10.肝臓がん

肝臓がん粒子線治療の流れ・進め方

肝臓がん粒子線治療

肝臓がんにおける粒子線治療ではまず、治療の計画を立てるため、腫瘍とその周辺の画像診断を行います。ふつうはCTで撮影しますが、MRIを併用することもあります。治療時に呼吸同期装置を使用する場合には、検査時にも装置を使ってCTを撮影します。

■準備段階

1.治療計画

検査をもとに、コンピュータ-で治療計画を立てます。腫瘍の数ミリ外側までが照射の範囲となります。コンピューターは、放射線が腫瘍やその周囲の組織にどう吸収されるかを細かく計算します。

肝臓だけでなく、その周囲にある胃や腸、右の腎臓、脊髄などにあたる放射線の量も求めます。このような計算をくり返し行い、最終的に患者の治療に最適と思われる方法を導き出します。

2.固定具の作成

粒子線治療のときには、放射線が正確に腫瘍にあたるようにするため、患者は動かないようにしなければなりません。そのため、患者の体に合った固定具を、あらかじめ作成しておきます。治療前の検査時にも、この固定具を付けます。

3.遮蔽板と吸収板の作成

粒子線治療の際には、患者の腫瘍の形に合った遮蔽板(コリメーター)と吸収板(ボーラス)が必要になります。このうち遮蔽板は、放射線が腫瘍のまわりにあたることを防ぐため、中央が腫瘍の形にくり抜かれた金属の板です。

また、吸収板は樹脂などからできており、中央が腫瘍の形にくぼんでいます。この板を通して放射線を体にあてると、放射線のエネルギーが低くなります。そこで照射時に、この板を設置したりはずしたりして粒子線のエネルギーを調節して、腫瘍の厚みに合わせます。

腫瘍のより深い場所にエネルギーを与えるには、吸収板をはずし、より浅い場所にエネルギーを与えるときには、吸収板を体の上に設置します。

吸収板を使用せず、陽子ビームのエネルギーを変化させることにより、腫瘍の厚みに対応させる場合もあります。なお、粒子線治療では、1方向または2方向からの照射が一般的です。

■治療の手順

1.位置決め

治療の際には、照射の位置が1ミリも狂わないような正確さが必要です。そのための準備として、固定具を付けて治療台の上に横たわります。

ついで、医師や放射線技師がX線で体内を観察しながら、前述の治療計画に合う状態に、治療台の位置を設定します。そして、その状態でX線撮影を行います。また、治療台の位置や照射場所の目安とするため、患者の皮膚や固定具にも印をつけます。

毎回の治療時には、このとき撮影したX線写真と実際のX線画像が重なるようにして、照射の位置がずれないようにします。初回の位置決めには1時間ほどかかりますが、次回からは一般に30分程度になります。

2.放射線照射

放射線技師が放射線を照射します。粒子線治療の場合、照射時間は1分程度です。呼吸同期装置を使用する場合には、5分くらいかかります。治療中に痛みはありません。

3.照射後

照射後は、安静にするなどの行動の制限は基本的にありません。しかし、放射線を照射した部分の皮膚は、目には見えなくても損傷しています。そのため、治療期間中やその後しばらくは、皮膚を日光や紫外線照明にさらさない、手でこすったりベルトなどで強く締め付けたりしない、などの注意が必要です。

■治療の回数とスケジュール

健康な細胞のほとんどは、放射線を浴びても簡単には損傷を受けず、また、傷ついても比較的すみやかに回復します。これに対して、がん細胞のようにたえず分裂をくり返す細胞は、放射線によって損傷しやすく、回復にも時間がかかります。

そこで、放射線治療を行うときには、少ない放射線量を何回にも分けて照射すれば、正常な組織に与える損傷がそれだけ小さくなると考えられます。粒子線治療では、週5回の照射を4週間くり返します。1回の治療の照射量は約4グレイで、総線量は70~80グレイです。

■治療期間中の検査

治療期間中は、副作用が出ていないか調べるため、1週間に1回程度、血液検査や一般的な体の診察を行います。また、治療効果を調べ、その効果が上がっているときには、沿療計画を立て直し、照射範囲を小さくすることもあります。

以上、肝臓がんの放射線治療についての解説でした。

私がサポートしている患者さんでも放射線治療を受けている方は多くいます。手術に比べてダメージが少ないですが、再発のリスクや後遺障害のデメリットもあります。

肝臓がんと闘うためには総合的なアプローチが必要です。

詳細はガイドブックにまとめていますので、興味のある方は読んでみてください。
がん治療で「絶対に」やってはいけないことは?

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