免疫療法とは人間のもともと持っている免疫力をワクチンなどで人為的に高めて、治療しようというもので、手術療法、放射線療法、化学療法に次ぐ「第4のがん治療法」として期待されています。(免疫療法は保険対象外)
現在、主体となっている3つの治療法は正常細胞も攻撃してしまいますが、免疫療法は正常な細胞を攻撃することなく、副作用が少ないことが利点とされています。
すでにアメリカでは、前立腺がん免疫療法「プロベンジ」が発売されており、世界で初めて承認されたがん免疫療法として話題を呼んでいます。
日本でも有効性が期待されているのが「ペプチドワクチン療法」で、現在、治験中の薬もあります。これは、がん細胞を攻撃する免疫細胞が持っている、がん表面にあるペプチド(タンパク質の断片)を攻撃する性質を利用するものです。
ペプチドをワクチンとして大量に注射することで、免疫細胞を増殖・活性化させ、がん細胞への攻撃を促進させます。一部の薬は健康保険法にもとづく「先進医療」に認定され、国によって一定の有効性が評価されています。
しかし実際の効果については明らかなデータがなく、治療費も高額になることが課題です。