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肝動注療法(リザーバー法)とはどのような治療か
肝動注療法は、肝臓がんに対して抗がん剤を直接肝臓に届ける治療法です。リザーバー法では、体内にカテーテルとリザーバー(薬剤注入装置)を埋め込み、継続的に治療を行えるようにします。
この治療法の特徴は、抗がん剤を全身に投与する化学療法と比べて、肝臓に高濃度の抗がん剤を届けられる点にあります。全身への影響を抑えながら、腫瘍に対して効果的に作用させることを目指します。
治療の実施には、カテーテルを血管に留置する手術が必要です。一度設置すれば、外来通院で繰り返し抗がん剤を投与できるようになります。患者さんにとって、治療のたびに入院する負担が軽減される利点があります。
カテーテル挿入の2つの方法
肝臓に向かう血管にカテーテルを入れる方法は、大きく分けて2種類あります。それぞれの方法には特徴があり、患者さんの状態や治療計画に応じて選択されます。
開腹によるカテーテル挿入
1つ目は、開腹手術によってカテーテルを挿入する方法です。腹部を切開し、腹部大動脈から肝動脈が分岐する部分に直接カテーテルを入れます。
この方法は、肝臓の切除手術や血管をしばる処置のために、もともと開腹する予定がある場合に選択されます。別の手術と同時に行えるため、手術回数を増やさずに済む利点があります。
経皮的手法によるカテーテル挿入
2つ目は、経皮的手法と呼ばれる方法です。こちらは体への負担がより小さい方法として、多くの患者さんに選択されています。
経皮的手法では、太もも(大腿部)、体の左側の鎖骨の下、または左腕から動脈にカテーテルを入れます。そこから血管内を通してカテーテルを進め、肝動脈まで到達させます。
皮膚を大きく切開する必要がないため、体への負担が少なく、回復も早い傾向があります。入院期間も開腹手術と比べて短くなることが一般的です。
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治療前の準備と注意点
経皮的手法でカテーテルを留置する場合、治療前にいくつかの準備が必要です。患者さんが安心して治療を受けられるよう、手順を理解しておくことが大切です。
食事と水分摂取
治療の前日または当日の食事を1回抜きます。絶食が必要な時間は医療機関によって異なりますが、通常は手術の数時間前からです。それ以前の食事は、特別な制限がなければ普段通りに摂取できます。
絶食後でも水分摂取は可能です。ただし、飲める量や時間については医師の指示に従います。脱水を防ぐため、点滴によって水分を十分に補給します。
手術室に入る前の処置
手術室に入る前に、いくつかの前処置を行います。まず、痛みを和らげるために鎮痛剤を筋肉注射します。必要に応じて、緊張をほぐすための鎮静剤も投与します。
カテーテルを挿入する部分の皮膚を消毒し、局所麻酔を行います。局所麻酔により、挿入時の痛みを感じにくくなります。
太ももからカテーテルを挿入する場合は、尿道カテーテルを膀胱に挿入します。これは、手術後しばらくの間、安静が必要でトイレに行けないためです。排尿管理によって、患者さんの快適性を保ちます。
血管造影検査の実施
リザーバーを設置する際には、血管造影検査を行います。この検査は、治療を安全かつ効果的に進めるために欠かせない工程です。
血管造影では、造影剤を血管内に注入し、X線撮影を行います。これにより、血管が肝臓の内外をどのように走っているかを詳しく調べます。
血管の走行パターンは患者さんによって異なります。肝臓に向かう血管の本数や分岐の仕方を把握することで、カテーテルをどこに留置するか、どの血管をふさぐ必要があるかを判断できます。
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血流の改変が必要な理由
肝動注療法では、ほとんどの患者さんで血管をふさぐ処置が必要になります。この処置には重要な2つの目的があります。
抗がん剤を肝臓全体に届けるため
腹部大動脈から分岐して肝臓に入る動脈は、基本的には固有肝動脈という1本の血管です。しかし、約40パーセントの人は、それ以外にも肝臓に向かう動脈を持っています。
例えば、胃に向かう動脈が分岐して肝臓に入り込んでいたり、腸に向かう動脈が分岐して肝臓に流れ込んでいることがあります。これは血管の個人差であり、異常ではありません。
動注療法では、カテーテルは主要な血管に1本だけ留置します。そのため、複数の動脈から肝臓に血液が流れ込んでいる状態では、肝臓全体に抗がん剤が行き渡りません。
カテーテルを留置していない血管から血液が流れる肝臓の領域には、抗がん剤が到達しないことになります。つまり、肝臓内にあるすべての腫瘍を治療できない可能性が生じます。
そこで、このような場合には主要な血管を1本選択し、残りの血管はふさいでしまいます。一見すると、肝臓の一部に血液が届かなくなるように思われますが、実際には問題ありません。
肝臓内には、別々の枝から分かれた血管同士がつながっている部分があります。この側副血行路を通じて、ふさいだ領域の血管にも血液が供給されます。同時に、抗がん剤も肝臓全体に行き渡るようになります。
他の臓器への副作用を防ぐため
血管をふさぐ2つ目の目的は、抗がん剤が他の臓器に入り込んで副作用を起こすのを防ぐことです。
胃や腸に向かう動脈は、肝臓のすぐ外側で肝臓に向かう動脈(総肝動脈)から分岐しています。そのため、肝動脈に抗がん剤を注入すると、血管を逆流して胃や腸にも抗がん剤が流れ込む可能性があります。
その結果、胃や腸の粘膜が損なわれ、潰瘍などを起こすことがあります。これは患者さんにとって、腹痛や出血などの症状をもたらす可能性があります。
そこで、抗がん剤が流入する危険のある血管は、動注療法を開始する前にあらかじめふさいでおきます。予防的な処置により、不要な副作用のリスクを減らします。
血管をふさぐ方法
血管をふさぐには、2つの方法があります。1つは、手術で血管をしばって閉じる方法です。開腹手術を行う場合には、この方法が選択されることがあります。
もう1つは、太ももの大動脈などからカテーテルを通し、そこから金属製のコイルを血管に詰めてふさぐ方法です。この塞栓術は、経皮的に行えるため体への負担が少ない利点があります。
金属製のコイルは、血管内で血液の流れを止める役割を果たします。時間が経つと、コイルの周囲に血栓が形成され、血管が完全に閉塞します。
カテーテルの留置方法
経皮的にカテーテルを留置する際にも、複数の方法があります。血管の状態や治療計画に応じて、適切な方法が選択されます。
皮膚切開によるカテーテル挿入
1つ目の方法は、皮膚を小さく切開し、血管を直接見えるようにしてカテーテルを挿入するものです。血管を直視下で確認できるため、確実にカテーテルを挿入できます。
穿刺によるカテーテル挿入
2つ目の方法は、通常の血管造影の際に用いられる方法で、皮膚の上から直接カテーテルを挿入します。針で血管を穿刺し、そこからカテーテルを血管内に進めます。
この方法は、皮膚の切開が不要なため、傷跡が小さく済む利点があります。
カテーテルの固定方法
カテーテルの先端を固定するかどうかも、2つの選択肢があります。1つは、金属製のコイルなどで固定する方法です。もう1つは、特に固定しないでそのままにしておく方法です。
固定する場合には、通常、血管をふさぐコイルを併用します。カテーテルがずれにくくなるため、長期間安定した治療が可能になります。
固定しない場合、カテーテルの留置にかかる時間が短く、治療が終わったときにカテーテルを抜き去るのも簡単です。また、必要であれば挿入後にカテーテルの位置を移動することもできます。
ただし、固定した場合と比べて、カテーテルの位置がずれるリスクがあります。位置がずれると、抗がん剤が腫瘍に到達しなくなったり、胃や腸に抗がん剤が流入して副作用が発生する可能性が高くなります。
そこで血管の形態や治療計画を考慮して、いずれかの留置方法を選択します。
カテーテルには側孔(横穴)があいており、抗がん剤はこの側孔から血管中に流れ出る仕組みになっています。
リザーバーの留置手術
リザーバーを体内に埋め込むには、簡単な手術が必要です。この手術では、皮膚の下に空間(皮下ポケット)を作り、そこにリザーバーを設置します。
皮下ポケットの作成位置
皮下ポケットを作る位置は、カテーテルの挿入部位や患者さんの体格によって決まります。太ももや胸の上部に作ることもありますが、下腹部に埋め込むことが多いです。
下腹部は、リザーバーへのアクセスがしやすく、日常生活での違和感も少ない場所です。衣服に隠れるため、外見上の影響もほとんどありません。
リザーバー設置の手順
下腹部にリザーバーを設置する場合、腹部を小さく切開します。そして、カテーテルを大腿動脈から引き出し、その先端をリザーバーと接続します。
カテーテルとリザーバーをしっかりと固定した後、皮下ポケットを縫合して閉じます。リザーバーは皮膚の下に完全に埋め込まれた状態になります。
外から触ると、皮膚の下に小さな膨らみを感じる程度です。抗がん剤を投与する際には、皮膚の上から針を刺してリザーバーにアクセスします。
CT撮影による確認
留置手術の最後に、カテーテルが正しく設置されていることを確認するため、X線撮影やCT撮影を行います。この確認作業は、治療の成功に直結する重要な工程です。
リザーバーから造影剤をゆっくり注入すると、それはカテーテルを伝わって肝臓内に流れ込みます。X線やCTで撮影したとき、造影剤が肝臓全体に広がり、他の領域には存在していなければ、リザーバーの設置は完了です。
しかし、造影剤が適切に分布していない場合があります。その場合、抗がん剤も望みどおりに肝臓に注入されないことになります。
造影剤が適切に広がらない原因を突き止め、さらに塞栓のための金属製のコイルを追加するなどの処置を行います。必要に応じて、カテーテルの位置を調整することもあります。
すべての確認が終わり、造影剤の分布が適切であることが確認されてから、手術が終了します。
手術後の経過と注意点
手術後は、体の回復と合併症の予防のために、いくつかの管理が行われます。
安静期間
手術後は、翌日まで安静を保ちます。これは、カテーテルを挿入した血管からの出血を防ぐためです。
翌日、出血などの問題がなければ、安静は解除となり、歩けるようになります。尿道カテーテルもこのときに抜去します。
徐々に通常の生活に戻していきますが、激しい運動は控えるよう指示されることが一般的です。
感染予防
感染予防のために、手術後数日間は抗生物質を投与します。体内にカテーテルという異物を留置するため、感染のリスクに注意が必要です。
発熱や挿入部位の発赤、痛みなどの症状があれば、すぐに医療スタッフに伝えることが大切です。
一時的な症状
手術後、カテーテルを挿入した部位に一時的な症状が現れることがあります。
血管カテーテルを太ももから入れた場合は太もも内側に、鎖骨の下から入れた場合は肩から腕にかけて、軽いしびれを感じることがあります。
これらの症状は通常、数日から数週間で自然に改善します。ただし、症状が強い場合や長く続く場合は、医師に相談することが推奨されます。
抗がん剤投与の開始時期
抗がん剤の注入は通常、リザーバーの留置から1週間前後で開始します。この期間は、手術部位の回復を待ち、感染などの合併症がないことを確認するために設けられています。
医師は、患者さんの状態や血液検査の結果などを総合的に判断して、抗がん剤投与の開始時期を決定します。
初回の抗がん剤投与では、リザーバーが正常に機能するかを確認しながら、慎重に進められます。副作用の出現にも注意しながら、適切な投与量や投与間隔を調整していきます。
肝動注療法の治療スケジュール
リザーバーが設置された後は、定期的に抗がん剤を投与します。投与のスケジュールは、使用する抗がん剤の種類や患者さんの状態によって異なります。
多くの場合、外来通院で治療を受けることができます。リザーバーに針を刺して抗がん剤を注入する処置自体は、それほど時間がかかりません。
ただし、副作用の確認や血液検査なども含めると、通院には数時間かかることが一般的です。治療の効果を評価するため、定期的に画像検査も行われます。
肝動注療法を受ける際の理解と判断
肝動注療法(リザーバー法)は、肝臓がんの治療選択肢の1つです。この治療法を選択するかどうかは、がんの進行度、肝機能、全身状態など、さまざまな要素を考慮して決定されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 治療の目的 | 肝臓に抗がん剤を高濃度で届け、腫瘍の縮小や進行抑制を目指す |
| 主な利点 | 全身への影響を抑えながら局所的に治療できる、外来通院で継続可能 |
| 体への負担 | 経皮的手法の場合は比較的軽度、開腹手術の場合は負担が大きい |
| 入院期間 | 経皮的手法で数日から1週間程度が一般的 |
| 合併症のリスク | 出血、感染、カテーテルのずれ、他臓器への影響など |
治療を受ける前に、医師から十分な説明を受けることが大切です。治療の流れ、期待される効果、起こりうる副作用や合併症について理解し、不明な点は質問して解消しておきます。
他の治療法との比較も含めて、自分の状況に最も適した選択をすることが重要です。家族とも相談しながら、納得できる治療方針を決めていくことをお勧めします。

