
京都府でサイバーナイフが受けられる病院
こんにちは。がん専門のアドバイザー、本村ユウジです。
京都府と滋賀県で、サイバーナイフ、トモセラピー、重粒子線、陽子線といった高度放射線治療を受けられる医療施設についてまとめました。
放射線治療を検討されている患者さんが、どこでどのような治療を受けられるのか、施設選びの参考にしていただければと思います。
京都府では現在、1施設でサイバーナイフによる治療が実施されています。サイバーナイフは、ロボットアームに搭載された小型の放射線発生装置を使用し、がん病巣に対してピンポイントで放射線を照射する定位放射線治療装置です。
多方向から集中的に照射することで、周囲の正常組織へのダメージを抑えながら、がん細胞に高線量の放射線を届けることができます。
京都市伏見区:蘇生会クリニック サイバーナイフセンター
所在地:京都市伏見区下鳥羽上三栖町126番地
蘇生会クリニック サイバーナイフセンターは、京都府内で唯一サイバーナイフ治療を提供している施設です。
2023年3月末時点でのサイバーナイフ治療実績は累計1,626例となっています。
この数字は2017年3月末の1,206例から約420例増加しており、継続的に治療実績を積み重ねていることがわかります。
治療対象としているがんの部位は、転移性脳腫瘍、神経膠腫などの脳腫瘍、頭頸部がん(上顎がん、咽頭がん、副鼻腔がん、眼窩腫瘍、口腔がん、舌がん、歯肉がんなど)、肺がん、肝臓がん、前立腺がんなどです。
2026年現在、サイバーナイフ治療は健康保険の適用対象となっています。
保険適用となる主な条件は以下の通りです。
| 対象部位 | 保険適用の条件 |
|---|---|
| 頭頸部 | 頭頸部腫瘍(頭蓋内腫瘍を含む)および脳動静脈奇形 |
| 肺がん・肝がん・腎がん | 原発病巣が直径5cm以下で転移病巣のないもの |
| 転移性肺がん・肝がん | 3個以内で他に病巣のないもの |
| 前立腺がん・膵がん | 転移病巣のない限局性のもの |
| 転移性脊椎腫瘍 | 直径5cm以下のもの |
| オリゴ転移 | 5個以内の転移病変 |
| 脊髄動静脈奇形 | 頸部脊髄動静脈奇形を含む |
体幹部治療の保険適用には一定の制限がありますが、クリニック独自の基準を設け、患者さんの状態に応じて柔軟な対応を行っています。
治療費用は3割負担の場合、約19万円(高額療養費制度の適用前)となります。
高額療養費制度を利用することで、所得に応じた自己負担限度額まで軽減することができます。
京都府でトモセラピーが受けられる病院
トモセラピーは、強度変調放射線治療(IMRT)と画像誘導放射線治療(IGRT)を組み合わせた高精度放射線治療装置です。
CT装置と放射線治療装置が一体化しており、治療直前にCT撮影を行うことで、毎回正確な位置合わせが可能となっています。
360度の回転照射により、複雑な形状のがんにも対応できます。
京都府宇治市:宇治武田病院 放射線治療センター
所在地:京都府宇治市宇治里尻36-26
宇治武田病院は、2007年4月に近畿エリアで初めてトモセラピーを導入した施設です。
西日本でもいち早くこの最新治療を取り入れ、がん治療の選択肢を広げてきました。
2019年4月には、新型の放射線がん治療装置「トモセラピーラディザクト」に機器を更新しています。
ラディザクトは、従来機と比べてCT撮影速度が66%向上しており、患者さんが体を静止する時間が短縮され、治療中の負担が軽減されています。
トモセラピーが得意とする治療部位として、前立腺がん、耳鼻科領域の腫瘍(咽頭がん、喉頭がんなど)、脳腫瘍、骨転移などが挙げられます。
照射回数や照射時間は病気の種類によって異なりますが、詳しくは担当医との相談となります。
トモセラピーによる治療は保険適用となっており、実費負担は1~3割です。
治療の副作用は、がんの形に合わせて照射するため、従来の放射線治療に比べて少なくなっています。
ほとんどの場合、外来通院での治療が可能です。
京都府立医科大学附属病院
京都府立医科大学附属病院の放射線科でも、トモセラピーを用いたIMRT(強度変調放射線治療)を実施しています。
年間500~600例の放射線治療を行っており、リニアック装置2台、小線源治療装置、トモセラピーなど、多様な治療機器を備えています。
体幹部定位照射やトモセラピーを用いたIMRTのほか、関連施設にはサイバーナイフも備えており、必要に応じて連携しながら患者さんに最適な治療を提供しています。
「自分の判断は正しいのか?」と不安な方へ
がん治療。
何を信じれば?
不安と恐怖で苦しい。
がん治療を左右するのは
治療法より“たった1つの条件”です。
まず、それを知ってください。
がん専門アドバイザー 本村ユウジ
滋賀県でトモセラピーが受けられる病院
滋賀県大津市:大津赤十字病院
所在地:滋賀県大津市長等1-1-35
大津赤十字病院は、2013年にトモセラピーを導入しました。
滋賀県では唯一、トモセラピーによる治療が可能な施設となっています。
放射線科には放射線治療医2名と画像診断医7名が在籍しています。
平成29年度の新規治療患者数は304名、累計の照射件数は8,458件という実績があります。
トモセラピーでは、毎回の治療直前にCT撮影を行い、治療計画時の画像と位置のずれを補正して精度の高い照射を実現しています。
前立腺がんのIMRTなど、お仕事を続けながら通院で治療を受けることも可能です。
滋賀県がん診療広域中核拠点病院、地域がん診療連携拠点病院として、地域の他施設との連携にも力を入れており、他施設に入院中の患者さんでも通院可能な方は当院でトモセラピー治療を受けることができます。
1回の治療時間は約20~30分程度です。
患者さんごとに30分の予約枠を設定しており、前処置が必要な方や化学療法との併用にも対応しています。
京都府で陽子線治療が受けられる病院
京都府立医科大学附属病院 永守記念最先端がん治療研究センター
2019年度より、永守記念最先端がん治療研究センター内で陽子線治療が開始されました。
京都では初の粒子線治療施設となります。
陽子線治療は、水素の原子核(陽子)を加速器で高速に加速し、がん病巣に照射する治療法です。
陽子線は体の表面では放射線量が弱く、がん病巣において放射線量がピークになる特性(ブラッグピーク)を持っています。
このため、がん病巣にダメージを十分与えながら、正常細胞へのダメージを小さくすることができます。
2026年現在、陽子線治療の保険適用対象は拡大しており、以下の疾患が保険診療の対象となっています。
| 対象疾患 | 保険適用の条件 |
|---|---|
| 小児がん | 限局性の固形悪性腫瘍 |
| 前立腺がん | 転移のない限局性・局所進行性のもの |
| 頭頸部悪性腫瘍 | 口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く |
| 肺がん | 手術による根治的な治療が困難なもの |
| 肝細胞がん | 長径4cm以上で手術による根治的な治療が困難なもの |
| 骨軟部腫瘍 | 手術による根治的な治療が困難なもの |
保険適用外の場合、先進医療として実施される場合があり、その場合の治療料は施設によって240万円~350万円程度となります。
ただし、診察や検査、投薬、入院に係る費用は保険適用となります。
京都府・滋賀県で重粒子線治療が受けられる病院
残念ながら、2026年1月現在、京都府および滋賀県には重粒子線治療施設はありません。
重粒子線治療を希望される場合、近隣では大阪府の大阪重粒子線センター、兵庫県の兵庫県立粒子線医療センターなどで受けることができます。
兵庫県立粒子線医療センターは、陽子線と重粒子線の両方の治療が可能な施設です。
重粒子線治療は、炭素イオンを加速器で光速の約70%まで加速し、がん病巣に照射する治療法です。
陽子線やエックス線と比べて、がん細胞を殺傷する能力が2~3倍高く、1回の照射で得られる効果が大きいため、治療期間を短くすることができます。
サイバーナイフとトモセラピーの比較
サイバーナイフとトモセラピーは、どちらも高精度放射線治療装置ですが、それぞれ得意とする治療部位や特徴が異なります。
| 項目 | サイバーナイフ | トモセラピー |
|---|---|---|
| 照射方式 | ロボットアームによる多方向照射 | 360度回転照射 |
| 得意な治療 | 定位放射線治療(ピンポイント照射) | 強度変調放射線治療(IMRT) |
| 動体追尾 | 可能(呼吸で動く腫瘍にも対応) | 治療前のCT撮影で位置確認 |
| 適した腫瘍 | 小さな腫瘍、動く腫瘍 | 複雑な形状の腫瘍、広範囲の腫瘍 |
| 治療回数 | 1~5回程度 | 数回~数十回 |
| 治療時間 | 30~60分程度 | 20~30分程度 |
どちらの治療が適しているかは、がんの種類、大きさ、位置、患者さんの状態などによって異なります。
担当医とよく相談し、セカンドオピニオンも活用しながら、最適な治療法を選択することが大切です。
高度放射線治療を受ける際の注意点
サイバーナイフやトモセラピー、粒子線治療などの高度放射線治療を検討する際には、いくつかの注意点があります。
まず、これらの治療は機器の性能が高いことは確かですが、治療計画を立てる医師の腕も治療効果に影響します。
放射線治療の計画立案には医師の能力が関わっており、経験豊富な医師のいる施設を選ぶことが望ましいです。
また、保険適用の条件を確認することも重要です。
がんの種類、大きさ、転移の有無などによって、保険適用となるかどうかが変わります。
保険適用外の場合、自由診療として高額な費用が必要となる場合があります。
治療を受ける前には、主治医から紹介状を受け取り、画像データ(CT、MRI、PETなど)を準備する必要があります。
施設によっては、これらのデータをもとに適応判断を行ってから、受診日を決定します。
高額療養費制度の利用も検討しましょう。
事前に限度額適用認定証を取得しておくことで、医療機関の窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。
施設選びのポイント
高度放射線治療を受ける施設を選ぶ際のポイントをいくつか挙げます。
治療実績が豊富であることは重要な判断材料の一つです。
累計治療例数や年間の治療件数を確認することで、その施設の経験値を知ることができます。
通院のしやすさも考慮すべき点です。
放射線治療は通常、複数回の通院が必要となるため、自宅や職場からのアクセスの良さは、治療を続ける上で大きな要素となります。
また、他の治療法との組み合わせが可能かどうかも確認しておくと良いでしょう。
がん治療では、放射線治療だけでなく、化学療法や手術との組み合わせが効果的な場合があります。
総合的ながん治療が可能な施設であれば、状況に応じた最適な治療を受けることができます。
まとめ
京都府では、蘇生会クリニックでサイバーナイフ治療が、宇治武田病院と京都府立医科大学附属病院でトモセラピー治療が受けられます。
また、京都府立医科大学附属病院では陽子線治療も実施されています。
滋賀県では、大津赤十字病院でトモセラピー治療が可能です。サイバーナイフ、重粒子線、陽子線治療を希望される場合は、他府県の施設を利用することになります。
高度放射線治療は、がん治療の選択肢を広げる技術です。それぞれの治療法には特徴があり、適した症例が異なります。担当医とよく相談し、必要に応じてセカンドオピニオンを活用しながら、ご自身に最適な治療法を選択していただければと思います。