セレンとは?
セレンはセレニウムともいい、人間の体内には10mgほどしか含まれていないミネラルです。農作物を作る土壌に含まれますが、日本の土壌はセレンが豊富です。そのため多くの日本人は穀物や魚介類からじゅうぶんな量を摂取しています。
【がんとセレンの関係性とは】
セレンの主な働きとして、抗酸化作用があります。これにより水銀やカドミウムなどの有害物質の毒性を減らしたり、免疫機能を高めたりする働きがあります。
また、細胞の膜には不飽和脂肪酸が含まれていますが、これは酸化しやすく、酸化すると過酸化脂質=細胞を老化させ、がん発生の原因になるといわれています。
セレンはこの過酸化脂質の分解に寄与する酵素の働きを助けます。それにより「がんに効果がある」と長くいわれてきましたが、日常の食事で十分に摂れている人が多く、必要以上に摂ることは逆にリスクに繋がります。
少量(必要十分な量)のセレンは健康に必要ですが、たくさん摂るとがんによいという考えは間違いです。
【セレンの働き】
過酸化脂質の分解を助けることで、老化や動脈硬化の予防に効果があるとされています。日本人でセレンが不足するということは稀ですが、もし不足すると心筋や筋肉の低下に繋がります。がんのリスクが高まるとの報告もあります。
ただ、過剰になると毒性を発揮し、吐き気や倦怠感、肌荒れなどの症状が起きるのでサプリメントなどで摂りすぎることがないように注意しましょう。
成人の摂取基準は男性で30ug、女性で25ugです。
セレンがよく摂れる食品
玄米、胚芽小麦、ねぎ、にんにくなどの野菜類、わかさぎ、いわしなどの小魚類、ほたて、卵など。
以上、がん(癌)とセレンに関する解説でした。