02.がんについて

がん患者と医療機関(病院・医師)との法的な契約関係とは?

2015/05/21

hospi008

「病気を治してほしいので、治療をお願いします」(患者)。「わかりました」(医師)、という信頼をもとに患者と医療機関との間では契約関係が成り立っているといえます。

すべての医療はこの基本的な医療契約のもとによって行われるのです。

契約を結ぶと、患者には受けた医療行為に対して、対価(主に金銭)を支払う義務がうまれ、いっぽう医療機関には誠実に医療行為を行う義務がうまれます。

ここでのポイントは、医療機関にあるのは「誠実に医療行為を行う」義務であり、必ず病気を治すという結果に義務・責任があるのではありません。病院に行っても改善しなかった、治らなかったといって医療機関に抗議をする人が多くなっていますが、そもそも結果責任は負っていないので、このような訴えは前提が間違っているといえます。

なお、これはあくまでも基本的な原則といえる契約です。初診の時点と「診断が進んで大きな治療を行う時点」とでは、条件が異なります。医療行為が進むにつれ、実は様々な契約が行われながら時間が経過していくということです。書面にしていちいちハンコを押すわけではないですが、細かい契約を結びながら治療は進行していくのです。

検査や治療は、人間の体に変化を及ぼす行為なので、会社同士が商品の発注をするなどの契約行為よりも倫理的にはずっと重いものだといえます。それゆえにいちいち契約書を交わしても決しておかしくはないのですが、通常は、双方が信頼し合って、診療行為の実施に関しては、実務上の作業が増えすぎてしまうことから、契約書による契約締結は割愛されているのです。

一般的には最初に診察券の発行したときに、基本的な契約とその後の信頼関係による医療行為の契約はなされている、ということです。

ただし、命に関わる重大な治療を行う場合や、多額の医療費の支払いが生ずるような場合は、トラブルが生じないように「あらためて」書面で契約内容が確認されるのです。手術の承諾書などがその一例だといえます

とはいえ、実際に診療が進んで行く間には、患者や家族に理解困難なことが起きる場合があります。そのような場合担当責任者(多くの場合は主治医)が十分に患者や家族に説明する必要があります。

現代医療では、医師が非常に忙しく、丁寧でじゅうぶんな説明をすることが少ないのが実態だといえます。逆に患者サイドはインターネットや書籍などで知識を得ていることが多いので、「医師の説明が不十分だ」という話になることが多くなっています。

患者サイドは医師が完全な説明をしてくれると期待したりして待つのではなく、単純に分からないところがあればしっかり質問して確認することが必要です。コミュニケーションの齟齬が続くことで、後々に大きな問題になり、医療紛争に発展する可能性があるのです。

そのような事態をできるだけ未然に防ぐために、患者は医療機関(担当医)から、自分に予定されている診療内容について十分に説明を受け、理解・納得した上で診療を受けることを承諾する(契約を結ぶ)ことが、現在の医療原則の1つになっています。この様な手続きのことを「説明と同意」(インフォームド・コンセント)といいます。

患者に理解不足や疑問点が残っている場合は、担当医は日や場所を変えてでも、納得できるまで辛抱強く説明をする義務があるのです。

また、患者は他の医療機関や医師から意見を聞くことができます。主治医の説明を理解はできても、それが十分かどうかの判断は難しいこともあります。念のため他の医療機関、あるいは知り合いの医師の意見を聴いてから決断したいと思う場合は、決して少なくありません。その様な場合、他の医師の意見を聞くことを「セカンド・オピニオン」といいます。

一昔前は「私を信頼していないのか」と医師が不機嫌になることが多く、スムーズに進まないこともあった「セカンド・オピニオン」ですが、昨今は患者がセカンド・オピニオンを求めることに不快感を示す医師は減っています。また、セカンド・オピニオンを求められる医師も積極的に応じるようになってきています。

医療機関は、さまざまの法規の規制を受けています。例えば、社会保険制度では、患者さんが希望する医療、あるいは担当医が医学的に妥当と考えている医療が実施できないことがあります。また、自由診療といえども、医療機関と患者さんとの間で、好き勝手な医療上の契約を結ぶことはできません。医療倫理上に外れることや、医師の信念や方針に反することを患者が強要することはできません。この原則は、がん医療においても遵守されています。

なお、責任は病院や医師ばかりが負っているのではありません。患者と医療機関との契約は、医療費の支払いや医療内容のみではなく、「診療協力」という言葉で記されている「患者の義務」があります。

具体的には、受診指定日に来院すること、薬をスケジュールどおりに飲むこと、急変時には直ちに連絡すること、自己の疾病に関する情報を医師に提供すること(「患者の倫理」)などです。

また、医療機関内での患者・家族の言動についても契約が行われています(診療時間、食事時刻、入浴・面会・消灯時刻などです)。病院は多数の人が時間を共有する場所です。その場にいる全員がルールにのっとって言動しなければならない、という当たり前の契約だとえいます。

これらの約束事・契約が守られない場合(契約違反)には、医療機関は一方的に退院を命じることや、今後の診療を禁止すること(契約破棄)ができます。お互いの立場や仕事を尊重して、ルールや約束を守って共に医療行為を進めていく、という姿勢が求められます。

以上、がんと医療についての解説でした。

がんと診断されたあと、どのような治療を選び、日常生活でどんなケアをしていくのかで、その後の人生は大きく変わります。

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