04.大腸・直腸がん

大腸がんの腹腔鏡下切除手術とは

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大腸がんの腹腔鏡下切除手術

腹腔鏡を用いた切除手術は近年よく使われるようになった方法です。初期のころは、リンパ節の切除郭清が困難だったため、早期のがんだけに行われましたが、最近では進行がんにも採用されるようになりました。技術や機器の進歩、さらに経験の積み重ねで広く切除することが可能となったためです。

腹腔鏡下切除は部位によって難易度に差があります。がんがよくできる部分であり、技術的にやりやすいことから、S状結腸がんへの適応が半数以上を占めています。続いて回盲、上行結腸のがんの切除が多いのが特徴です。直腸がんに対しては困難ですが、その他は技術の進歩でどの部位でもできるようになりつつあります。

具体的な進め方として、操作視野を広くするために気腹法(腹腔に大量の空気を入れて大きくふくらませます)や、つり上げ法が行われていますが、それぞれ長所、短所もあります。なお、腸管切除および切除後の両端の吻合には、腸管を体外に引きだして行うという外科介助が主(約8Oパーセントを占めます)ですが、直腸では体外への誘導が困難なこともあり、体内で吻合されています。

術中の合併症として、腹腔鏡下切除を意図したのに途中でやめ、通常の開腹手術に変更せざるをえないことがあります。おもな理由として腹腔内の癒着、がんの予想以上の進展、術中の出血、臓器損傷があげられますが、医師の経験と熟練によって改善され、開腹への移行は少なくなっていくと予想されます。

腹腔鏡下切除の術後の合併症は傷口の感染が多いのですが、大部分は機器挿入部の腹壁の感染です。そのほか、出血、縫合不全による合併症がやや多いようです。

腹腔鏡下切除の主目的は、患者にできるだけ身体的なダメージを与えないということでしたが、技術的には広範囲の郭清も可能であり、しだいに多く行われるようになりました。回復が早く、入院期間が短縮でき、手術後4~5日で退院できることが一般的です。

一方、開腹手術にくらべ、手術時間が長く、高価な機器を使用するのでハイコスト、局所感染の増加などの問題があります。

また、腹腔鏡下切除の欠点として、手で触れて判断する触診ができないという問題があります。これを補うのに、小さく開腹して腹腔に片手だけを挿入して行う準腹腔鏡下手術もかなり行われるようになりました。

この方法の場合は手術の傷は少し大きくなりますが、従来のように広く開腹することがないので回復が早いというメリットがあります。また、領域のリンパ節もある程度(一次、二次)までは切除可能です。今後腹腔鏡下切除は積極的に行われるようになるでしょう。半数以上の手術が腹腔鏡下切除で行われるようになると予想されています。

■比較的新しい、そのほかの治療法

・EMR(内視鏡的粘膜切除)

日本で開発された技術です。内視鏡でのぞきながらポリープの根元にループ状のワイヤーをかけて締めつけ、電気を流して焼ききるポリペクトミーの技術を応用したものです。扁平タイプの早期がん(粘膜がん)に対して、内視鏡でのぞきながら粘膜下に生理食塩水やブドウ糖液を注入してふくらませてポリープ状の形にし、ポリペクトミーを行います。

最近では大腸がんだけでなく、食道がんや胃がんの早期がんに盛んに行われています。がんが大きい場合は3~4日の入院が必要です。

・TEM

小さな直腸がんに対する一種の内視鏡下の手術です。肛門から12~13センチまでのところにある早期のがんに対して肛門から太い直腸鏡を挿入し、その筒の中に電気メスなどを入れてがんとその周辺を切除します。粘膜切除(EMR)と違うところは、粘膜だけでなく深く腸壁全層まで切除したあと縫い寄せることです。高額の機器と技術が必要で、日本では数カ所の施設で行われていますが、適応が限られており、またこれでなければというものでもないので、あまり普及していません。

・後方切除

多少進行したがんで粘膜切除(EMR)が困難な小さながんに対して行います。腰椎麻酔を行い、尾骨のところを切開し、直腸がんのある場所とその周辺の脂肪組織を含めて部分切除し(郭清)、その後、切り離した腸と腸をつなぎ合わせる方法です。

普通は前のほうから開腹してがんを切除しますが、この場合は開腹せず背中(後方)から手術するので後方切除と呼ばれています。局所的切除に相当するもので、手術後機能障害もあまりないことがメリットです。

以上、大腸がんの手術についての解説でした。

がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。

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