06.食道がん

食道がんを見つけるための検査方法と腫瘍マーカー

2015/05/21

食道がんを見つけるための検査方法

食べものを飲み込むときに、「胸がしみる感じ」や「のどがつまる感じ」などの違和感から食道や胃の病気が心配なときは病院に行って検査を受けることが望ましいといえます。
食道がんが疑われる、となったときに実際に行われる検査の項目と内容は次のとおりです。

■上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)=ヨード液による検査

内視鏡検査は食道の内腔を直接観察することができ、食道がんの診断に欠かせない重要な検査です。検査によりがんが見つかった場合は、がんの場所や大きさに加えて、がんの形状や広がり具合、色調の変化などを観察することにより、がんの深さを推測することができます。

また、色素内視鏡検査といって、正常な食道粘膜と、がんでは染まり方が異なる液体(色素)を、食道内に散布して行う観察法もあります。

最も広く用いられている色素はルゴール(ヨード)液です。正常な食道粘膜はルゴール液に触れると黒褐色に変色しますが、がんの部分はルゴール液に触れても変色しません。したがって、ルゴール液を撒くと、正常な食道粘膜とがんの部分のコントラストがより明瞭となります。これによって、通常の内視鏡検査でははっきりしないような、ごく早期のがんも観察しやすくなります。

さらに内視鏡の先端についた超音波装置を用いて行う超音波内視鏡検査では、粘膜より深い部分の状態や食道の壁の構造を観察することができるため、がんがどれくらい深く進展(浸潤)しているか、周囲に腫れたリンパ節はないか(リンパ節転移の有無)、周りの臓器へ食い込んでいないかなど(浸潤の有無)について、より詳しい情報が分かります。

■食道造影検査

ハリウム(造影剤)を飲み、それが食道を通過するところをX線撮影し、食道粘膜の様子や食道の壁の変形を調べる検査です。内視鏡検査が食道の内腔に関して詳細な検査を行うことができるのに対して、食道造影検査はほかの臓器との位置関係や全体像の把握、病変部の大きさや位置、狭窄の程度などを調べるのに有用な検査です。

■CT検査

CT検査は、からだにさまざまな角度からX線を照射し、コンピュータで解析することで、からだの内部の構造をちょうど輪切りにしたように観察できる検査です。現在では、機器の性能が向上し、いろいろな向きのからだの断面図を作成できるようになってきています。

食道は胸の中では心臓や気管、肺や大動脈、背骨といったさまざまな臓器に囲まれています。CT検査は、食道がんそのものの大きさや広がりに加えて、こうした周囲の臓器への浸潤の有無、肺や肝臓などほかの臓器への転移の有無、リンパ節転移の有無を調べることができる非常に重要な検査です。

また、治療が行われたあとの経過観察中にも、その治療の効果や再発がないかどうかなどを調べるために利用されています。CT検査では造影剤を併用すると、病変部が明瞭となって、より詳細な情報が手に入るため、食道がんの検査では造影剤を使用する場合が多いですが、造影剤にアレルギーのある人には使用できませんので、あらかじめ医師に申し出ましょう。

■MRI検査

MRI検査は、磁気を利用してからだの中の構造を画像として表示する検査です。MRI検査は、放射線被曝の心配がなく、診断能力もCTとほぼ同等と考えられますが、大きな音がする狭い筒(トンネル)状の機器の中に入って行う検査で、検査時間も20~30分とやや長めです。

暗く狭い所が苦手な人や、長時間じっとしているのが苦手な人にはオープンタイプもあります。なお、体内に金属のある人(ペースメーカーなど)には使用ができませんので申し出ましょう。

■FDG-PET検査

PETとは、ポジトロン断層撮影の略称です。FDG-PET検査は、放射性同位元素で標識したぶどう糖と似た薬剤(FDG)を投与し、体内でのこの薬剤の分布を画像化する診断法です。

一般的にがん細胞は、正常の細胞に比べエネルギーの消費量が多いため、エネルギー源としてのぶどう糖をたくさん取り込むと考えられます。FDGは体内で、ぶどう糖と同じ動きをするため、がんに集積します。これを画像としてとらえたのがFDG-PET検査です。

CTやMRI検査が、がんを「かたち」としてとらえる形態学的な検査であるのに対して、PET検査はがんのエネルギー代謝の状態を画像化する質的な検査であるのが特徴です。またPET検査は、1回の検査で全身のがんを探すことができます。

しかし、早期のがんや小さなリンパ節転移の診断は難しいことや、FDGは、がん以外にも炎症を起こした部位に集積する性質を持つために、がんと炎症の区別がつきにくいこと、薬剤の製造や撮影装置の設備費用の問題などで、検査可能な医療機関が限られることなど、幾つかの問題点があります。

食道がんに対するPET検査は、2006年4月に保険適応となっており、からだ全体を網羅した観察ができる特長を生かし、リンパ節や肺、骨、肝臓への転移を含めた全身の転移を素早く見つけ出す検査として活用されています。

また、最近ではPETとCTを組み合わせたPET-CTも利用されており、FDGの集積した場所をより正確に同定(見極めること)できるため、診断能力のさらなる向上が期待されています。

■食道がんの腫瘍マーカー

腫瘍マーカーは、血液中に存在するがん細胞がつくる特有の生体物質(がんに特有のたんぱく質など)のことです。がんの目印(マーカー)となることから、このように呼ばれており、血液中の濃度が測定されます。

食道がんの腫瘍マーカーとしては、がん細胞の種類にもよりますが、SCC(扁平上皮がん関連抗原)とCEA(がん胎児性抗原)、CYFRA(サイトケラチン19フラグメント)などが知られています。腫瘍マーカーは、がんであれば必ず上昇するとは限りません。また、がん以外の原因でも高い値を示す場合があるため、ほかの診断法と組み合わせて補助的に使用されています。また腫瘍マーカーは、がん細胞が少ないと異常値を示さないため、がんの早期発見にはあまり有効ではありません。

現時点では主に治療後の経過観察において、治療効果や再発の有無の判定の目安として使用されています。

以上、食道がんに関する解説でした。

がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。

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