04.大腸・直腸がん

大腸がんにはどんな治療法があるのか(治療法の種類)

2015/05/21

放射線治療

■大腸がんの治療法

がんの治療には内視鏡的治療(内視鏡による腫瘍の切除)、外科的手術、放射線治療、化学療法、免疫療法、温熱療法、遺伝子治療などがあります。がんがどの臓器にできているか、また組織型によって最初に選択する治療手段は異なってきます。

大腸がんでは現在のところ、進行がんに対しては、放射線治療や化学療法がおこなわれますが、根治を期待することはできません。そのため進行がんになる前に早期発見し、手術で切除することが第一の治療として考えられています。

最近の治療法として、内視鏡下で外科的切除を行う腹腔鏡下切除が開発され、通常の外科的手術(開腹手術)に匹敵する治療成績をあげています。

■外科的治療(手術)

現在のところ、進行がんに対しては外科的な切除療法が一番効果的だとされています。とくに他の臓器のがんとちがって、大腸がんの多くは分化度の高いおとなしいがんで、進行についてもどちらかというと局所にとどまって大きくなる傾向が強いだけに、かなり大きくなっても周囲を十分大きく切除すれば、がんを取りきれて治る確率が高いといえます。このような意味から、大腸がんは外科的治療に向いたがんの一つとされているのです。

しかし、多くのリンパ節や周囲に深く広がると外科的切除の限界があり、手術したあとに将来再発するものが少なくありません。このような限界に対して、手術後の補助療法として放射線治療や化学療法を手術のあとにつけ加えます。しかしその予防効果がどれくらいあるのかはまだ十分に評価されてはいません。

■放射線治療

大腸のがんは放射線治療がそれなりに効くとされています。小さながんなら、放射線治療だけでがんは消えて治癒する可能性が高いと思われますが、外科的治療ほどの確実性がないことと、放射線障害が残るので、特別な症例以外には行われていません。

がんが進行しすぎて外科的に切除できないものに放射線治療を行って、腫瘍を小さくしてから手術を行うことがあります。また、外科的に切除できないものや再発などには、強力な放射線治療が行われており、腫瘍の縮小、疼痛の軽減などの点で効果が見られますが、残念ながら、効果は一時的で、治癒までには達しません。温熱療法を組みあわせると、放射線照射効果があがるとされています。

■化学療法

いろいろの薬が開発されていますが、現在のところ放射線治療と同様に、やり方によっては効果が期待できる場合もありますが、通常は一時的に腫瘍が小さくなり、ときには消えることがあっても、治癒するまでには至りません。

明らかな効果をあげるためには、きつい抗がん剤を大量に使う必要があり、この場合、食欲不振、吐き気、倦怠、脱毛、貧血などの副作用が避けられず、しかも多くは効果が一時的なので、有益な治療法とは位置づけられていません。

■免疫療法

ある種の免疫活性剤は動物実験でその効果が認められていますが、現在、臨床的にはその効果は不明です。新しい治療法としてたいへん話題になっていますが、実際には試行錯誤の段階というべきで、まだ効果のはっきりしたものはありません。

現在のところ、単独では効果が期待できず、抗がん剤の化学療法と組みあわせ、むしろ抗がん剤の効果を高めるためのBRM(生物学的反応修飾剤)として併用されています。

近年では患者の血液の中にある感作リンパ球細胞ががん細胞を攻撃するのを利用して、患者さんのリンパ球細胞を体外に取りだして、実験室で細胞工学的に培養増殖させ、それを体内に戻してやる方法も試みられていますが、評価はまだ十分に得られていません。

■温熱療法

がん細胞が高温に弱いことから、マイクロウエーブを利用して腫瘍のある部分を摂氏40~42度に加温する方法で、皮膚がんなどに効果が見られています。大腸がんなど腹腔の深いところにあるものでは、その部分だけを選択的に十分に加温することが難しく、単独ではあまり成果があがっていません。この療法は、放射線の照射効果を高めるために併用されます。

■遺伝子治療

1990年代に入ってから試みられています。その成果は未知数です。大きく分けて、

・がん細胞に遺伝子操作をして腫瘍ワクチンを作り、それを身体に戻す。
・がん細胞に分裂増殖阻害因子を注入して、がん細胞を自殺に追いやる。
・がん細胞にがん抑制遺伝子を入れて、がん細胞を正常化しようとする。

などの療法が考えられ、実際に試みられています。

以上、大腸がんについての解説でした。

がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。

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