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こんにちは。17年間の活動実績を持つ、
「プロのがん治療専門アドバイザー」本村ユウジです。
がんを治すために必要なことは、たった1つです。
詳しくはこちらのページでお伝えさせてください。
→がんを治すための「たった1つの条件」とは?
クリゾチニブ(ザーコリ)はどのような薬剤か
こんにちは。がん治療専門アドバイザー、本村ユウジです。
クリゾチニブ(商品名:ザーコリ)は、ALK融合遺伝子またはROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに使用される分子標的薬です。従来の抗がん剤と異なり、がん細胞の増殖に関わる特定のタンパク質を狙い撃ちすることで治療効果を発揮します。
この薬剤の特徴は、ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)融合タンパク質やROS1融合タンパク質のチロシンキナーゼ活性を阻害し、がん細胞の増殖シグナルを遮断することにあります。
日本では2012年3月にALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対して承認され、2017年5月にはROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんにも適応が拡大されました。
経口投与が可能であるため、通院治療として使用できる点も大きなメリットといえます。投与にあたっては、事前にALK融合遺伝子またはROS1融合遺伝子の検査を行い、陽性であることが確認された患者さんに処方されます。
対象となるがんと投与対象患者
クリゾチニブの保険適用となるのは、以下の2つの条件を満たす患者さんです。
ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん
非小細胞肺がん患者さんの約3~5%にALK融合遺伝子変異が認められます。この遺伝子異常は比較的若年者や非喫煙者に多く見られる傾向があります。ALK融合遺伝子検査は、FISH法や免疫組織化学法、PCR法などで確認されます。
検査は十分な経験を有する病理医または検査施設で実施され、承認された体外診断薬を用いて行われます。ALK融合遺伝子陽性と判定された患者さんでは、クリゾチニブが高い治療効果を示すため、初回治療の選択肢の一つとなっています。
ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん
ROS1融合遺伝子は、非小細胞肺がん患者さんの約1~2%に認められる遺伝子異常です。ALK融合遺伝子と同様に、若年者や非喫煙者に多い特徴があります。
ROS1融合遺伝子検査も専門の医療機関で実施され、陽性が確認された患者さんに対してクリゾチニブの使用が検討されます。臨床試験では、ROS1融合遺伝子陽性の患者さんに対しても高い奏効率が報告されています。
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投与方法と投与スケジュール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投与経路 | 経口投与 |
| 標準投与量 | 1回250mgを1日2回 |
| 服用タイミング | 食事の有無にかかわらず服用可能(高脂肪・高カロリー食後は避けることが望ましい) |
| 投与継続 | 病勢進行または許容できない副作用が認められるまで継続 |
| 用量調整 | 副作用の程度に応じて200mg1日2回、または250mg1日1回に減量 |
服用上の注意点
毎日同じ時間帯に服用することで、血中濃度を安定させることができます。カプセルは割ったり砕いたりせず、そのまま水またはぬるま湯で服用してください。
飲み忘れた場合は、気づいた時点で1回分を服用します。ただし、次の服用時間まで6時間以内の場合は、その回の服用を控え、次回から通常のスケジュールで服用してください。2回分をまとめて服用することは避けてください。
グレープフルーツジュースなど、CYP3A4酵素の活性に影響を与える食品や飲料との併用は、薬剤の血中濃度を変化させる可能性があるため避けることが推奨されます。
クリゾチニブの治療効果と奏効率
ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がんにおける効果
国際共同第Ⅲ相試験(PROFILE 1014試験)では、前治療歴のないALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん患者さんを対象に、クリゾチニブと化学療法が比較されました。
独立判定委員会による評価では、無増悪生存期間の中央値はクリゾチニブ群で10.9ヵ月、化学療法群で7.0ヵ月でした。奏効率はクリゾチニブ群で74%、化学療法群で45%という結果が得られています。
また、1レジメンの化学療法歴を有する患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(PROFILE 1007試験)では、無増悪生存期間の中央値はクリゾチニブ群で7.7ヵ月、化学療法群で3.0ヵ月でした。奏効率はクリゾチニブ群で65%、化学療法群で20%と報告されています。
ROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺がんにおける効果
国際共同第Ⅱ相試験では、ROS1融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺がん患者さん127例(うち日本人患者さん26例)にクリゾチニブを投与した結果、独立判定委員会による奏効率は69%でした。
海外第Ⅰ相試験のROS1融合遺伝子陽性コホートでは、53例に対する奏効率が69.8%と報告されており、ALK陽性患者さんと同様に高い治療効果が確認されています。
効果発現までの期間と持続性
クリゾチニブの治療効果は、投与開始後数週間以内に現れ始めることが多く、多くの患者さんで腫瘍の縮小や症状の改善が観察されます。奏効期間の中央値は、臨床試験において11.3ヵ月と報告されています。
ただし、治療効果の持続期間には個人差があり、一部の患者さんでは2年以上にわたり病勢コントロールが可能なケースも報告されています。
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主な副作用と発現頻度
臨床試験では、クリゾチニブを投与された患者さんの95.6%に何らかの副作用が認められました。以下に主な副作用とその発現頻度を示します。
重大な副作用
| 副作用 | 発現頻度 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 間質性肺疾患 | 2.1% | 息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱など |
| 肝機能障害 | 33.9% | ALT上昇、AST上昇、ビリルビン上昇など |
| 劇症肝炎・肝不全 | 0.2% | 黄疸、倦怠感、食欲不振など |
| QT間隔延長 | 3.2% | 動悸、めまい、失神など |
| 徐脈 | 10.1% | 低血圧、失神、めまいなど |
| 好中球減少症 | 21.2% | 感染症のリスク増加 |
| 白血球減少症 | 14.3% | 感染症のリスク増加 |
| 心不全 | 0.2% | 息切れ、浮腫、体重増加など |
頻度の高い副作用
| 副作用 | 発現頻度 |
|---|---|
| 視覚障害 | 59.0% |
| 悪心 | 50.9% |
| 下痢 | 48.4% |
| 嘔吐 | 43.9% |
| 浮腫 | 34.8% |
| 便秘 | 32.4% |
| 疲労 | 26.8% |
視覚障害の特徴
視覚障害はクリゾチニブに特徴的な副作用で、約59%の患者さんに認められます。投与開始後1~2週間程度で出現することが多く、夜明けや夕暮れなど薄暗い状況において、視野の端に残像が見える、光源が特定できない光の点滅が見える、といった症状が報告されています。
多くの場合、症状は軽度から中等度で、投与を継続しながら経過観察が可能です。ただし、視覚障害の症状が増悪した場合や日常生活に支障をきたす場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。自動車の運転や危険を伴う機械の操作には十分な注意が必要です。
副作用発現時の対応と用量調整
クリゾチニブの副作用が発現した際には、症状の重症度に応じて休薬、減量、または投与中止が検討されます。
間質性肺疾患発現時の対応
間質性肺疾患が疑われる症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱など)が現れた場合は、直ちに投与を中止し、適切な処置を行います。間質性肺疾患は死亡例も報告されている重大な副作用であり、早期発見と迅速な対応が重要です。
投与開始前および投与中は定期的に胸部CT検査を実施し、肺の異常所見の有無を観察します。臨床試験では6~8週間ごとに胸部CT検査が実施されていました。
肝機能障害発現時の対応
グレード2以上のトランスアミナーゼ上昇が認められた場合は、グレード1以下に回復するまで休薬します。回復後は、副作用の重症度に応じて減量または同一用量での投与再開を検討します。
グレード3以上のトランスアミナーゼ上昇とグレード2以上のビリルビン上昇が同時に認められた場合(Hy's Law基準)は、投与を中止します。
血液障害発現時の対応
グレード3の血液障害が発現した場合は、グレード2以下に回復するまで休薬し、回復後は同一用量で投与を再開します。グレード4の血液障害が発現した場合は、回復後200mg1日2回に減量して投与を再開します。
定期的なモニタリング項目
クリゾチニブ投与中は、副作用の早期発見と適切な管理のため、以下の検査を定期的に実施します。
投与開始前の検査
投与開始前には、胸部CT検査、心電図検査、血液検査(肝機能、腎機能、血球数算定など)、電解質検査を実施します。間質性肺疾患の既往やQT間隔延長のリスク因子を確認することも重要です。
投与中の定期検査
投与中は、血液検査(肝機能、血球数算定、白血球分画など)を定期的に実施します。心電図検査、脈拍測定、血圧測定も定期的に行い、QT間隔延長や徐脈の有無を確認します。
胸部画像検査は、治療効果の判定とともに間質性肺疾患の早期発見のために実施されます。検査の頻度は患者さんの状態に応じて調整されますが、一般的には6~8週間ごとに行われます。
薬価と治療費用
クリゾチニブの薬価は、2025年時点で以下のように設定されています。
| 規格 | 薬価(1カプセルあたり) |
|---|---|
| 200mg1カプセル | 8,752円 |
| 250mg1カプセル | 10,940円 |
1ヵ月あたりの薬剤費
標準的な投与量(250mg1日2回)で計算すると、1日あたりの薬価は21,880円、1ヵ月(30日)では656,400円となります。これは薬剤費のみの金額であり、診察料や検査料などは含まれていません。
実際の患者さんの自己負担額は、加入している公的医療保険の種類や所得に応じて異なります。一般的な健康保険の場合、自己負担割合は3割となるため、1ヵ月あたり約197,000円の負担となります。
高額療養費制度の活用
クリゾチニブのような高額な薬剤を使用する場合、高額療養費制度を利用することで自己負担額を軽減できます。この制度では、1ヵ月の医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が払い戻されます。
自己負担限度額は年齢や所得によって異なり、70歳未満で標準報酬月額28万円~50万円の方の場合、月額の上限は約80,100円となります。事前に限度額適用認定証を取得しておくことで、医療機関での支払い時から上限額までの負担で済みます。
その他の医療費助成制度
がん治療にかかる医療費については、都道府県や市町村が独自に実施している医療費助成制度が利用できる場合があります。また、1年間の医療費が一定額を超えた場合は、確定申告時に医療費控除を受けることも可能です。
詳しくは、医療機関のソーシャルワーカーや地域の相談支援センターにご相談ください。
併用注意・併用禁忌の薬剤
クリゾチニブは主にCYP3A4/5で代謝されるため、この酵素系に影響を与える薬剤との併用には注意が必要です。
併用禁忌
リファンピシンとの併用は禁忌とされています。臨床試験において、全例で肝機能障害が発現したことが報告されているためです。
併用注意
CYP3A4を強力に阻害する薬剤(ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシンなど)との併用により、クリゾチニブの血中濃度が上昇し、副作用のリスクが高まる可能性があります。
逆に、CYP3A4を誘導する薬剤(カルバマゼピン、フェニトイン、セイヨウオトギリソウ含有食品など)との併用により、クリゾチニブの血中濃度が低下し、治療効果が減弱する可能性があります。
他の薬剤や健康食品を使用している場合、またはこれから使用する場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
日常生活における注意点
服薬管理
毎日同じ時間帯に服用することで、血中濃度を安定させることができます。スマートフォンのアラームや服薬管理アプリを活用することで、飲み忘れを防ぐことができます。
外出時にも携帯できるよう、小分け用のケースを用意しておくと便利です。ただし、直射日光や高温多湿を避け、室温で保管してください。
自動車運転と機械操作
視覚障害が現れることがあるため、自動車の運転や危険を伴う機械の操作には十分な注意が必要です。特に薄暗い時間帯や夜間の運転は控えることが推奨されます。
視覚障害の症状が増悪した場合や、日常生活に支障をきたす場合は、速やかに医療機関を受診してください。
感染予防
血液障害により白血球や好中球が減少することがあるため、感染症のリスクが高まります。手洗いやうがいを励行し、人混みを避けるなど、日常生活での感染予防を心がけてください。
発熱や悪寒、咳、のどの痛みなど、感染症を疑う症状が現れた場合は、速やかに医療機関に連絡してください。
体調変化の観察
息切れや呼吸困難、咳、発熱などの呼吸器症状、黄疸や倦怠感などの肝機能障害を疑う症状、動悸やめまい、失神などの心臓関連の症状が現れた場合は、直ちに医療機関に連絡してください。
これらの症状は重大な副作用の初期症状である可能性があり、早期発見と適切な対応が重要です。
治療効果と耐性獲得
クリゾチニブによる治療を継続すると、多くの患者さんで一定期間後に薬剤耐性が生じることが知られています。耐性獲得のメカニズムとして、ALK遺伝子の二次変異やバイパス経路の活性化などが報告されています。
クリゾチニブに耐性が生じた場合は、第二世代のALK阻害薬(アレクチニブ、セリチニブ、ブリグチニブなど)や第三世代のALK阻害薬(ロルラチニブ)への変更が検討されます。これらの次世代ALK阻害薬は、クリゾチニブ耐性の患者さんにも効果を示すことが報告されています。
定期的な画像検査や腫瘍マーカーの測定により、治療効果を評価し、耐性獲得の兆候を早期に発見することが重要です。
参考文献・出典情報
医療用医薬品:ザーコリ(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
ザーコリカプセル200mgの基本情報(日経メディカル処方薬事典)
ザーコリカプセル インタビューフォーム(ファイザー株式会社)
ALK陽性進行肺癌に対するクリゾチニブと化学療法との比較(The New England Journal of Medicine日本版)

