近年の前立腺がんの放射線療法では、強度変調照射法(IMRT)と密封小線源による永久刺入照射法(放射線源を前立腺付近に埋め込む治療)が中心です。それぞれの治療費について触れたいと思います。
リニアックによる強度変調照射法(IMRT)
前立腺がんの強度変調照射法の一般的な方法は、総線量78グレイ、1回線量2グレイ、39日間照射です。
この場合、放射線治療管理料が5000点、体外照射の強度変調照射治療料は3000点×39回=11万7000点、医療機器安全管理料2が1100点、放射線治療専任加算料が330点、そのほかにも体外照射用固定器具加算料が1000点、呼吸性移動対策加算料(施設基準)が150点、画像誘導放射線治療加算料が3000点×39回=11万7000点が加わり、総点数は13万6280点になります。
つまり治療費は136万2800円です。これは入院の場合です。保険診療が適用されるので自己負担は45万円程度になります。
外来治療の場合には、この費用に加えて、外来放射線治療加算料などが加わります。これにも保険診療が適用されます。
ヨード125シードによる組織内、永久挿入療法の治療費
前立腺がんの組織内永久挿入療法には、ヨード125シードが用いられます。
この場合、放射線治療管理料が4000点、ヨード125シードの永久挿入料が4万8600点、医療機器安全管理料2が1100点、放射線治療専任加算料が330点、そのほかにも患部に埋め込んだヨード125シードの費用として630点×80個=5万400点が加わり、総点数は10万4430点になります。
つまり総治療費は104万4300円です。これには保険診療が適用されますので自己負担は35万円程度になります。