31.民間療法の研究

がんの再発予防に運動は効果あるのか?客観的に検証

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まず「健康な人にとって」日常生活において適度な運動をすることは、がんの予防に対して、良い影響を及ぼすことが複数の疫学調査で明らかとなっています。

では、がんに一度罹患された人が、運動をすることによって再発を予防したり、進行を抑えたりする効果はあるのか?というのがこの記事のテーマです。

過去の論文などを紐解き、運動(エクササイズ)の効果を検証したいと思います。

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アメリカ癌協会の提言

アメリカの癌協会は「がん予防のための栄養・運動のガイドライン」でがん予防のために次の4点を推奨しています。

1.生涯を通じて健全な体重を維持すること

2.身体的に活動的な生活を送ること

3.植物性食品を豊富に含む健康な食事を摂ること

4.お酒をたしなむ場合は摂取量を制限すること

上記のうち、1と2は、日常の運動習慣と密接に関係しますので、がん予防のためには、適度に運動することが重要であることがわかります。

また、このガイドラインでは、運動に対する推奨事項に関して「一週間に5日以上、30分以上の中程度の運動」を推奨しています。

この「運動」には、通勤時に駐車場から会社まで歩くといった日常の活動も含まれていますが、それだけでなくジョギング、自転車、スポーツなど意図的な活動を積極的に含めるよう努力すべきであると強調されています。

以下はアメリカ癌協会で具体的に挙げられている運動、スポーツの例です。

【推奨される運動・レジャー】

・中程度の運動

ウォーキング、ダンス、ゆっくりしたサイクリング、アイススケート、ローラースケート、乗馬、カヌー、ヨガ

・積極的な運動

ジョギング、ランニング、高速のサイクリング、ウェイトトレーニング、エアロビクス、武術、縄跳び、水泳

【推奨されるスポーツ】

・中程度の運動

バレーボール、ゴルフ、ソフトボール、野球、バドミントン、テニス(ダブルス)、スキー

・積極的な運動

サッカー、フィールドホッケー、アイスホッケー、ラクロス、テニス(シングルス)、ラケットボール、バスケット、クロスカントリースキー

また、デスクワーク中心の人へのアドバイスとして以下に示す項目も挙げられています。
・エレベーターよりも階段を使う
・可能であれば目的地まで徒歩か自転車で
・ランチタイムに運動を
・仕事の合間にストレッチなどのエクササイズを
・職場の同僚には、電子メールを送るかわりに歩いて訪ねる
・配偶者や友人とダンスに行く
・活動的な休暇を計画する
・歩数計をつけて日々の歩数を増やす
・スポーツチームに所属する
・テレビを見ながらエアロバイクやトレッドミルを利用する
・運動スケジュールを計画する
・子どもと一緒に遊びながら過ごす。

がん患者さんにとって運動することのメリットは?

では、既にがんと診断された人にとって、運動はどのような意味があるのでしょうか。

がんと診断された患者さんに治療後、積極的に運動を行ってもらうと、QOL(生活の質が改善したり、精神的なストレスが軽減したり、免疫機能が活性化したりする効果があることが複数の臨床介入試験で確認されています。

これまでに報告された研究結果をみてみると、乳がんの患者さんを対象にした研究報告が多く、その他のがんについては運動による影響が不明であること、また報告によっては運動による効果が認められていない場合があることなどが特徴的です。

しかし、治療後の人生のことを考えると、積極的に運動を行うことは、好影響はあったとしても悪影響は少ないものと思われます(動ける体調であることが前提ではありますが)。

また、乳がんや前立腺がんなどでは、ホルモン治療の副作用として、筋力の低下や骨密度の低下が生じて、その結果骨折を起こしやすいことが知られています。

これらの予防のためにも、積極的な運動、特に筋力トレーニングの有効性が注目されています。

運動とがん再発予防の調査研究

運動が健康な人にとってがん予防になる、といわれているように、がん患者さんにとっても運動ががんの再発を予防できるのかどうかについて気になるところです。

世界的な大規模な調査も行われているので、まずはその調査研究をみてみましょう。まずは乳がんに関してです。

乳がん治療後の運動に関する調査

2005年に発表された乳がん患者さんを対象にした大規模調査があります。

この調査では、アメリカの乳がん患者2987人を約8年間追跡したところ、週に3~5時間のウォーキングに相当する量の運動をしていたグループでは、乳がんの再発率が約40%、乳がんによる死亡率が約50%低かったとされています。

ただし、この調査では、ステージⅣの末期がんの患者さんは除外されています。

乳がんになってから中央値で8年間の追跡調査を行ったところ、463人が死亡し、このうち280人が乳がんによる死亡でした。また、乳がんが再発したのは370人でした。
この調査では、ほぼ2年に一回のペースで、余暇時の運動についてたずねています。

運動量に関しては、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリング、スイミング、テニスなど8項目の運動の頻度を質問し、その回答にもとづいて、エネルギー消費量を計算して、このエネルギー消費量を、普通の速度で歩くウォーキングの時間数に換算しています。

その結果、週に1時間未満のウォーキングに相当する運動しかしていないグループと比べて、週に1~2.9時間、3~4.9時間、5~7.9時間、8時間以上のウォーキングに相当する運動をしているグループでは、乳がんによる死亡率が、それぞれ0.80倍、0.50倍、0.56倍、0.60倍となりました。

つまり、週に3~4.9時間のウォーキングに相当する運動をするグループでは、乳がんの死亡率が50%低くなったけれども、運動量をさらに増やしたからといって、乳がんの死亡率はそれ以上低くならないという結果になります。

この結果は、乳がん死亡率に限らず、あらゆる死因による死亡率や、乳がんの再発率についても、ほぼ同じ傾向となっています。

こうした結果から、この研究では、乳がんになった後で「ある程度の負荷で、適度な運動」をすることが、乳がんによる死亡リスクを下げる可能性があると結論づけています。

大腸がん治療後の運動に関する調査

次は大腸がんの調査で、これもアメリカで同じ研究グループによる報告です。

ステージⅣの転移がん、末期がんの人を除く573人の大腸がん患者さんを対象にして検討を行っています。

大腸がんになってから平均して9.6年間の追跡調査を行ったところ、その時点では132人が死亡し、このうち80人が大腸がんによる死亡だったとしています。

この調査では、ほぼ2年に一回のペースで、余暇時の運動についてたずねています。

運動量に関しては、乳がんの調査と同じくこのエネルギー消費量を、普通の速度で歩くウォーキングの時間数に換算しています。

その結果、週に1時間未満のウォーキングに相当する運動しかしていないグループと比べて、週に1~2.9時間、3~5.9時間、6時間以上のウォーキングに相当する運動をしているグループでは、大腸がんによる死亡率がそれぞれ0.92倍、0.57倍、0.39倍となり、あらゆる死因による死亡率がそれぞれ0.77倍、0.50倍、0.43倍となりました。

この調査では、大腸がんの再発率の検討は行われていませんが、大腸がんと診断される前後で、運動量が変化したかどうか、また、それによる死亡率への影響について詳細に検討されています。

その結果、大腸がんと診断された前後で運動量が変化しなかった人に比べて、運動量が増えた人は、大腸がんによる死亡率が0.48倍、あらゆる死因による死亡率が0.51倍となりました。

また、詳細な検討を行った結果、死亡率を改善させるためには、少なくとも一週間に3時間以上のウォーキングに相当する運動を行う必要があるとしています。

もう1つの大腸がんに関する調査

大腸がんのもう一つの調査は、ステージⅢの大腸がん患者さんに対して、手術と抗がん剤の治療を行う臨床試験に参加した1264人のうち、6か月以上大腸がんが再発しなかったなどのいくつかの条件を満たした832人の患者さんを追跡したものです。(同じくアメリカの調査)

抗がん剤の治療終了後に運動量の聞き取りを行い、その後、平均して2.7年間の追跡調査を行ったところ、159人が大腸がんを再発していました。

また、84人がさまざまな理由で死亡していました。

その結果、週に一時間未満のウォーキングに相当する運動しかしていないグループと比べて、週に1~2.9時間、3~5.9時間、6~8.9時間、9時間以上のウォーキングに相当する運動をしているグループでは、大腸がんによる再発率がそれぞれ0.86倍、0.89倍、0.51倍、0.60倍となりました。

さらに継時的に大腸がんの再発率や対象となった人の死亡率を集計したところ、運動量が増えるほど再発率と死亡率は低下しました。

また、詳細な検討を行った結果、再発率や死亡率を改善させるためには、少なくとも一週間に6時間以上のウォーキングに相当する運動を行う必要があるとしています。

最近の大規模疫学調査によって、がんの診断後に積極的に運動している人の方が、そ
うでない人に比べて、がんの再発が抑制されたり、生存が延長したりする可能性がある
ことが明らかとなってきました。現在までに報告された調査結果で対象となったがんの

がんの種類にも関係すると思われる

上記のようないくつかの大規模調査によって、がんの診断後に積極的に運動している人の方が、そうでない人に比べて、がんの再発が抑制されたり、生存が延長したりする可能性があることが明らかとなってきました。

ただし、現在までに報告された調査結果で対象となったがんの種類は主に乳がんや大腸がん、前立腺がんなどです。

これらに共通しているのは「生命の維持に直接的な関与をしていない臓器、器官」であることがいえます。

たとえば肺がんの場合は、肺を手術することで運動をすること自体が困難になることがありますし、膵臓がんでは発見時期に進行している確率が高いことや再発率が高いこと、肝臓がんでは手術後に体調の悪化が起りやすいことなども関係しているといえます。

まとめ

【QOL(生活の質)を改善するか?】

乳がん患者さんにおいて、運動することによってQOL(生活の質)が改善したり、精神的なストレスが軽減したりする可能性があります。

【手術、抗がん剤、放射線治療の副作用や後遺障害を軽減するか?】

乳がん、前立腺がん患者さんにおいて、運動することによって、ホルモン治療の副作用による筋力低下や骨密度低下の予防ができる可能性があります。

【再発を予防したり、生存期間を延長したりするか?】

乳がん、大腸がん患者さんにおいて、診断後、積極的な運動を行うことによって、再発を予防したり、生存期間を延長したりする可能性があります。

【気を付けるべきこと】

心臓機能や呼吸機能に問題がある場合や、胃や消化器の問題などによって栄養状態が極度に悪化している人は、無理のない範囲で慎重に運動メニューを決めましょう。

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たった1つの条件とは

 

こちらのページで明らかにしています。

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