10.肝臓がん

転移性肝臓がんの検査と診断、治療方法

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転移性肝臓がんの検査と診断、治療方法

胃や大腸、膵臓など、他のがんから肝臓へ転移した場合(転移性肝臓がん)の検査法と治療法について解説します。

■検査の基本は腫瘍マーカー

腫瘍マーカーとは、血液や尿の検査で検出されるがんと関連の深い物質です。腫瘍マーカーの値(濃度)が高い場合、体のどこかにがんが発生している疑いがあります。

ただし、腫瘍マーカーは絶対的なものではなく、がんがなくても高い値になることがあり、逆にがんがあるにもかかわらず正常値のこともあります。

腫瘍マーカーとしてはいろいろな物質が選ばれており、がんの種類によってそれぞれ特徴があります。転移性肝臓がんの場合、腫瘍マーカーは、そのもとになった原発性のがんによって決まります。つまり、転移性肝臓がんに特有の腫瘍マーカーがあるわけではありません。

転移性肝臓がんの多くは消化器がんからのものです。そのため、CEA(がん胎児性抗原)やCA19-9という腺がんに対する腫瘍マーカーがよく使われます。ただし、原発性のがんで別の腫瘍マーカーの値が高かった場合は、その物質がマーカーとして使われます。

■画像診断

転移性肝臓がんの診断に使われる画像診断技術は、原発性肝臓がんの場合と同じです。おもなものは超音波、CT、MRIなどです。がんの治療方針は、転移性肝臓がんがあるかどうかによって大きく異なります。そのため、検査の感度を上げて、より小さな病巣を見つけられるように、造影剤の種類や使い方は工夫されます。

いまのところ、血管造影と同時に行うCTや、特殊な造影剤を使ったMRIが、感度の点ではすぐれているとみられています。

最近では「PET(陽電子放出断層撮像)」が使われることが増えています。肝臓に限らず全身の転移を検出することができます。

■ステージ(病期)

転移性肝臓がんは、さまざまな場所に発生したがん(原発性がん)の遠隔転移です。したがって、原発性がんからみれば、病期はステージ4に当たります。転移性肝臓がん自体には、病期というものはありません。

■転移性肝臓がん 治療の方法

転移性肝臓がんは遠隔転移に当たるので、肝臓以外にも転移が存在する可能性が高いと考えられます。したがって、治療法は基本的に全身に効果の及ぶものを選択することになります。通常は、もとの原発性がんに用いられる抗がん剤を使った全身化学療法が行われます。

ただし、がんの種類によっては、肝臓だけに転移しやすいものがあります。その場合には、肝臓の転移だけを狙った治療(局所治療)でも、原発腫瘍の縮小や延命効果が得られることもあります。

このようながんの代表的なものは大腸がんです。そこで、大腸がんの肝転移に対しては、局所治療が積極的に行われます。局所治療には次のようなものがあります。

・外科治療(肝臓の切除)

転移性肝臓がんは、肝細胞がんのように肝硬変や慢性肝炎を合併していることはあまりないため、肝臓を大きく切除することができます。正常な肝臓なら、全体の3分の1程度を残すことができれば、安全に手術を行うことができるとされています。

したがって、病巣の数が少ない場合はもちろん、多数の病巣がある場合でも、それらの配置によっては切除できる場合があります。

どの程度の転移までを切除の適応とするかは、外科医の技術レベルや腫瘍の性質などを総合的に考慮して行われるため、病院によって考え方が異なります。

・動注療法

動注療法は化学療法の一種ですが、全身化学療法とは異なり、治療対象の臓器に血液を送り込む動脈を通して抗がん剤を投与します。

この場合、抗がん剤は、治療対象とする臓器を通過した後には薄まってしまいます。したがって、抗がん剤の局所的な効果を高めながら、他方で、全身的な副作用を抑えることができます。

動脈に薬剤を注入するには、その都度血管造影を行うか、専用の器具を体内に埋め込む必要があります。そのため、患者の体に負担がかかり、また特有の合併症も生じます。
しかし、肝転移に限ってみると、治療効果が得られる可能性は全身化学療法よりはるかに高いため、切除が不可能の場合には有力な選択肢となります。

・穿刺療法

転移の数が少ない場合には、エタノール注入療法やマイクロ波凝固療法、ラジオ波焼灼療法も試みられています。これらは、肝細胞がんの治療法として発達したものですが、手術よりも患者の体の負担が小さいという利点があるため、一部の病院では転移性肝臓がんに対しても積極的に用いられています。

ただし、肝細胞がんと腺がんの肝転移では腫瘍の性質が大きく異なるので、腺がんの肝転移に対しては、肝細胞がんに対するほどの治療効果はありません。

また、かえってがんを広がらせる危険性もあります。そのため、切除が可能な場合には、この治療法は第一選択とはなりません。技術的には切除可能であるが、肝臓や全身の機能に問題があるため手術ができない症例が、この治療法のよい適応となります。

・その他の治療法

転移性肝臓がんに対してはほかにも、温熱療法や遺伝子治療など、さまざまな治療法が試みられています。しかし、これらの治療法の実際の治療効果については、現在のところ十分な客観的データは得られていません。

以上、肝臓がんについての解説でした。

肝臓がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。

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