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【2026年更新】R-CHOP療法の費用・保険適応・治療期間を分かりやすく解説。悪性リンパ腫の標準治療

リツキシマブ

こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。

R-CHOP療法は、悪性リンパ腫の中でも特にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する標準的な治療法として、2000年代初頭から広く用いられてきました。

この治療法は、リツキシマブという分子標的薬と、従来のCHOP療法と呼ばれる4種類の抗がん剤を組み合わせたもので、治療成績の向上に貢献しています。

本記事では、R-CHOP療法を受ける患者さんやご家族の方が知っておくべき、治療費用、保険適応、治療期間、副作用などについて、2026年時点の最新情報を基に詳しく解説します。


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R-CHOP療法とはどのような治療か

R-CHOP療法は、5種類の薬剤を組み合わせた多剤併用療法です。治療法の名称は、使用する薬剤の頭文字から構成されています。

リツキシマブ登場以前は、CHOP療法(4剤の組み合わせ)が悪性リンパ腫の標準治療でしたが、分子標的薬であるリツキシマブを追加することで、治療効果が向上しました。

臨床試験では、CHOP療法の5年生存率が45%だったのに対し、R-CHOP療法では58%まで改善したことが報告されています。

使用される5つの薬剤の役割

薬剤名 一般名 作用機序
R(リツキサン) リツキシマブ B細胞表面のCD20抗原に結合し、免疫システムを利用してがん細胞を攻撃する分子標的薬
C(エンドキサン) シクロホスファミド DNA合成を阻害し、がん細胞の増殖を抑える
H(アドリアシン) ドキソルビシン DNA複製を妨げ、がん細胞の増殖を止める
O(オンコビン) ビンクリスチン 細胞分裂に必要な微小管の形成を阻害する
P(プレドニン) プレドニゾロン 副腎皮質ホルモン剤で、リンパ球を傷害し、抗腫瘍効果を発揮

R-CHOP療法の適応疾患

R-CHOP療法は、主にB細胞性非ホジキンリンパ腫の治療に用いられます。特に以下の疾患に対して適応があります。

主な適応疾患

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
日本における悪性リンパ腫の中で最も多い病型で、全悪性リンパ腫の30~40%を占めています。年間約15,000人が診断されており、患者さんの多くは60歳代後半です。DLBCLは月単位で進行するアグレッシブリンパ腫ですが、R-CHOP療法による薬物療法の効果が期待できます。

その他のB細胞性リンパ腫
CD20陽性のB細胞性リンパ腫であれば、リツキシマブが使用できます。B細胞性の悪性リンパ腫はほとんどがCD20陽性であるため、多くの患者さんにR-CHOP療法が適用可能です。

2024年版の造血器腫瘍診療ガイドラインでは、80歳までのDLBCL患者さんに対して、全身状態および臓器機能が概ね良好で、重大な合併症を認めなければ、R-CHOP療法が標準治療とされています。


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治療スケジュールと期間

R-CHOP療法は、外来通院での治療が可能な場合が多く、患者さんの負担軽減につながっています。

標準的な投与スケジュール(R-CHOP21療法)

最も一般的なR-CHOP21療法では、21日(3週間)を1コースとして治療を繰り返します。

投与日 投与薬剤 投与方法
1日目 リツキシマブ 375mg/㎡を点滴静注(約3時間)。初回は少量から開始しアレルギー反応を確認
1日目または2日目 シクロホスファミド
ドキソルビシン
ビンクリスチン
点滴静注。ビンクリスチンは短時間での静脈内注射
1~5日目 プレドニゾロン 内服(1日1回)

医療機関によっては、リツキシマブを1日目に投与し、他の4剤を2日目に投与する場合もあります。

治療コース数と期間

治療コース数は、病期や患者さんの状態によって異なります。

  • 限局期(I期・II期):予後不良因子がなければ4コース、予後不良因子があれば6コース
  • 進行期(III期・IV期):6~8コース(高齢者では6コースが一般的)

4コースの場合は約12週間(3ヶ月)、6コースの場合は約18週間(4.5ヶ月)、8コースの場合は約24週間(6ヶ月)の治療期間となります。

R-CHOP14療法について

14日ごとに繰り返すR-CHOP14療法も試みられています。これは治療間隔を短縮することで、より強力な治療効果を目指すものです。ただし、骨髄抑制などの副作用リスクも高まるため、患者さんの状態を見ながら慎重に選択されます。


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R-CHOP療法の費用と保険適応

R-CHOP療法は健康保険が適用される標準治療です。しかし、使用する薬剤の中でも特にリツキシマブが高額なため、1コースあたりの医療費は高くなります。

1コースあたりの薬剤費

体表面積1.7㎡の患者さんを想定した場合、2026年時点での薬価を基に計算すると、1コースあたりの薬剤費は以下のようになります。

項目 費用(保険適用前)
リツキシマブ(先発品) 約30万~35万円
リツキシマブ(バイオ後続品) 約20万~25万円
その他の抗がん剤(CHOP) 約5万~10万円
1コース合計(先発品使用時) 約35万~45万円
1コース合計(後続品使用時) 約25万~35万円

これに加えて、点滴の技術料、検査費用、診察料などが必要になります。入院治療の場合は入院費も加わります。

実際の患者負担額

日本の健康保険制度では、医療費の自己負担割合は年齢や所得によって1~3割と定められています。しかし、R-CHOP療法のように高額な治療では、高額療養費制度を利用することで、実際の負担額を抑えることができます。

高額療養費制度の活用

高額療養費制度は、同一月内に医療機関等の窓口で支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。

所得区分(70歳未満) 自己負担限度額(月額)
年収約1,160万円以上 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
年収約770万~1,160万円 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
年収約370万~770万円 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
年収約370万円以下 57,600円
住民税非課税世帯 35,400円

例えば、年収500万円の患者さんが1ヶ月に40万円の医療費(3割負担で12万円)を支払った場合、高額療養費制度を利用すると自己負担額は約8万2,000円となり、差額の約4万円が払い戻されます。

限度額適用認定証の活用

高額療養費制度は通常、支払いから2~3ヶ月後に払い戻されますが、「限度額適用認定証」を事前に取得し医療機関に提示すれば、窓口での支払いを最初から自己負担限度額までに抑えることができます。マイナ保険証を利用する場合は、事前申請なしで同様の仕組みが利用できます。

多数回該当による軽減

直近12ヶ月間で3回以上高額療養費制度を利用した場合、4回目からは「多数回該当」として自己負担限度額がさらに下がります。例えば年収370万~770万円の区分では、4回目以降の限度額は44,400円となります。

R-CHOP療法の主な副作用と対策

R-CHOP療法では、複数の抗がん剤を使用するため、様々な副作用が出現する可能性があります。ただし、多くの副作用は適切な対処により管理可能です。

リツキシマブ特有の副作用

インフュージョンリアクション(輸注反応)
リツキシマブ投与中または投与後24時間以内に現れるアレルギー様の反応で、発熱、悪寒、頭痛、発疹、血圧低下などの症状が出ることがあります。特に初回投与時に起こりやすいため、投与前には抗ヒスタミン薬や解熱鎮痛薬を服用し、最初は少量から投与を開始します。

CHOP療法共通の副作用

副作用 症状・発現時期 主な対策
骨髄抑制 白血球減少、好中球減少。投与後7~14日頃に最も低下 G-CSF製剤の投与、感染予防、発熱時の早期受診
悪心・嘔吐 投与当日から数日間 制吐剤の予防投与、食事の工夫
脱毛 投与開始2~3週間後から ウィッグの準備。治療終了後2~3ヶ月で回復開始
末梢神経障害 手足のしびれ、感覚異常 症状に応じた薬物療法、リハビリテーション
心毒性 息切れ、動悸、胸痛、むくみ 定期的な心機能検査、症状出現時の早期対応
便秘 ビンクリスチンによる腸管蠕動低下 下剤の使用、水分摂取、食物繊維の摂取

感染症対策の重要性

R-CHOP療法では、白血球の減少により細菌、ウイルス、真菌などによる感染症のリスクが高まります。特に好中球が減少する時期(投与後7~14日頃)は注意が必要です。

発熱性好中球減少症(FN)は、好中球が減少している時期に38度以上の発熱が出現する状態で、緊急の対応が必要です。発熱時には速やかに医療機関に連絡し、指示を仰ぐことが大切です。

持続型G-CSF製剤による骨髄抑制対策

高齢の患者さんや合併症のある患者さんには、白血球を増やす作用のある持続型G-CSF製剤を投与することで、骨髄抑制期間中の感染症リスクを軽減できます。

R-CHOP療法の治療効果

R-CHOP療法の治療効果は、病期や予後因子によって異なりますが、全体として良好な成績が報告されています。

治療成績

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するR-CHOP療法の5年生存率は65~80%と報告されています。特に限局期で予後良好因子を持つ患者さんでは、さらに高い治療成績が期待できます。

治療効果判定

R-CHOP療法の全コース終了後、CTやPET-CTなどの画像検査を用いて治療効果を判定します。

  • 完全奏効(CR):すべての病変が消失した状態
  • 部分奏効(PR):腫瘍が50%以上縮小した状態
  • 安定(SD):腫瘍の大きさに明らかな変化がない状態
  • 進行(PD):腫瘍が増大した状態

完全奏効となった患者さんは、その後無治療で経過観察となります。定期的な検査を継続し、再発の早期発見に努めます。

最新の治療動向

R-CHOP療法は現在も標準治療として用いられていますが、さらなる治療成績の向上を目指して、新しい治療法の研究が進んでいます。

ポラツズマブ ベドチン併用療法(Pola-R-CHP療法)

2023年以降、18~80歳でIPIスコアが2以上の患者さんに対しては、抗体薬物複合体であるポラツズマブ ベドチンを併用するPola-R-CHP療法も標準治療の一つとして選択肢に加わっています。この治療法では、ビンクリスチンの代わりにポラツズマブ ベドチンを使用します。

再発・難治例に対する新規治療

R-CHOP療法で効果が不十分だった場合や再発した場合には、以下のような治療法が検討されます。

  • 別の化学療法レジメン
  • 自家造血幹細胞移植
  • CAR-T細胞療法(キメラ抗原受容体T細胞療法)
  • 二重特異性抗体薬(エプコリタマブなど)

2023年9月には、再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫に対して、二重特異性抗体薬エプコリタマブが承認されました。これは抗CD20モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも2つの標準的な治療が無効または治療後に再発した患者さんに対する新たな選択肢となっています。

治療を受ける上での心構え

R-CHOP療法は外来治療が可能な場合が多く、日常生活を送りながら治療を続けることができます。ただし、副作用の管理や感染予防には十分な注意が必要です。

日常生活での注意点

  • 手洗い、うがいを徹底し、人混みを避けるなど感染予防を心がける
  • 体温を毎日測定し、38度以上の発熱があれば速やかに医療機関に連絡する
  • 食事は栄養バランスを考え、体力維持に努める
  • 無理な運動は避けるが、適度な散歩など軽い運動は体力維持に有効
  • 便秘予防のため、水分摂取と食物繊維の摂取を心がける

医療スタッフとのコミュニケーション

副作用の症状や不安なことがあれば、遠慮せずに医師や看護師、薬剤師に相談しましょう。「抗がん剤日誌」のようなものに日々の体調を記録しておくと、診察時に効率的に情報を伝えることができます。

まとめにかえて

R-CHOP療法は、悪性リンパ腫、特にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する確立された標準治療です。高額な医療費がかかりますが、高額療養費制度を適切に活用することで、実際の負担額を抑えることができます。

治療期間は病期によって異なりますが、多くの場合3~6ヶ月程度です。副作用には個人差がありますが、適切な対策により管理可能なものがほとんどです。

治療方針については、病期、年齢、全身状態、予後因子などを総合的に評価して決定されます。担当医とよく相談し、ご自身の状況に最も適した治療を選択することが大切です。

参考文献・出典情報

  1. 国立がん研究センター中央病院 薬剤部「CHOP(チョップ)療法」
    https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/pharmacy/010/pamph/DLBCL/010/index.html
  2. 日本血液学会「造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」
    https://www.jshem.or.jp/gui-hemali/2_5.html
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス「リンパ腫の治療について」
    https://www.ncc.go.jp/jp/information/knowledge/Lymphoma/003/index.html
  4. 国立がん研究センター がん情報サービス「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」
    https://ganjoho.jp/public/cancer/DLBCL/index.html
  5. 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
  6. 日経メディカル処方薬事典「リツキシマブBS点滴静注500mg」
    https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/42/4291439A2023.html
  7. 看護roo!「R-CHOP療法(化学療法のポイント)/悪性リンパ腫」
    https://www.kango-roo.com/learning/4116/
  8. ブリストル・マイヤーズ スクイブ「りんぱしゅ通信 基本編 リンパ腫の治療」
    https://www.rinpashu.jp/examination-diagnosis-treatment/treatment
  9. ファイザー「がんを学ぶ 高額療養費制度とは」
    https://www.ganclass.jp/support/medical-cost/hight-cost
  10. アッヴィ 血液がんサポートネット「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫とは」
    https://blood-cancer.abbvie.co.jp/lymphoma/dlbcl/about/

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本村ユウジ
本村ユウジ
がん治療専門のアドバイザー・本村です。

私の仕事は【がん患者さんに正しい選択を伝えること】です。

「本村さん、おかげで元気になりました」

そんな報告が届くのが嬉しくて、患者さんをサポートしています。

→200通以上の感謝の声(これまでいただいた実際のメールを掲載しています)

しかし毎日届く相談メールは、

「医師に提案された抗がん剤が怖くて、手の震えが止まらない」

「腰がすこし痛むだけで、再発か?転移か?と不安で一睡もできなくなる」

「職場の人も家族さえも、ちゃんと理解してくれない。しょせんは他人事なのかと孤独を感じる」

こんな苦しみに溢れています。

年齢を重ねると、たとえ健康であっても、つらいことはたくさんありますよね。

それに加えて「がん」は私たちから、家族との時間や、積み重ねたキャリア、将来の夢や希望を奪おうとするのです。

なんと理不尽で、容赦のないことでしょうか。

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