こんにちは。がん治療専門アドバイザー、本村ユウジです。
子宮頸がんと診断され、ステージ3やステージ4という進行した段階であることを告げられた患者さんにとって、今後の治療の選択肢や生存率、完治の可能性について正確な情報を得ることは極めて重要です。
この記事では、子宮頸がんのステージ3(III期)およびステージ4(IV期)における標準的な治療法、特に放射線治療と抗がん剤を組み合わせた化学放射線療法を中心に、治療の実際、生存率のデータ、そして手術ができない場合の対応について詳しく解説します。
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子宮頸がんのステージ3とステージ4の病態と治療方針
子宮頸がんは早期であれば手術による子宮摘出が標準治療の中心となります。しかし、がんが進行してステージ3(III期)やステージ4(IV期)に達すると、治療の方針は大きく変わります。
ステージ3の子宮頸がんでは、がんが膣壁の下3分の1を超えて広がっているか、骨盤壁にまで達している状態を指します。この段階になると、手術による根治的な治療は困難となり、放射線療法が治療の中心となります。
ステージ4はさらに進行した状態で、IVa期では膀胱や直腸の粘膜にがんが浸潤している状態、IVb期では肺や肝臓などの遠隔臓器に転移が認められる状態を指します。
日本の治療ガイドラインでは、Ib期以降でリンパ節転移などのリスク因子がある場合、手術後に放射線療法を追加したり、抗がん剤も併用した化学放射線療法を行ったりします。一方、アメリカではIIb期の段階でも身体的負担の大きい手術を避け、放射線療法を選択することが一般的です。
これは子宮頸がんが放射線に対して高い感受性を示すことが明らかになっているためです。放射線療法によって、進行した子宮頸がんでも一定の治療効果が期待できることが、多くの臨床研究で示されています。
ステージ3における標準的な放射線治療の種類と方法
子宮頸がんのステージ3で実施される放射線治療には、主に2つの方法があります。それぞれの特徴と実施方法について説明します。
外部照射による放射線療法
外部照射は体の外側から放射線を照射する最も一般的な放射線療法です。治療前にCT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像診断)を用いて、腫瘍の正確な位置や大きさ、周囲の臓器との関係を詳細に把握します。
これらの画像データをもとに、放射線腫瘍医が治療計画を立案します。どの部位にどれだけの線量を照射するか、正常組織への影響を最小限に抑えながら腫瘍に最大限の効果を与えるための綿密な計算が行われます。
実際の治療は1回あたり15分から20分程度で終了します。患者さんは治療台に横になり、事前に設定された位置に正確に身体を配置します。照射中は痛みを感じることはなく、放射線技師が別室から厳密にモニタリングしながら治療を進めます。
この治療を週5日、合計5週間から6週間にわたって継続的に行います。総線量は通常45~50グレイ(Gy)程度が照射されますが、個々の患者さんの病状や体調に応じて調整されます。
腔内照射(小線源治療)による集中的な治療
腔内照射は膣から放射線の線源を挿入して行う特殊な放射線療法です。膣から子宮腔内にまで線源を配置し、腫瘍に対して至近距離から集中的に放射線を照射します。
この方法の利点は、腫瘍部位に高線量を集中させることができる一方で、周囲の正常組織への照射線量を抑えられることです。膀胱や直腸といった近接する臓器への影響を最小限にしながら、効果的な治療が可能となります。
腔内照射は単独で実施されることは稀で、通常は外部照射と組み合わせて行われます。外部照射で骨盤内の広い範囲を治療した後、腔内照射によって腫瘍の中心部に追加的な線量を投与するという戦略です。
照射回数は週に1回のペースで3回から4回実施され、1回の治療時間は1時間から1時間半程度です。治療中は線源の配置を正確に保つために安静を保つ必要があります。
| 治療方法 | 実施頻度 | 1回の所要時間 | 治療期間 |
|---|---|---|---|
| 外部照射 | 週5日 | 15~20分 | 5~6週間 |
| 腔内照射 | 週1回 | 1~1.5時間 | 3~4週間 |
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重粒子線治療という選択肢について
ステージ3の子宮頸がんで、特に腫瘍のサイズが大きい患者さんの中には、先進医療である重粒子線治療を選択するケースもあります。
重粒子線治療は炭素イオンを加速して照射する放射線療法で、通常のX線による放射線治療と比較して、腫瘍部位に線量を集中させやすく、正常組織への影響を抑えられるという特徴があります。
ただし、重粒子線治療は限られた施設でしか実施できず、治療費も高額になります。先進医療として認められているため、治療費の一部は自己負担となりますが、通常の診察や検査などは保険適用となります。
重粒子線治療の適応については、腫瘍の大きさ、位置、患者さんの全身状態などを総合的に評価して判断されます。すべての患者さんに適しているわけではないため、専門医との十分な相談が必要です。
ステージ3における化学放射線療法の重要性
現在の子宮頸がん治療において、ステージ3では放射線単独ではなく、抗がん剤を同時に投与する「同時化学放射線療法」が標準治療として確立されています。
1999年に発表された複数の臨床試験の結果から、放射線療法に抗がん剤を併用することで、放射線単独と比較して生存率が改善することが明らかになりました。この知見をもとに、世界中で同時化学放射線療法が標準治療として採用されるようになりました。
抗がん剤には放射線の効果を増強する作用があり、これを「放射線増感作用」と呼びます。抗がん剤ががん細胞を直接攻撃するだけでなく、がん細胞を放射線に対してより敏感な状態にすることで、治療効果が高まるのです。
子宮頸がんで使用される主な抗がん剤
子宮頸がんの化学放射線療法で中心的に使用される抗がん剤は「シスプラチン」です。シスプラチンはプラチナ製剤と呼ばれる種類の抗がん剤で、DNA合成を阻害することでがん細胞の増殖を抑制します。
同時化学放射線療法では、通常、週1回のペースでシスプラチンを投与しながら放射線治療を並行して行います。投与量は体表面積あたり40mg/m²程度が一般的で、放射線治療の期間中、5回から6回投与されます。
その他の治療場面で使用される抗がん剤としては以下のようなものがあります。
- パクリタキセル:微小管の機能を阻害して細胞分裂を抑制するタキサン系抗がん剤
- イリノテカン:トポイソメラーゼI阻害剤として作用し、DNA複製を妨げる
- イホスファミド:アルキル化剤の一種で、DNAに直接作用してがん細胞を破壊する
- ビンクリスチン:微小管形成を阻害し、細胞分裂を停止させる植物アルカロイド系薬剤
これらの薬剤は、初回治療後の再発時や、シスプラチンが使用できない場合の代替薬として、あるいは複数の薬剤を組み合わせた多剤併用療法として使用されることがあります。
| 抗がん剤名 | 作用機序 | 主な使用場面 |
|---|---|---|
| シスプラチン | DNA合成阻害 | 同時化学放射線療法の標準薬 |
| パクリタキセル | 微小管機能阻害 | 再発時の治療、多剤併用療法 |
| イリノテカン | トポイソメラーゼI阻害 | 再発時の治療、併用療法 |
| イホスファミド | DNA損傷 | 進行例での併用療法 |
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ステージ4における治療アプローチの実際
ステージ4の子宮頸がんは、IVa期とIVb期で治療方針が異なります。それぞれの病態と治療について説明します。
IVa期の治療戦略
IVa期は膀胱や直腸の粘膜にまでがんが直接浸潤している状態です。この段階でも手術による根治は困難であり、同時化学放射線療法が標準治療となります。
治療の基本的な方針はステージ3と同様ですが、膀胱や直腸への浸潤がある分、副作用のリスクが高くなります。排尿障害や消化器症状などが生じる可能性があるため、より慎重な線量設定と厳密な経過観察が必要です。
IVa期の治療では、腫瘍の縮小と症状の緩和を目指しながら、可能な限りの生存期間の延長を図ることが目標となります。治療効果が得られた場合、完治は困難であっても、一定期間の病状コントロールが可能となることがあります。
IVb期における治療の選択
IVb期は肺、肝臓、骨などの遠隔臓器にがんが転移している状態です。この段階では根治的な治療は極めて困難となり、治療の目的は症状の緩和と生活の質(QOL)の維持に重点が置かれます。
積極的な抗がん剤治療を行うケースもありますが、患者さんの全身状態、症状の程度、本人の希望などを総合的に考慮して判断されます。抗がん剤による副作用が生活の質を低下させる可能性もあるため、治療のメリットとデメリットを慎重に評価する必要があります。
IVb期では緩和ケアが治療の中心となります。痛みのコントロール、出血への対応、腹水や胸水の管理など、患者さんが直面する様々な症状に対して適切な対処を行います。放射線療法も、局所の痛みや出血を抑えるための緩和的照射として実施されることがあります。
ステージ3とステージ4の生存率について
子宮頸がんの生存率は、病期(ステージ)によって大きく異なります。ここでは5年生存率のデータをもとに、予後について説明します。
日本産科婦人科学会の治療年報によると、ステージ3(III期)の5年生存率は約60%前後とされています。これはIIIa期とIIIb期を合わせた数値であり、より詳細に見ると病変の範囲によって生存率に差があります。
ステージ4では5年生存率は低下し、IVa期で約40%、IVb期では約20%程度となっています。ただし、これらの数値は過去の治療成績をもとにしたデータであり、近年の治療法の進歩により改善傾向にある可能性があります。
生存率はあくまで統計的な数値であり、個々の患者さんの予後は、年齢、全身状態、がんの組織型、治療への反応性など、様々な要因によって変わってきます。同じステージであっても、治療効果が良好な患者さんもいれば、残念ながら思うような効果が得られない患者さんもいます。
| 病期 | 5年生存率(概算) | 病態 |
|---|---|---|
| III期 | 約60% | 膣壁下部や骨盤壁への進展 |
| IVa期 | 約40% | 膀胱・直腸粘膜への浸潤 |
| IVb期 | 約20% | 遠隔臓器への転移 |
完治の可能性について正しく理解する
「完治」という言葉の定義は明確ではありませんが、一般的には治療後に長期間にわたってがんの再発が認められない状態を指します。医学的には「治癒」という用語が使われることもあります。
ステージ3の子宮頸がんでは、適切な治療によってがんが完全に消失し、その後長期間再発しない患者さんも一定数存在します。特に化学放射線療法に良好な反応を示した場合、治療完了後5年以上再発なく経過する可能性があります。
しかし、ステージ3でも完全な治癒が得られるとは限らず、治療後に再発するリスクは常に存在します。治療完了後も定期的な経過観察が不可欠であり、再発の早期発見が重要です。
ステージ4、特にIVb期の場合、現在の医療技術では完治を目指すことは極めて困難です。治療の目標は、がんの進行を抑え、症状をコントロールし、できるだけ良好な生活の質を保ちながら生存期間を延長することに置かれます。
完治が難しい状況であっても、適切な治療とケアによって、有意義な時間を過ごすことは可能です。緩和ケアチームのサポートを受けながら、患者さん自身が大切にしたいことを優先できる環境を整えることが重要です。
手術ができない理由と代替治療の考え方
ステージ3以降で手術が選択されない主な理由は、がんが骨盤壁や周囲の組織に広範囲に浸潤しており、安全に切除することができないためです。
手術によって腫瘍を完全に取り除くためには、がんとその周囲の組織を十分なマージン(余裕)をもって切除する必要があります。しかし、ステージ3では骨盤壁にがんが達しているため、これ以上の切除が物理的に不可能です。
また、仮に手術を試みたとしても、完全切除が困難な状況では手術による身体的負担だけが大きくなり、治療効果が得られないばかりか、術後の回復が遅れ、その後の放射線療法や抗がん剤治療の開始が遅れてしまいます。
こうした理由から、ステージ3以降では手術ではなく放射線療法を中心とした治療が選択されます。前述のとおり、子宮頸がんは放射線に対する感受性が高いため、放射線療法によって十分な治療効果が期待できることが、この治療方針を支持する根拠となっています。
治療中の生活と副作用への対応
化学放射線療法を受ける期間中、患者さんは様々な副作用を経験する可能性があります。主な副作用とその対応について理解しておくことが重要です。
放射線治療による副作用としては、照射部位の皮膚の赤みやかゆみ、下痢、頻尿、膀胱炎症状などが挙げられます。これらの症状は治療の進行とともに徐々に出現し、治療終了後、数週間から数か月かけて改善していきます。
抗がん剤による副作用には、吐き気、嘔吐、食欲低下、白血球減少による感染リスクの増加、貧血、血小板減少などがあります。シスプラチンは特に腎機能への影響があるため、十分な水分補給と腎機能のモニタリングが必要です。
治療中は担当医や看護師と密接にコミュニケーションを取り、症状が出現した際には速やかに相談することが大切です。適切な支持療法(副作用を軽減するための治療)を受けることで、多くの症状は管理可能です。
治療後の経過観察と再発への対応
治療完了後は定期的な経過観察が必要です。通常、最初の2年間は3か月ごと、その後3年目から5年目までは6か月ごと、5年以降は年1回程度の頻度で受診します。
経過観察では、内診、細胞診、画像検査(CTやMRI)などを組み合わせて、再発の有無を確認します。再発が疑われる症状(不正出血、下腹部痛、腰痛など)が出現した場合は、定期受診を待たずに速やかに医療機関を受診することが重要です。
万が一再発が確認された場合、再発の部位や範囲、前回の治療内容、患者さんの全身状態などを考慮して、再度の治療方針が検討されます。局所再発であれば手術や再照射が検討されることもあり、遠隔転移であれば化学療法が選択されます。


