10.肝臓がん

肝臓がんで行われる緩和ケア(緩和治療)

肝臓がんで行われる緩和ケア

がんが進行すると、どのような治療法も効果を期待できなくなることがあります。また、苦しい闘病生活が長く続いた人はそれ以上の治療を拒否することもあります。

さらに状態によっては、がんの治療を行うとかえって体の状態が悪化して余命を短くしたり、延命はできても生活の質(QOL)が著しく下がるおそれがあります。

このようなときには、医師と患者やその家族が相談のうえ、がんに対する積極的な治療を行わないことがあります。代わりに、がんやそれに付随するさまざまな症状を和らげて、生活の質の向上を目指す「緩和ケア(緩和治療)」を行います。

とりわけ肝臓がんでは、緩和ケアは重要な位置を占めます。というのも、肝臓がんでもっとも多い肝細胞がんは、しばしば肝硬変を合併しており、また、肝細胞がんの次に多い肝内胆管がんは進行が速いなどの理由から、診断時にはもはや有効な治療の手段が残されていないことも少なくないからです。

ただし、緩和ケアで行うさまざまな処置は、末期の人だけに行うわけではありません。早期がんの患者や治癒過程の人対しても、必要に応じて、痛みを抑える、栄養を補給する、などの治療を行います。

■緩和ケアの例:消化器の症状と対症療法

肝臓がんではがんが進行するにつれて、さまざまな体の不調を訴えます。とりわけ多いのは、消化器に関する症状です。

これには、吐き気や嘔吐、下痢、便秘、口の乾燥や口内炎などがあります。また、こうしたことが原因で、深刻な食欲不振に陥ることも少なくありません。

吐き気には制吐薬(原因によって薬が違う)を処方し、下痢には下痢止めを使います。薬の副作用で症状が出ている場合は薬を替えたり、薬の量を減らしたりすることもあります。嘔吐や下痢で水分と電解質(ミネラル)が失われたときには、スポーツドリンク、スープ、バナナなどで補います。

吐き気がひどいときには、氷をなめて水分をとります。脱水が重いときには点滴を行うことがあります。

便秘になったときには、できれば軽い運動を行い、繊維質の多いものを食べ、水分を十分にとります。必要なら下剤も使います。

口内の乾燥は、頻繁なうがいのほか、うすい炭酸水を飲んだり、氷やガム、バター、パイナップル(たんぱく分解酵素が含まれます)をなめると軽くなります。ピロカルピンなどの薬剤を利用することもあります。口内炎はうがいや抗生物質、それにビタミンBの投与で治療します。

食欲不振に対しては、原因をまずつきとめて、食欲を回復させるように努めます。食欲不振の原因は多数あり、前出の吐き気などの胃腸の異常のほか、味覚や嗅覚の異常、心理的な落ち込みなどで起こることもあります。

食欲があっても、数口で満腹する症状もよく見られます。味覚や嗅覚の異常はおもに薬の副作用で起こるため、可能なら薬の種類を替えたり、薬を減らしたりします。

いちどにたくさん食べられないときには、食事の回数を増やしたり、満腹感が出にくい朝などに、より多くの食べ物をとります。そのほか、病院の栄養士や看護師に相談すれば、食事に関するアドバイスが得られるはずです。

食欲不振が深刻なときや、治療の副作用で食べられないときには、「中心静脈栄養法」や、胃に穴をあけて腸までチューブを通して栄養液を注入する「経腸栄養法」などを行うこともあります。

ただし、悪液質、つまりがんのために体重が著しく減少し、筋肉も失われるようになったときには、食事を無理にとったり、中心静脈栄養法や経腸栄養法を行うことが治療につながらない可能性があり、患者にとっては逆に苦痛になることがあります、

体内の代謝の方法が変化して、栄養を利用することができない状態になっているのです。このような場合は無理に食べさせようとせず、好む食べ物を準備しておき、少量ずつ食べさせるようにします。女性ホルモンの一種)投与して、体重の減少を防ぐこともあります。

■緩和ケアの例:呼吸器の症状と対症療法

進行がんの患者の半数には、呼吸困難や咳などの呼吸器症状が現れます。呼吸困難が起こったときには、まず原因(胸水など)をつきとめ、それを取り除きます。また、対症療法として、抗不安薬やステロイド剤、気管支拡張薬、少量のモルヒネ(鎮痛薬)などを投与します。酸素吸入が必要になることもあります。

痰をともなう咳に対しては、空気の乾燥を避け、痰の流出が容易になるよう噴霧器(ネブライザー)を用いたり、痰を吸引したりします。乾いた咳の場合は、鎮咳薬で咳を抑えます。

以上、肝臓がんの緩和ケアについての解説でした。

肝臓がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。

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