がん専門のアドバイザー、本村です。
この記事では、奈良県のお寺や神社へ、癌封じや癌平癒(治ること)や病気平癒を祈願したいと考えている方に、候補となる場所を紹介しています。
お寺、神社も千差万別で「行ってみたら(寂れているなどして)残念だった」ということもよくあるので、できるだけ全国の寺社仏閣、有名なところをしっかり調べて紹介するようにしています。
というわけで、奈良県では1つのお寺、1つの神社を挙げたいと思います。
奈良県奈良市 大安寺の癌封じ祈祷とお守り
大安寺はとても古い歴史のある真言宗のお寺です。
古くは飛鳥時代に、聖徳太子が斑鳩宮の東南の地に建立された熊凝精舎(くまごりしょうじゃ)がこの寺のはじまりとされています。
(※熊凝精舎は、聖徳太子が釈迦の祇園精舎にならって創建した仏教修行の道場)
以来、何度かの遷時の後、710年の平安遷都にともない、現在の地で「大安寺」と称されるようになりました。
大安寺のWebサイトのには「南都七大寺・癌封じ祈祷 大安寺」と記載されています。
「南都七大寺」はその他に東大寺、西大寺、薬師寺、興福寺、元興寺、法隆寺と名だたる有名な寺があります。そのとおり大変由緒のあるお寺です。。
平安時代までは大安寺はとても栄え、海外の要人を受け入れ外交の拠点になるなど重要な地位がありました。東大寺や西大寺と肩を並べて「南大寺」と呼ばれていたそうですが、平安時代以降に徐々に衰退し、1017年に火災で七重塔等の重要な伽藍を焼失しています。
現在では境内の広さも往年の1/25となりましたが奈良時代に造られた仏像九体が残り、本尊である十一面観音立像は国重要文化財(奈良時代)に指定されるなど、重要な仏像が祀られています。
(十一面観音立像は10月1日~11月30日まで特別公開されています)
癌や病気との関係
光仁天皇(天智天皇の息子で、桓武天皇の父)が大安寺に頻繁に参拝し、悪病退散の祈りを重ねられていたことが病気平癒祈願の由来とされています。
光仁天皇は長く無病息災を保ち、62歳という当時では考えられないほどの高齢で天皇に即位。その後73歳まで在位されたことで健康長寿のシンボルとされています。
光仁天皇にあやかって悪病難病を封じ、無病息災、健康に過ごすことを祈るお祭りが「笹酒祭り」であり、現在は癌封じの祈願と併せて行われていることから「光仁会=癌封じ笹酒祭り」と呼ばれて人気のあるイベントとなっています。
これは毎年冬の1月23日に行われているお祭りです。光仁天皇の御忌法要でもあり、奈良県内はもちろん全国から多くの参拝者の方が訪れています。
また、毎年6月23日には「竹供養(癌封じ夏祭り)」が行われています。
竹・笹は防腐作用を活かして餅やちまきを包む材料として古来から重宝されてきました。その徳をたたえ、竹の霊を慰める法要を行うのが竹供養です。
本尊の前に青竹を置き、供養法要を行い、境内の竹林にしめ縄を張って祭壇にて供養します(竹供養が行われるのは13:00~14:00頃)。同日に「癌封じの祈祷」が終日行われ、健康祈願と病気平癒を祈る・・・というイベントです。
癌封じの祈祷
本堂にて重要文化財の十一面観音に癌封じや病気平癒の祈祷を行っています。丁寧な祈祷が受けられるととても人気があります。
・健康な方で癌にならないように願う方むけ=癌封じ祈祷
・癌などの病気の治癒を願う方むけ=病気平癒秘法祈祷
という区別になるので、癌の平癒を願う人は病気平癒祈願がよいといえます。
癌封じの祈祷料は一座祈祷3,000円より、一年祈祷で5,000円、特別祈祷10,000円、月護摩特別祈祷30,000円です。
病気平癒の祈祷料は3,000円の一座祈祷がなく、一年祈祷で5,000円、特別祈祷10,000円、月護摩特別祈祷30,000円です。
なお、癌封じの一年祈祷では祈祷のあとに護符とお守り、くず湯、がん封じの笹水か笹酒をもらうことができます。
一年祈祷のご利益は一年間ですが、特に手術や検査がある時に電話をすればその日にご祈祷してもらえるということです。とても手厚い対応ですよね。
乳がん治癒の美流孔(みるく)塚
境内の竹林「いのちの小径」にある美流孔(みるく)塚。
「乳癌治癒の祈願塚。撫でて祈念してください」と記載されています。
こちらは乳がんを乗り越えた方が建立されたものです。
癌封じ絵馬
絵馬もあります。氏名と住所、願い事を書いて納めます。
・癌封じお守り、ブレスレッド
大安寺の癌封じのお守りです。500円。数珠のようなブレスレッドも販売されています。
【所在地】
奈良県奈良市大安寺町2-18-1
拝観時間は9:00~17:00(受付は16:00まで)
拝観料は境内無料。本堂・収蔵庫の通常拝観は大人400円です。
近鉄奈良液、JR奈良駅からバスで15分ほど。「大安寺バス停」。バス停から12~13分から歩くため少し不便。無料の参拝用駐車場あり。数十台程度駐車可能です。
奈良県桜井市 大神神社の病気平癒祈願とお守り
古都奈良には歴史深い神社が多く、社格(※)が最上位に位置する官幣大社も、春日大社、橿原神宮、石上神宮などいくつもあります。
※社格とは?
明治維新以降に神社を等級化した制度で、第二次世界大戦後に廃止されましたが今日でも「旧社格」などの名称で神社を表す目安とされています
格として一番上なのが「官社」で国から奉幣を受ける神社になります。官社の中でも最も上位なのが「官幣大社」という等級で島根の出雲大社、東京の明治神宮などがあります。なお、三重の伊勢神宮は「すべての神社の上にある」とされており、社格はありません。
その中で、癌や病気の平癒を祈願しに参拝するなら桜井市にある大神(おおみわ)神社がおすすめです。
大神神社は、日本神話で国を作った大国主神(大己貴神。いわゆる大黒様)の魂である「大物主神(おおものぬしのかみ)が鎮められている山=三輪山を神体とする神社です。
「本殿を設けずに祭神が鎮まっておられる山に祈りを捧げる」という古来の神祀りの形の神社であり、日本で最古の神社といわれています。
日本には古くから神様の格を評価する「神階、神位」の制度があり(神位の制度は明治時代に廃止)、大物主神の神階は859年に最高位の正一位(しょういちい)とされました。
(※厳密には最高位の上に「位階を超越した神」がいます。それは伊勢神宮の伊勢大神、日前神宮の日前神、國懸神宮の國懸神の三柱だけです)
なお境内には天皇陛下、皇后陛下のご参拝記念の植樹もあるなど、神社の由来や格などからみても、日本の中でも最も由緒のある神社の1つといえるでしょう。
本尊(神体)は三輪山ですので、拝殿の存在がとても重要とされています。拝殿は鎌倉時代に建立されましたが、現在の拝殿は1664年に徳川家綱によって再建されたもので、国の重要文化財に指定されています。
また、拝殿の奥には三輪鳥居と呼ばれている「三ツ鳥居(これも重要文化財)」があり、この鳥居を通して三輪山を拝む、という参拝の仕方になります。
癌や病気との関係
病気の中の1つである癌に対して「癌封じ」などの特化した祈願やお守りなどはないですが、病気平癒、医薬に関するご利益に関するものは多くあります。
癌の手術成功や回復祈願、癌にならないことなどを願って参拝する場合は、拝殿横にあるなでウサギなどを訪れ、大神神社内にある磐座神社(いわくらじんじゃ)や狭井神社(さいじんじゃ)への参拝をしましょう。
拝殿の左手にある撫でウサギで痛みが緩和されるとも
このウサギを撫でると、運気がアップするといわれており、痛いところや病気のあるところを撫でると癒されるといわれています。参拝者の多くの人が撫でていくのでピカピカになっています。
三輪山に通じる道がある狭井神社で病気平癒の祈願
三輪山に向かって左側に、三輪山へ登る入口がありますが、そこにある摂社(境内の神社)が狭井神社(さいじんじゃ)です。
拝殿から、その名も「くすり道」を登っていくと・・・
まず「磐座神社(いわくらじんじゃ)」があります。
磐座神社で祀られているのは少彦名命(すくなひこなのみこと)で、医薬の神、病気平癒の神とされています。ここにもお参りしましょう。
磐座神社の先に狭井神社があります。拝殿から狭井神社まで歩いて3分ほどです。
狭井神社の祭神は、大神荒魂大神(おおみわのあらみたまのおおかみ)。
荒魂とは神様の魂のことをいいます。神である大物主神の神威が積極的に発せられる魂を荒魂といい、穏やかに発せられる神威を「和魂(にぎみたま)」といいます。
狭井神社のご利益は病気平癒ですので、病気を治すことに対して、荒魂のご利益を得るように参拝する、ということになります。
社殿の後ろには、御神水が湧き出る井戸があります。万病に効く神水といわれています。
「御神水についてお願い」の看板に書かれているとおり、「くすり水」と重用されてきた水で、飲むことで病気平癒や身体健康にご利益があるといわれています(大量に持ち帰るのは避けましょう)。
なお、狭井神社で登頂手続きを行うと、横にある入山入口から三輪山に入ることができます。
明治時代までは入山制限がされていましたが、明治時代以降、禁約を守ることを条件に登拝できるようになっています。登頂手続き後、参拝証のたすきをかけ、祓串を持って自身でお祓い(自祓い)をし、入山することができます。
片道一時間ほどで神が降臨するとされる磐座にたどり着くといわれています。
入山初穂料は300円。受付は9~14時。16時までに要下山報告です。
病気平癒の祈祷が受けられます
大神神社では個人で祈祷が受けられます。祈祷とは神職がご神前で祝詞を奏上することです。
受付時に「お願い事」「住所」「氏名」「生年月日」を伝えると祈願してもらうことができます。
病気平癒の祈祷では、癌などの病気、怪我の一日も早い回復と、これからの健康を祈願してもらうことになります。
祈祷料は4,000円から。予約は必要なく、参拝当日に申し込みができます。申し込みは9:00~17:00までですが混みあうことがあるので、ギリギリにならないようにしたほうがよいと思います。
癌の治癒を願うなら「病気平癒のお守り」
「病平守」が授与されています。初穂料は1,000円です。
授与所が開いている時間は8:30~16:00です。
【所在地】
奈良県桜井市三輪1422
JR三輪駅まではJR奈良駅から約30分。三輪駅から徒歩5分ほどで参道のある二の鳥居に行けます。
無料の専用駐車場があります(計300台ほど駐車可能)