【レジメン】
エンドキサン:CPA=100mg/m2:経口(1日1回、朝)
メソトレキセート:MTX=40mg/m2:点滴静注(20分)
5-FU=600mg/m2:点滴静注(20分)
【前投薬】
①5-HT3受容体拮抗薬
②デキサメタゾン9.9mgIV(Day1、8),8mgPO(Day2~3、9~10)
基本事項
【適応】
[術後化学療法]
NCCNガイドラインでは「特定の状況で有用」なレジメンとされている
アントラサイクリン系薬剤よりも脱毛。嘔気、白血球減少は弱い傾向にあるため、再発リスクの低い患者で、高齢もしくは脱毛を強く拒否する場合などに考慮する
【奏効率】
・5年無再発率
88%
・5年間無病生存率
83%
【副作用】
・顆粒球減少:Grade3=13%、Grade4=4%
・感染:Grade3=3%、Grade4=0%
・悪心:Grade3=3%
・嘔吐:Grade3=1%、Grade4=1%
・下痢:Grade3=2%、Grade4=1%
・口内炎:Grade4=<1%
・脱毛:All Grade=43%
・心血管障害:Grade3=<1%、Grade4=1%、死亡=<1%
レジメンチェックポイント
①前投薬の確認:制吐薬
②投与量の確認
CPAは内服投与の場合、体表面積1.5m2未満は100mg、1.5m2以上は150mg/朝でも可
<CPA:腎障害時の減量基準>
・GFR(mL/min)<10:25%減量
<CPA:肝障害時の減量基準>
・T-Bil 3.1~5.Omg/dL or AST >3×ULN:25%減量
・T-Bil >5.0mg/dL:中止
<MTX:腎障害時の減量基準>
・Ccr(mL/min)46~60:35%減量
・Ccr(mL/min)31~45:50%減量
または
・Ccr(mL/min)10~50:50%減量
・Ccr(mL/min)<10:中止
<MTX:肝障害時の減量基準>
・T-Bil 3.1~5.Omg/dL or AST >3×ULN:25%減量
・T-Bil >5.0mg/dL:中止
<5-FU>
T-Bilが5.0mg/dL以上の場合、投与中止
③点滴速度の確認
・MTX:50mLの生理食塩液に溶解し、20分で点滴静注
・5-FU:50mLの生理食塩液に溶解し、20分で点滴静注
④併用薬の確認
・5-FUはテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(ティーエスワン)との併用により、フルオロウラシルの血中濃度が著しく上昇するため併用禁忌
・5-FUはフェニトインの血中濃度を上昇させ、中毒症状の発現のおそれがあるため、併用時はフェニトインの血中濃度をモニタリングする(併用注意)
・5-FUはワルファリンの作用を増強させることがあり、併用時は定期的にプロトロンビン時間活性をモニタリングする(併用注意)
・CPAはペントスタチンとの併用により、心毒性の増強による死亡例が報告されているため併用禁忌
副作用対策と服薬指導のポイント
①口内炎
MTX、5-FUは、ともに口内炎のリスクが高く、口腔内の衛生管理に注意するように伝える
②出血性膀胱炎
CPAでは予防として水分の摂取を心がける。血尿が出た場合には、すぐに申し出るように伝え、朝食後に服用する必要性を説明する
③脱毛
CPA、MTXにより高頻度で発現し、治療後1~3週間で抜け始め、全治療終了後は回復する
⑥便秘・イレウス
便秘やイレウスを起こす場合があるため、排便コントロールをしっかり行い、激しい腹痛があれば申し出るように伝える