16.前立腺がん

前立腺がんの外部放射線治療とは

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前立腺がんにはいくつか放射線治療の種類がありますが、体の中に放射線物質を入れる密封小線源のほか、外部から放射線を照射する方法もあります。

主に行われている外部照射は「3次元原体照射」と「強度変調放射線療法(IMRT)」です。ふつう、週に5回、7~8週間かけて分割照射を行います。長い期間をかけて行うのは正常組織への障害を防ぐためです。また、一方向からではなく、多方向から照射するのも他の臓器への被曝を減らす効果があります。

■3次元原体照射

7方向からそれぞれ違った形の放射線を前立腺に照射します。その前段階としてCT画像から前立腺の3次元画像を作り出して、どこにどれだけの放射線を照射するかを事前に決めて治療します。

■IMRT

3次元原体照射をさらに進化させたのがIMRTです。コンピュータでの計算によって放射線の強度を変化させ5方向から照射するので、直腸など照射したくない臓器への影響が少ないことが特徴です。いっぽう、前立腺への照射は正確でかつ、強力になります。

2008年に保険適用となったIMRTは、今、X線を使った外部照射療法で最も効果が高い治療法とされています。放射線照射は従来70グレイのところ、IMRTは78グレイ以上照射できます。前立腺がんで顔つきが悪いタイプには強い放射線照射が必要になりますし、それがIMRTでは可能であるということです。

しかしIMRTにも放射線を照射し数年たって出てくる副作用の晩期障害という副作用はあります。がん部分に集中的に照射できますが、正常細胞で線量がゼロになるのではないからです。晩期障害として起こるのは直腸出血が最も多く、その場合は内視鏡を使って出血部をレーザーで焼灼して対応することになります。

また、保険外治療である「粒子線治療」が受けられる施設も増えてきました。

放射線治療に用いられる放射線は大きく「光子線」と「粒子線」の2つに分けられます。光子線は光の波でX線やγ線がこれに入ります。一方、粒子線は陽子、中性子からなる原子核の流れで、ここに入るのは中性子線、陽子線、重粒子線(炭素イオン)です。そして、これを使って行われるのが粒子線治療で、日本では前立腺がんの治療に陽子線治療と重粒子線治療が行われています。

粒子線治療は体内のある一定の深さでブラッグピークと呼ばれるエネルギーのピークを作ることのできるのが最大の特徴です。そのため、当てたい部分にだけ放射線を集中できます。

つまり、粒子線は低いエネルギーで体に入り、表面からある深さのところで急激にエネルギーがピークに達し、そのままエネルギーが停止することで高い効果を発揮します。がん病巣に合わせてブラッグピークの位置を調整し強いエネルギーを当てるのです。

粒子線のメリットは「正常組織を傷つけることが少ない」「体力のない高齢者にも優しい治療」「外来で照射を受けることができる」などがあるでしょう。前立腺がんの治療としては低リスクの早期がんというより、中リスク以上のがんに対して中心的に行われています。

問題は約300万円の自己負担がかかることです。機器を備えている医療機関も少なく、限られた場所でしか治療が受けられません。将来的に、健康保険の適用を目指す医療制度である先進医療が認められていますが、現時点では約300万円の準備がないと治療は受けられません。

以上、前立腺がんの放射線治療についての解説でした。

がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。

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本村ユウジ

「がんの研究と、患者さんのサポート」を2008年から続けています。現在まで、3,000名を超えるがん患者さんやご家族をサポートしてきました。詳しいプロフィールはこちら。

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