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肺がんの進行について知っておきたいこと
肺がんと診断された患者さんやそのご家族にとって、病気が進行するとどのような影響が身体に現れるのかを理解することは、今後の治療方針を考えるうえで重要です。
肺がんは、がん細胞が発生する場所や組織型によって進行のスピードや影響の現れ方が異なります。特に非小細胞肺がんは肺がん全体の約85パーセントを占めており、多くの患者さんがこのタイプに該当します。
この記事では、肺の構造と働きを理解したうえで、肺がんが進行することでどのような変化が起こるのか、進行スピードにはどのような要因が関わっているのかを詳しく見ていきます。
肺の構造を理解する
胸部の構成と肺の位置
肺は胸部の大きな部分を占める臓器です。肋骨と背骨で囲まれた胸腔は、縦隔と左右の肺に分かれています。
縦隔とは胸部の中央に位置する空間で、以下のような重要な器官が含まれています。
| 器官名 | 役割 |
|---|---|
| 心臓 | 全身に血液を送り出すポンプ機能 |
| 大血管 | 心臓から出る大動脈や肺動脈など |
| 気管 | 空気の通り道となる管 |
| 食道 | 食べ物が通る管 |
| リンパ節 | 免疫機能を担う組織 |
左右の肺の違い
縦隔の左右に位置する肺は、右肺と左肺と呼ばれます。右肺は上葉、中葉、下葉の3つに分かれており、左肺は上葉と下葉の2つに分かれています。
これは心臓が左側に位置しているため、左肺が右肺よりもやや小さくなっていることによります。右肺の容積は約1,200ミリリットル、左肺の容積は約1,000ミリリットルとされています。
気管支の構造
のどから続く気管は、胸部で左右に分かれて気管支となります。気管支は肺の中で枝分かれを繰り返し、その構造は樹木に似ていることから「気管支樹」とも呼ばれます。
気管支の分岐は以下のような過程を経ます。
| 分岐段階 | 名称 | 直径の目安 |
|---|---|---|
| 第1世代 | 主気管支 | 約12ミリメートル |
| 第2-4世代 | 葉気管支、区域気管支 | 約4-8ミリメートル |
| 第5-11世代 | 亜区域気管支 | 約1-4ミリメートル |
| 第12-16世代 | 細気管支 | 約0.5-1ミリメートル |
| 第17-19世代 | 終末細気管支 | 約0.5ミリメートル以下 |
| 第20-23世代 | 呼吸細気管支、肺胞管 | 微細構造 |
気管支は約20回ほどの分岐を繰り返し、最終的に肺胞と呼ばれる小さな袋状の構造に到達します。
肺胞の役割
肺胞は直径約0.2ミリメートルの球状の小さな部屋で、両肺を合わせると約3億個存在するとされています。肺胞の壁は非常に薄く、厚さは約0.0005ミリメートルしかありません。
この薄い壁を介して、空気中の酸素と血液中の二酸化炭素が交換されます。肺胞の表面積を合計すると約60-80平方メートルにもなり、これはテニスコート約半面分の広さに相当します。
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肺の働きとガス交換のメカニズム
呼吸による空気の流れ
口や鼻から吸い込まれた空気は、のどを経て気管に入ります。気管を通過した空気は左右の気管支に分かれ、さらに細かく枝分かれしながら肺の奥深くへと運ばれていきます。
最終的に空気は肺胞に到達し、ここで血液との間でガス交換が行われます。このプロセスは1日に約2万回以上の呼吸を通じて継続的に行われています。
ガス交換の仕組み
肺胞を取り囲むように毛細血管が網の目のように張り巡らされています。肺胞に到達した空気中の酸素は、肺胞の薄い壁を通過して毛細血管内の血液に取り込まれます。
同時に、全身の細胞で使われた結果生じた二酸化炭素は血液から肺胞へと放出されます。この交換は濃度勾配に従って自然に起こる拡散現象です。
| 血液の種類 | 酸素の状態 | 二酸化炭素の状態 | 流れる方向 |
|---|---|---|---|
| 動脈血 | 酸素が豊富 | 二酸化炭素が少ない | 肺から全身へ |
| 静脈血 | 酸素が少ない | 二酸化炭素が豊富 | 全身から肺へ |
酸素を取り込んだ血液は心臓に戻り、心臓から全身の組織や臓器へと送り出されます。細胞は酸素を使ってエネルギーを産生し、その過程で二酸化炭素が生成されます。
呼吸機能の重要性
人間の生命活動において、酸素の供給は最も基本的かつ重要な要素です。脳は特に酸素を多く必要とする臓器で、酸素供給が数分間途絶えるだけで深刻な障害が生じます。
肺の正常な機能が維持されることで、全身の細胞に必要な酸素が届けられ、不要な二酸化炭素が排出されます。この循環が滞りなく行われることが、健康な生活の基盤となります。
肺がんが進行することで起こる変化
ガス交換機能の低下
肺がんが進行すると、がん細胞が正常な肺組織を侵食し、肺胞や気管支の構造が破壊されていきます。がん組織は正常な肺組織と異なり、ガス交換の機能を持ちません。
がんに侵された部分の肺組織は機能を失うため、有効に働く肺の容積が減少します。初期段階では肺の予備能力があるため症状が現れにくいですが、進行するにつれて呼吸機能の低下が顕著になります。
気道の狭窄や閉塞
がんが気管支の内側に向かって成長すると、空気の通り道が狭くなります。気道が狭窄すると、その先にある肺組織に十分な空気が届かなくなります。
完全に閉塞した場合、その先の肺組織は虚脱(無気肺)を起こし、機能しなくなります。この状態では、閉塞した部分より先の肺胞でガス交換が行われなくなります。
胸水の貯留
肺がんが進行して胸膜(肺を包む膜)に広がると、胸膜炎を起こし、胸腔内に液体(胸水)が貯まることがあります。胸水が貯留すると、肺が圧迫されて十分に膨らむことができなくなります。
胸水の量が増えると呼吸が苦しくなり、横になると症状が悪化することが多くなります。胸水にはがん細胞が含まれていることもあり、その場合は悪性胸水と呼ばれます。
血管への影響
肺がんが進行して血管に浸潤すると、血流が阻害されることがあります。肺動脈や肺静脈ががんによって圧迫されたり閉塞したりすると、肺循環に障害が生じます。
血流の低下は肺組織への酸素供給を減少させ、さらに呼吸機能を悪化させる要因となります。また、血管への浸潤は血痰や喀血といった出血症状の原因にもなります。
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肺がんの進行スピードを左右する要因
組織型による違い
肺がんは大きく小細胞肺がんと非小細胞肺がんに分類されます。小細胞肺がんは進行スピードが速く、発見時にはすでに転移していることが多いタイプです。
非小細胞肺がんはさらに腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどに分類されます。それぞれの組織型で進行スピードが異なります。
| 組織型 | 全体に占める割合 | 進行スピードの特徴 |
|---|---|---|
| 腺がん | 約50-60パーセント | 比較的ゆっくり進行することが多い |
| 扁平上皮がん | 約20-30パーセント | 中程度の進行スピード |
| 大細胞がん | 約5-10パーセント | 進行が速い傾向がある |
| 小細胞肺がん | 約10-15パーセント | 進行が速く転移しやすい |
遺伝子変異の有無
近年の研究により、肺がん細胞に特定の遺伝子変異がある場合、その変異の種類によって進行スピードや治療への反応が異なることが分かってきました。
EGFR遺伝子変異を持つ肺がんは、変異陽性の約半数が該当する日本人患者さんで多く見られます。ALK融合遺伝子を持つタイプは比較的若い年齢層に多く、進行スピードには個人差があります。
病期(ステージ)と進行速度
肺がんの病期は、がんの大きさ、リンパ節への転移の有無、遠隔転移の有無によって決定されます。早期に発見されたがんほど、進行スピードをコントロールできる可能性が高くなります。
病期が進むにつれて、がん細胞は血液やリンパ液の流れに乗って遠隔臓器に転移しやすくなります。転移が起こると全身の複数の部位で同時にがんが進行するため、病状の進行が加速します。
患者さんの全身状態
患者さんの年齢、栄養状態、併存疾患の有無なども進行スピードに影響します。免疫機能が低下している場合や、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの肺疾患を併発している場合は、進行が速くなる傾向があります。
喫煙を続けている患者さんでは、喫煙による慢性的な炎症が持続し、がんの進行を促進する可能性が指摘されています。
進行した肺がんで現れる症状
呼吸器症状
肺がんが進行すると、以下のような呼吸器症状が現れることがあります。
| 症状 | 発生する理由 |
|---|---|
| 息切れ、呼吸困難 | 機能する肺組織の減少、胸水の貯留 |
| 咳の持続 | 気管支への刺激、気道の狭窄 |
| 血痰、喀血 | がんによる血管の破綻 |
| 喘鳴(ゼーゼー音) | 気道の狭窄による空気の通過音 |
| 胸痛 | 胸膜への浸潤、肋骨への転移 |
全身症状
がんが進行すると、呼吸器症状以外にも全身に影響が及びます。体重減少、食欲不振、全身倦怠感などが現れることがあります。
これらの症状は、がん細胞が増殖する際に多くのエネルギーを消費すること、がんによって分泌される物質が全身に影響を与えること、呼吸機能の低下により全身への酸素供給が不十分になることなどが原因です。
転移による症状
肺がんは骨、脳、肝臓、副腎などに転移しやすい特徴があります。転移した部位によって様々な症状が現れます。
骨転移では痛みや骨折が起こることがあり、脳転移では頭痛、吐き気、意識障害、麻痺などの神経症状が現れます。肝臓への転移では腹部の不快感や黄疸が生じることがあります。
進行を評価するための検査
画像検査
肺がんの進行を評価するために、胸部X線検査、CT検査、MRI検査、PET-CT検査などが行われます。これらの検査により、がんの大きさ、広がり、転移の有無を確認できます。
CT検査は肺がんの診断と経過観察で最も頻繁に用いられる検査です。造影剤を使用することで、血管やリンパ節の状態をより詳しく評価できます。
呼吸機能検査
スパイロメトリーという検査で、肺活量や1秒量などを測定し、肺の機能がどの程度保たれているかを評価します。この検査結果は、治療方針を決定する際の重要な情報となります。
動脈血ガス分析では、血液中の酸素と二酸化炭素の濃度を測定し、ガス交換の状態を直接評価できます。
腫瘍マーカー
血液検査で測定できる腫瘍マーカーは、がんの進行や治療効果の判定に参考となります。肺がんでは、CEA、SCC、CYFRA、ProGRPなどのマーカーが用いられます。
ただし、腫瘍マーカーの値は個人差が大きく、必ずしもがんの進行度と一致しないため、他の検査結果と総合的に判断することが重要です。
進行した肺がんへの対応
治療選択の考え方
進行した肺がんでは、完治を目指す治療が難しくなる場合もありますが、症状を和らげ、生活の質を保ちながら、できるだけ長く過ごせることを目標とした治療が行われます。
患者さんの全身状態、がんの進行度、遺伝子変異の有無などを総合的に評価し、最も適した治療法が選択されます。
薬物療法の役割
進行した肺がんに対しては、抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などの薬物療法が主体となります。特定の遺伝子変異がある場合は、その変異に対応した分子標的薬が高い効果を示すことがあります。
免疫チェックポイント阻害薬は、患者さん自身の免疫機能を活性化してがん細胞を攻撃する新しいタイプの治療薬です。
症状緩和のための治療
呼吸困難に対しては、酸素療法が行われます。胸水が貯留している場合は、胸腔穿刺で液体を抜く処置が症状改善に有効です。
痛みに対しては、鎮痛薬を適切に使用することで、生活の質を維持できます。放射線治療は、骨転移による痛みや脳転移による症状を軽減する目的で行われることがあります。
患者さんとご家族が知っておきたいこと
定期的な診察と検査の重要性
肺がんの進行状況を把握するためには、医師の指示に従って定期的に診察を受け、必要な検査を受けることが重要です。症状の変化があった場合は、次回の予約を待たずに医療機関に連絡することが推奨されます。
生活習慣での注意点
喫煙を続けることは肺がんの進行を促進する可能性があるため、禁煙が強く推奨されます。受動喫煙も避けるべきです。
栄養状態を良好に保つことも重要です。食事量が減っている場合は、栄養補助食品の利用も検討できます。
サポート体制の活用
肺がんの診断や進行に伴う不安や心配は、患者さんだけでなくご家族にも大きな負担となります。医療ソーシャルワーカーや看護師、心理士などの専門職に相談することで、適切なサポートを受けられます。

