28.がんと栄養成分

ビタミンを食事から効率的に摂るには

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ビタミンを食事から効率的に摂る

■ビタミンを多く含む食品

ビタミンはそれぞれの種類によって、入っている食べ物が違います。ビタミンとミネラルという、どちらかといえばあまり量をたくさん必要としない栄養素は、食べ物の種類の影響を大きく受けます。

例えば、ビタミンCはその9O%前後が野菜と果物から取られています。野菜からは全体の約6O%を、果物からは3O%を取っています。野菜はどれでもビタミンCをかなり含んでいるので、どれを食べるかでそれほど大きく影響されませんが、果物は全く違います。

ミカン、オレンジ、レモンなどの柑橘類、カキ、イチゴ、キウイフルーツなどには多く含まれますが、ブドウ、ビワ、ナシ、スイカ、アンズ、イチジク、バナナには殆ど含まれていません。ですから、種類によって10倍以上も含量が違います。

日本人は柑橘類が好きで、ミカンを始めオレンジ、 ハッサク、その他季節に応じて色々な種類の柑橘類を食ペています。柑橘類は平均すれば、30~40ミリグラム/100グラムのビタミンCを含んでいますから、極めてよいビタミンCの供給源といえます。

野菜は一部のものを除くと、ビタミンCをよく含んでいます。ただ、含量には百何十ミリグラム/100グラム(例えば、芽キャベツ)から10ミリグラム/100グラム前後のもの(例えば、モヤシ、ネギなど)まで幅が広いのが特色です。

野菜は果物と違って、ビタミンC以外にもミネラルや他のビタミンの供給源として大切です。特に、緑色をした緑葉野菜は色々なビタミン、ミネラルの宝庫です。

また、野菜や果物は食物繊維の供給源としても大事です。食物繊維は大腸がんのような消化器のがんを防いだり、体に害になる汚染物質が体に入るのを防ぐ働きをしています。このような点からも野菜類をたくさん食べる習慣をつけましょう。

人気のある「サラダ」は、材料にビタミンの含量の少ない色の薄いレタスやトマト(色は赤いがビタミンAの元になるカロチンはない)、キュウリなどを主に使っていることと、ふんわりしているので見かけより量が少ないといった難点があります。サラダもよいですが、ボリュームの多い煮野菜や芋類などを食べて、量をたくさんとる工夫をしたいものです。

■ビタミンAを効果的に摂るには

ビタミンA(レチノール)は動物だけに含まれています。しかし、ウナギ、アナゴ、ハモ、ギンダラ、八つ目鰻(分類学では魚ではないが)などの一部の魚の肉の部分を除くと、肝臓だけにしか含まれていません。

ホタルイカとかシシャモのように、まるごと食べてしまう魚介類を除くと、肝臓を食べる習慣はあまりないかもしれませんが、ビタミンAの主な供給源は肝臓です。また、チーズもよい供給源です。肉類も肝臓だけがよい供給源です。

ビタミンAのもう1つの供給源は緑黄色野菜です。野菜などの植物には、ビタミンAは入っていませんが、ビタミンAの原料になるカロチンが含まれています。このカロチンは人の小腸でビタミンAに変えられます。それで、カロチンのことをプロビタミンAといいます。
(プロというのはプロ野球のプロではなく、原料になる材料のことをいいます)

カロチンをたくさん含んでいる野菜を有色野菜といいます。

ホウレンソウ、小松菜、春菊など、緑色の濃い葉の野菜が大部分ですが、その他に実を食べる西洋カボチャ、根を食べるニンジンなどがカロチンを豊富に含んでいます。これらの有色野菜は緑黄色野菜とも呼ばれ、ビタミンAの大切な供給源です。

この有色野菜のうち、緑葉野菜は他のビタミンやミネラルにも富んでいて、余計に取ることが特に重要です。最近はカロチンの摂取量の多い国の人達の方が、摂取量の少ない国の人達よりがんにかかる率が低いことがわかってきました。カロチンは単にビタミンAの補給に効いているだけでなく、がんの予防の面でも注目されています。

さて、一般にビタミンAの半分は、レチノールの形で取ることが望ましいと考えられています。人での実験でもビタミンAの全部をカロチンに代えると、少しは具合が悪いようです。ですから、半分とはいわないまでも、せめてビタミンAの補給には、少なくとも3分の1はビタミンAで、3分の2はカロチンでとる必要があります。

カロチンは調理法で吸収利用率が変わりますから、油で妙めたり、シチューなどのように長く煮込むなどして、利用率を高める工夫が必要です。

最近は、ビタミンAの欠乏症は減ってきていますが、カロチンのビタミンAとして以外の、がんを防ぐ働きなどにも注目が集まり始めており、ビタミンAが不足しないように努めましょう。

■ビタミンD効果的に摂るには

ビタミンDの多い食品は余りありません。

ビタミンDには、植物性のビタミンD2と動物性のD3があります。どちらも人では同じ生理活性をもっています。人の皮膚では日光中の紫外線が当たって、コレステロールの仲間からD3が作られています。

植物でもキノコの仲間のシイタケでは、人工栽培中のほだ木に付いているキノコに紫外線が当ってできます。この時の原料はエルゴステロールと呼ばれます。このエルゴステロールを食べても吸収されませんし、ビタミンDに変わることもできません。あくまでも、シイタケの時にビタミンD2に変わっていないと効力が出ません。

ビタミンDの主な供給源は魚類です。魚の他ではシイタケに豊富です。魚以外では肉類の肝臓に少し入っている位です。

■ビタミンE効果的に摂るには

ビタミンEも植物起源のビタミンで、動物は植物が作ったビタミンEを利用しているだけです。ビタミンEの仲間は8種類ありますが、生理効果が最も大きいのは、αトコフェロールといわれるものです。

鳥、牛肉、豚肉などの動物性食品では含量は多くありませんが、このαトコフェロールだけが含まれている場合が殆どで、他のビタミンEは含まれていても少量です。魚はαトコフェロールを含んでいる方で、特に脂肪ののっている時期のいわゆる"旬"の魚で、少し含量が多くなります。しかし、植物油ほど多くはありません。

したがって、ビタミンEの主な供給源は植物ということになります。しかも、ビタミンEが油脂や脂肪に溶けやすいので、植物油での含量が高いのです。普通、あまり食用油には使わない小麦胚芽油には、2ミリグラム/グラムというとても大量のビタミンEが入っています。

普通、食用にする大豆油、菜種油、綿実油、トウモロコシ油などには、15~30ミリグラム/100グラム程度のビタミンEが入っています。野菜ではビタミンAの所で書いた緑色の濃い葉の部分に含まれています。つまり、植物のαトコフェロールは、すべてといってよいくらい植物の葉の葉緑体にあるのです。

また、ナッツではアーモンドに次いで、ピーナッツにも植物油と同じくらい入っています。果物ではキウイフルーツだけが多い方です。

いずれにしても、1日に10ミリグラムのビタミンEを取るには、若干食生活に工夫が要ります。ほかのビタミンとかミネラルとかを十分に供給できるように注意して献立を作ると、1日に平均して10ミリグラムくらいのαトコフェロールをとることが可能です。

栄養のバランスを考えた食生活をしていれば、1日に栄養所要量を満たすことは十分可能といえます。

また、ビタミンEは食事の中の不飽和脂肪の摂取量が増えると、余計に取らないといけません。日本型食生活が持てはやされていますが、イワシのような脂肪分の多い魚を食べると、魚特有の不飽和脂肪がたくさん入ってきますから、ビタミンEの要求量も大きくなります。

もちろん、飽和脂肪より不飽和脂肪の方が体にいいですが、同時にビタミンEにも注意を払うことも必要になってきます。

■ビタミンK効果的に摂るには

ビタミンKにも種類が2つあります。1つは植物起源のものでフィロキノンといい、もう1つは徴生物起源でメナキノンと呼んでいます。

この2つは、生理活性の面からは殆ど差がありません。ただ、微生物の作るメナキノンは、1種類だけでなく幾つかあります。いずれも生理効果にはあまり違いがありません。

植物のビタミンKは、すべてといってよいくらい植物の葉の葉緑体にあります。この点はビタミンEと同じです。徴生物の作るビタミンKは腸内細菌でも作られています。ただ、人では、この腸内細菌の作るビタミンKがどれくらい利用可能かどうか、よくわかっていません。

私たちが食べている食品には、微生物を利用して発酵させて作るものが幾つかあります。最近までに公表されたデータでは、ビタミンKが1番多いのが大豆から作る納豆で、次いでチーズです。消費量を考えると、納豆とチーズが重要な発酵食品ということになります。
ですから、緑葉野菜と納豆、チーズの補給が、ビタミンKの摂取には大切ということになります。これらの食品はいずれも他のビタミンも含んでいます。チーズには良質のタンパク質とカルシウムが、納豆には良質のタンパク質が含まれています。他の栄養的な面からも、いずれも重要な食品といえるでしょう。

■ビタミンC効果的に摂るには

ビタミンCのことは冒頭に記載しているとおりです。ビタミンCは霊長類以外の動物でも作られていますが、魚介類、獣鳥肉類には殆ど含まれていません。

それで、植物性食品、特に生の野菜と果物が重要になります。この他、ジャガイモも大切な供給源です。

■B群ビタミン効果的に摂るには

B群ビタミンは、いずれも水に溶けやすい成分です。

このため、調理の時には水中に失われやすいビタミンです。また、その安定性はPHや酸素、光などても影響されます。

特筆すべきは、ビタミンBやCがアルカリ性で分解されやすいことです。小麦粉にはビタミンB1は割合含まれていますが、クッキーやビスケットを焼くときに使うベーキングパウダーでビタミンB1の殆どは失われてしまいます。

食品でアルカリ性の化合物を使うのは、その他にはラーメンのかん水くらいですから、このような小麦粉の加工品には、ビタミンB1はまず入っていないといえます。

このビタミンCとB1の2つは酸性では壊れません。この2つのビタミンを上手に利用するには、水の中へ逃さないことと、酸性側で料理することです。

以上、ビタミンに関する解説でした。

がんと闘うには、人間の体のことや栄養素についてもある程度理解しておくことが大切です。

何をすべきか、正しい判断をするためには正しい知識が必要です。患者として、家族として必要な知識はこちらのガイドブックにまとめました。

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本村ユウジ

「がんの研究と、患者さんのサポート」を2008年から続けています。現在まで、3,000名を超えるがん患者さんやご家族をサポートしてきました。詳しいプロフィールはこちら。

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