24.放射線治療

がん放射線治療の後遺症と副作用

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がん放射線治療の後遺症と副作用

■骨盤に放射線を照射した場合の後遺症・副作用

男女とも、骨盤の部分には放射線に対してもっとも敏感な生殖器があります。

精巣や卵巣に数回の外部照射を行うと、正常な精子や卵子をつくれなくなり、不妊になる危険性がたいへん高くなります。また女性の場合、少量の放射線でも胎児が死ぬ可能性があるため、治療中に妊娠することは避けるべきだとされます。

しかし子宮や膣に副作用が生じることは少なく、相当量の放射線を与えたときにまれに組織が壊死したり穴があいたりします。

■肺や胸部に放射線を照射した場合の後遺症・副作用

肺への放射線照射では、照射した部分が変性して硬くなり一部の患者は呼吸困難に陥ります。

また胸部への照射では、まれに心臓を包む心膜内に水がたまったり、肋骨が弱くなって骨折しやすくなる、あるいは食道に炎症や潰瘍が生じることがあります。

女性の乳房付近への照射では、成人の場合は乳腺が萎縮したり壊死したりという障害がまれに生じる程度ですが、子どもの場合は、乳房の発育が停止する危険が小さくありません。

■頭や首に放射線を照射した場合の後遺症・副作用

一般に、頭部の放射線治療を始めると、まもなく頭髪が抜け落ちる他、口の中が乾燥したり潰瘍ができたり、味覚が変化したり、あごが開きにくくなったりします。

これらの症状はふつう治療後数週間で治りますが、まれに治らないこともあります。また眼のレンズ(水晶体)は放射線に対して非常に敏感で、少ない放射線量でも白内障を起こします。

しかし今日では人工レンズで対応できます。耳に照射した場合には、中耳炎やめまいなどの症状が現れることがあります。脳は、大量に照射すると脳の組織が壊死したり、脳の一部が梗塞を起こすことがあります。

■がんの放射線治療後、時間を置いて現れる後遺症

放射線治療には、治療を受け始めてすぐ現れる副作用だけでなく、長い間治療を受けていると現れる変化があります。これを「遅発反応」と呼びます。

後から現れる遅発性の副作用の症状は部位によって異なり、治療で受けた線量や発症までの期間、他の治療や処置を受けているかどうかによって左右されます。遅発反応は、「照射後3カ月経過して現れる症状」と定義されています。

しかし実際には、遅発性の副作用の大部分は、治療を開始して1年以上が経過してから生じます。また、急性の副作用とは、障害の起こる原因も異なっています。

急性の副作用では、放射線によって組織の細胞そのものが変化しますが、遅発性の副作用は、血流が悪化したことが原因と見られる症状がほとんどです。放射線を長期間浴びることにより、毛細血管が徐々にダメージを受けます。

その結果、血液が流れにくくなるので、臓器や組織は酸素や栄養が不足し、さまざまな障害を引き起こします。

■放射線治療後すぐにあらわれる後遺症・副作用とは

放射線治療の大きな問題のひとつは、がん細胞だけでなく、正常な細胞にもダメージを与えることです。

放射線は、さかんに分裂・増殖する細胞に効果を発揮しやすいので、がん細胞でない正常な細胞をも損傷したり殺したりすることになるのです。

放射線治療を受けた場合、体の正常な部分におきる副作用には、全身症状として現れるものと、放射線を受けた部分にのみ現れる症状があります。また、照射のすぐ後(急性期)に生じるものと、ずっと遅れて現れる症状があります。

まず、急性期の副作用については、治療後すぐに現れる全身の症状には、おもに、むかつき(悪心)、嘔吐、食欲不張、全身のだるさなどがあります。これらはいずれも二日酔いやつわりの症状と似ており、「宿酔症状」と呼ばれます。

症状の重さは、照射を受けた場所や照射された放射線の量によって異なり、また個人差もあります。ちなみに、体の組織が吸収する放射線の量を「線量」と呼びます。

放射線が当たったところのみに生じる局所的な症状としては、皮膚の場合は、まず赤くなったり脱毛したりします。線量が多くなると、皮膚の表面がぽろぽろはがれ落ちたり(落屑)、ただれたり(びらん、潰瘍)、むくんだり(浮腫)します。かつて、体の深部に到達しにくい弱いX線を用いて治療を行っていた時代には、このような皮膚炎は放射線治療につきものでした。

しかし現在は高いエネルギーの放射線を使っているため、放射線が体の深部に達しやすくなり、皮膚表面に与えられる線量は減りました。そのため、患者に現れる一般的な副作用も、以前とは異なって皮膚炎が生じることは少なくなり、代わって体内の組織が影響を受けるようになりました。

なかでも著しい反応を示すのは、口腔や消化管の内壁の表面を形成している粘膜です。体の粘膜は頻繁に細胞分裂をくり返すため、放射線による影響も受けやすいのです。たとえば口腔やのど、食道の粘膜は、照射によって赤くなったりただれたり、あるいはむくんだりします。

ときには出血したり、粘膜が炎症を起こして壊死し、その他の物質ととも「偽膜」というおおい状の構造をつくることもあります。こうなると、患者はちょっとした刺激物を口に含んでも痛みを感じ、食事をとることも困難になります。

肺がんなどで胸部に放射線を照射する場合も、食道の粘膜が同じような状態になります。また腹部に照射するような場合には、胃腸の粘膜がひどく荒れます。

胃腸の粘膜の表面はたえず細胞分裂を繰り返しているため、照射による影響も強く出るのです。子宮頸がんや前立腺がんに対する照射では、下腹部が照射範囲に含まれるので、腸の吸収機能が十分にはたらかなくなって、大便が軟らかくなり、水状の下痢にまで進むこともあります。

ただ、このような症状に進むのは、急性とはいえ、照射が始まってある程度経過してからです。またいまでは、副作用による下痢を止める方法もあります。急性症状として他に、唾液腺が十分にはたらかなくなるというものと、「間質性肺炎」があります。

あごの部分に放射線治療を受けると唾液腺の分泌がすぐに低下し、口の中が乾燥します。これはなかなか回復しにくく、患者にとってはつらい症状です。

以上、放射線治療についての解説でした。

私がサポートしている患者さんでも放射線治療を受けている方は多くいます。手術に比べてダメージが少ないですが、再発のリスクや後遺障害のデメリットもあります。

がんと闘うためには総合的なアプローチが必要です。

詳細はガイドブックにまとめていますので、興味のある方は読んでみてください。
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本村ユウジ

「がんの研究と、患者さんのサポート」を2008年から続けています。現在まで、3,000名を超えるがん患者さんやご家族をサポートしてきました。詳しいプロフィールはこちら。

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