事前に確認
四国地方の寺社の中には、山の中や郊外にあるところもあります。車でのアクセスが便利な場所も多いですが、公共交通機関を利用する場合は、バスの本数が少ないこともあるので、事前に時刻表を確認しておきましょう。
特に高知県の金剛頂寺のように岬にあるお寺は、アクセスに時間がかかることがあります。余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。
4. 参拝可能時間に注意
寺社によって参拝可能時間や納経所（授与所）の開所時間が異なります。特に祈祷を受けたい場合は、受付時間が16時までなど早めに終了することもあるので、午前中か午後早い時間に訪れるのがおすすめです。
5. 服装と持ち物
参拝時の服装は、カジュアルでも問題ありませんが、清潔で失礼のない服装を心がけましょう。祈祷を受ける場合は、できるだけきちんとした服装が望ましいです。
階段が多い寺社もあるので、歩きやすい靴を履いていくことをおすすめします。また、夏は日差しが強いので、帽子や日傘、飲み物を持参するとよいでしょう。
四国地方の寺社参拝のモデルコース
四国地方を訪れる際の、病気平癒を祈願する寺社参拝のモデルコースをいくつか提案します。
徳島県1日コース
午前：平等寺（第22番札所）で薬師如来に参拝、可能であれば8日の護摩供に参加
午後：薬王寺（第23番札所）で厄除けと病気平癒を祈願
夕方：日和佐の海岸を散策してリフレッシュ
香川県1日コース
午前：田村神社で少名毘古那神を祀る素婆倶羅社に参拝
午後：金刀比羅宮の長い石段を登って本宮へ参拝
夕方：讃岐うどんを楽しむ
愛媛県1日コース
午前：石手寺（第51番札所）で弘法大師が彫った衛門三郎像を撫でる
午後：道後温泉で疲れを癒す
夕方：松山城を眺めながら散策
高知県1日コース
午前：金剛頂寺のがん封じの御霊木を撫でる
午後：室戸岬の絶景を楽しむ
夕方：土佐神社で病気平癒の祈祷を受ける
四国一周2泊3日コース
1日目：徳島県の平等寺、薬王寺を参拝後、高知県へ移動
2日目：高知県の金剛頂寺、竹林寺、土佐神社を参拝後、愛媛県へ移動
3日目：愛媛県の石手寺、観自在寺を参拝後、香川県の田村神社へ
このように、体調や時間に合わせて無理のないコースを組むことが大切です。
四国地方の寺社参拝の心構え
四国地方の寺社を参拝する際は、以下のような心構えで臨むとよいでしょう。
1. 焦らず、無理をしない
がん闘病中や治療後は体調が安定しないこともあります。無理をせず、自分のペースで参拝することが大切です。すべての札所を回ろうと焦る必要はありません。
2. 感謝の気持ちを持つ
お願いごとをするだけでなく、今ここに参拝できていることへの感謝の気持ちも大切にしましょう。感謝の気持ちを持つことで、心が穏やかになります。
3. 自然を感じる
四国の寺社は自然豊かな場所にあることが多いです。木々の緑、鳥のさえずり、風の音など、自然を感じながら参拝することで、心身ともにリフレッシュできます。
4. 一期一会の精神
お遍路では、道中で出会う人々との交流も大切にされています。他の参拝者や地元の人々との一期一会の出会いを大切にしましょう。
おわりに
四国地方には、弘法大師空海ゆかりの四国八十八箇所霊場をはじめ、病気平癒や健康長寿のご利益があるとされる寺社が数多くあります。
薬師如来を本尊とするお寺が多く、医薬の神を祀る神社もあります。特に四国八十八箇所霊場のお寺は、どこも歴史が古く、多くのお遍路さんが訪れる場所です。
寺社に参拝するのは「自分ではどうしようもないことも多い癌という病気に関して、何かできることはないか。気持ちも落ち着くのではないか」という願いからだと思います。
そのような気持ちならどの仏、どの神、どの寺社に参拝してもよいと思うのですが、せっかく参拝するなら病気平癒や健康長寿にご利益がある、といわれている寺社のほうが前向きになれると思います。
この記事が、四国地方で癌封じや病気平癒の祈願をしたいと考えている方の参考になれば幸いです。
がん闘病は長期にわたることも多く、心身ともに疲弊することもあります。寺社への参拝が、少しでも心の支えになり、治療に向き合う力になることを願っています。
四国の豊かな自然の中で、心静かに祈りを捧げることで、きっと新たな力が湧いてくるはずです。お遍路という巡礼の旅を通じて、心身ともにリフレッシュし、前向きな気持ちで日々を過ごしていただければと思います。
